容姿・経歴・その他メモ

──御玉木町3丁目は、今日も2008年10月2日を繰り返している

◆覚醒
母親から殴られることは辛くなかった。
僕の体は頑丈だったし、母は優しく頑張り屋で、それがゆえに完璧じゃない自分も、我が子も許せない。そういう弱い人だっただけだ。
13歳、初めて告白された。牧瀬みどり、明るくて永遠と喋り続ける女の子。
保育園も小学校も一緒だったけど、そんなふうに思ってるとは知らなかった。
砂月くん家に関わっちゃだめだと、近所の人は口にする。そんな自分に積極的に関わってきた女の子。かけがえのない人物とはこういう人を言うんだと、僕はそう思った。

◆それからたくさん遊んだ。毎週のように近所に出かけた。雨の日には隠れてゲームをした。お金を貯めて遊園地にも行った。
そんな日が過ぎた、10月2日。
帰りのバスは、突然真横に吹き飛んだ。
交差点で減速することなく飛び込んできた大型トレーラー。バスの車両は弓のようにひしゃげた。
僕らの体が炎に包まれることを認識したときにはすでに、彼女の体は脇から斜めに鉄棒が貫いていた。

◆ここで死んでいいと目を閉じた。だけど目覚めは病室で、横に座っていたのはスーツを纏った大柄の男。そいつは裂けるほどに口元を歪ませ、こう言った。「目覚めましたか。事情を説明します。これはゲームです！」
そいつは化け物と契約した超能力者だという。
この世には超能力者…レネゲイドというらしい…を扱う組織があること。僕にもその不思議な能力が目覚めたこと。そして、牧瀬みどりが死んだこと。
「あの事故を引き起こしたのは我々です」
「しかし、牧瀬みどりさんを救いたくはありませんか？」
「あの日から、みたまぎ町は変わってしまった。みたまぎ町につながるとある裏道。そこから町に入ると、『2012年10月2日のまちまぎ町』に行くことができる！特異点となり、その時空間を保持している！」
「これは計画のうちにない。どうしてこんなことができているのか？あなたの支配する領域の力か。それとも世界が望んだのか？」
「わからない。いずれにせよ、君は選択することができる」
「何も知らなかったことにして、日常に戻るか。それともその力を使い、極め、発生した2012年10月2日の領域に決着をつけるか」
「牧瀬みどりを取り戻したい、誰のためでもない、自身のネガイのためにその力を使いたいというなら、我々ファルスハーツが歓迎しよう！
「ひとまず見に行こうではないか。変わっていた世界と、変わらずに繰り返し続ける世界とを」


◆僕はいつでも、今日死ぬと分かっている、牧瀬みどりに会いに行けるようになった。

◆あの日から、僕は求めている。
世界に牧瀬みどりの生きていることを認めさせる方法を。世界を、僕の作り出した領域へと書き換える力を。
コードウェル博士の持つ懐中時計…それには時間と因果に関する力があると言われている。殺してでも奪いとって、試してみるしかない。
「ねえ楓、楽しかったね。今日が終わらなければいいのにね！」

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◆ブラック企業シナリオ
　PC①またはPC②？

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