容姿・経歴・その他メモ

氷上慈施月は、鬱屈した日々を送っている。

母親はある日を境に慈施月に構うことが無くなった。
それはネグレクトと言って差し支え無く、母子家庭だった慈施月はひとりぼっちになった。
一人の時間は彼女の心を冷やしきるのに十分だった。
だから、ある日母親が死んだことを伝えられても何も感じなかった。

むしろ、本当に一人になれたことを喜んですらいた。

彼女にとって、学校や日常は煩わしく、耐え難いものである。
友人を作ることもなく、夢を語らうこともない。
冷え切った彼女の心に寄り添うのは、氷。
放課後の彼女は、時間が許す限りアイススケート場へ通っている。
引き締まった空気を裂くと、熱を持たぬことを肯定してくれる気がするから──。

競技としてフィギュアスケーターを目指しているわけではない。
ただ、滑ることが好きだから。
なぜスケートを始めたか。
それは遠い昔、変わる前の母親に褒められたから。
母親のことはもう思い出したくない。
しかし、母の遺品だという造花は持ち続けている。

彼女の心は、矛盾に満ちていた。

学校の休み時間、慈施月は早くこの時間が終わるようにと佇んでいる。
ふと、人の輪を目にする。自分と違う人たち……いや。

その中に、同類がいた。

一見、歓談に興じているが、本当の心はここにない。
何か秘密を守るように、巧妙に距離を保っている。
その妄想じみた気付きは、慈施月にささやかな興味を抱かせた。

これが、彼女の日常の終わりの始まりだった。

慈施月は知る由も無かったが、母親はかつてレネゲイド研究者であった。
ジャーム化した際に家族を捨てたようだ。

その名は、氷上風露。またの名は、ブーロー・ラ・アストル・ヒカミ。

履歴

HO1　終わりと始まりの日　※未覚醒枠
あなたはオーヴァードとは無縁の一般高校生である。いや、あったというべきか。
ある日、同じクラスの転校生「楠川アリス」が人気のない地域に入っていく姿を見た貴方。
心配か、はたまた興味か。貴方は彼女をこっそりとついて行くことに。
人気のない路地裏で怪しげな男とアリスが会話をする場面を目撃してしまう。
―――そして貴方の"日常"は終わりを告げる
シナリオロイス：楠川アリス

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