容姿・経歴・その他メモ

「……壊したけどそれがなんだよ。同じものが用意できれば文句ないだろ」

　物を大切にすることができないUGNチルドレン。積極的に物を壊すわけではないが、『壊す』『捨てる』選択肢を選ぶことに抵抗がないタイプ。周囲の知識を吸収するのが早い反面、自分で何かを生み出すと言うことが苦手である。そのオリジナリティの欠如は『大切』なものが自覚できない故の弊害だった。
　自分にも『唯一無二』と思える物があれば、生きている実感が得られるのだろうか。何かが変わるのだろうか。
　彼が誰に対してもそっけない態度を取るのは、『人間関係』すらもいつかは壊れてしまうものだと感じているためだ。

　UGNチルドレンの中では年長で上からの指示にも逆らわないが、どことなく不安定な感じが目立つ。
　現在の高校には二条の監視のために派遣されている。よく授業をサボる割に成績優秀、しかし「授業を聞いてれば解ける」と言い放つ程度には性格が悪いため、クラス内ではあまり好かれていない。『見下されているような気がする』というクラスメイトも少なくない。
　特別親しくしている相手はいない……と思いきや、苗字の由来である『美涼見理沙』というオーヴァードとは親しくしているらしい。


　モルフェウスのシンドロームとされているが、彼の能力は『結果的に物を生み出す』だけでありどのシンドロームに分類するべきかで研究者を悩ませている。というのも、彼の創造に砂は関わっていないし、『形成』という段階を一切踏まないからだ。
　最近までは原因不明だったものの、『美涼見理沙』というオーヴァードのおかげでその謎が解かれた。

　理沙曰く、唯は『平行世界から物体を引き出してくる』能力なのだ。そして、その性質は『オリジナルと全く同じ』でありながらオリジナルとは異なる。正確に言えば、異なっているように感じたから異なる。
　例えば、その場にある建物と全く同じ建物を唯が『持ってきた』として、周囲の人間は『唯が作った建物』だと認識するだろう。構成要素は同じだが、イメージが違う。すると、その建物はイメージの違いに合わせて徐々に適応するのだ。
　例えば、本来の建物はもっと古かったと思えば、それに合わせて風化する。廊下が短くなったように感じれば、短くなる。そうやって『気付くと違うものに変化している』。
　故に、彼の作る物は全て贋作になり得る。全く同じものを引き出す能力でありながら。


　元々苗字がなく、コードネームと『唯』という名前だけがあった。現在の学校に潜入する際、苗字が必要になったのでその時訓練を担当していた少女の苗字を適当に名乗っている。

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