容姿・経歴・その他メモ

　このジャームが収容されたのは18世紀末のロンドン。完璧な父を作るという名目で母親を含めた5人を殺害した。当時はまだＵＧＮが設立されておらず、情報の共有が進まず、また、被害規模が小さかったこともあり発覚までに時間がかかってしまった。最終的にはコンビで活動していたシャーロック・ホームズとジェームス・ワトソンの両名により撃破され封印された。
　ミトラスは娼婦と行きずりの間に生まれた子供である。母親は度々ミトラスのことを「うみたくなかった」と言い聞かせ虐待を行っていた。虐待の最中、ミトラスは自信の母親意味キリをつけまだ見ぬ父親はきっと自分を愛してくれるに違いないと期待を込めるようになった。
　転機が訪れたのはミトラスが19になる年であった。日課の郵便配達員の仕事をこなしている際に誤って荷物の薔薇に触れ、手を切ってしまった。不幸な事にそれは薔薇型のレネゲイドビーイングであり、傷口からレネゲイドウイルスを直で摂取してしまっためにオーヴァードに目覚める。
　そしてこう言われる「お前さんにも父親の血が流れているんだから、父親に会いたければ自分で作れば良いじゃないか。そのための力をお前はすでに持っているだろう？」それはミトラスにとってまさに天啓ともいうべき言葉であった。そして此処に人間を作るために人間を解体し、構造を理解しようとするオーヴァードと純粋なる興味のため、人体の神秘を追い求めんとするレネゲイドビーイングのコンビが誕生した。
　最初の犠牲者は母親であった。彼女は首を絞めて殺された。2人目は行き遅れのメイド、婚期を逃したことに焦りを感じていた。彼女は心臓をえぐり出された。3人目は美大生、親の反対を押し切って美術学校に進学し、そのことで悩んでいた。彼女は頭をかち割られた。4人目はスナックのママ、良く悪質な客人の愚痴を客であるミトラスに聞かせていた。彼女はケージブラッドを飲まされて拒絶反応を起こした。5人目は修道院の孤児。神父の大事な壺をたたき割って怯えていたらしい。彼女は全身の皮を剥がれた。
　だが、レネゲイドビーイングの目的はさておき、ミトラスの目的は一生かなうことはないだろう。何故ならミトラスは父親の顔を知らないのである。

　以下は当時の聞き取り調査の一部である。

　コイツ（母）の口を塞いだら、青いカオで暴れていたが動かなくなってしまった。ニンゲンには「息」というのが必要なのだな。…だが良く考えると、コイツ「嘘」をつかないカラダに生まれ変わったのかもしれない。いいコトだ！オレはいいコトをしているのだ！
　コイツ（被害者その2）の胸をえぐったら、赤いものがドクドク流れ出して動かなくなってしまった。ニンゲンには「血」というのが必要なのだな。だが良く考えると、コイツは「焦り」を感じないカラダに生まれ変わったのかもしれない。いいコトだ！オレはいいコトをしているのだ！
　コイツ（被害者その3）の頭をうがったら、灰色のものがトロンと落ちて動かなくなってしまった。ニンゲンには「脳」というのが必要なのだな。…だが良く考えると、コイツは「悩み」を感じないカラダに生まれ変わったのかもしれない。いいコトだ！オレはいいコトをしているのだ！
　コイツ（被害者その4）にオレの血を飲ませたら、緑色のものがドバッと出て動かなくなってしまった。ニンゲン脆くてダメだな。…だが良く考えると、コイツは「愚痴」を言わないカラダに生まれ変わったのかもしれない。いいコトだ！オレはいいコトをしているのだ！
　コイツ（被害者その5）がまとう珍妙な衣を裸にひん剥いたらピクピクしながら動かなくなってしまった。ニンゲンには「皮」というのが必要なのだな。…だが良く考えると、コイツはもう「恐怖」に怯え無くても良くなったのだ。いいコトだ！オレはいいコトをしているのだ！
　そうかこれが人間か！では、本命の実験をはじめよう！実験テーマは…「レネゲイドウイルスと人間の共存について」

ちがう、ちがう！これじゃない！これじゃない！ワタシが求めたのはこれじゃない！！もっと、もっと完璧に作らないと！！！

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