歳の離れた兄がいた。人見知りしがちで奥手な性格であり、苛められっ子体質で兄に守ってもらうことが多くそんな自分が嫌だった。
小学校入学時に鏡見鏡矢と出会う。
穏やかな性格である彼にひどく懐き、特に低学年では鏡矢くん鏡矢くんと彼の後ろをついて回ってた。
高学年辺りでは緩和され他者との交流を持つようになるが、佐渡の中で最大の親友というポジションは不動。(多分修学旅行も同じグループになった)
兄に救われたように兄みたくなりたいと、困っている人を目敏く見つけ、人見知りで奥手であるも不器用にも助力するような行動をよくしていた。

(巻き込まれたのは12歳の時、シナリオ開始時点から12年前を想定)
中学校指定制服のサイズ合わせ(兼お出かけ)の為、鏡見鏡矢と一緒に出かけていた帰り道に渋谷連続爆破事件に巻き込まれる。その日はたまたま兄も保護者代わりとして同行していた。
混乱の雑踏で二人とはぐれ、探し回っていた時に鏡見鏡矢の姿を見つける。化物の姿になったのを見て呆然とし、直後瓦礫の下敷きになった。
先に救助された民間人より「誰かを呼ぶ声と、ぼくがいるよ、大丈夫だよ、だから、と少年の声が聞こえていた。だから自分は孤独ではなく、諦めず救助を待つ事が出来た」と話す。他の発見された者達も同様に声を聞いたと証言があり、その少年はまだ救出されていない事が判明する。
死者多数の事件であること、声を出し続けたことにより体力を消耗して生存は絶望的と思われていたが、建物崩落発生から約80時間後、佐渡は救助隊により発見された。

発見当時は呼吸をしていたが、長時間瓦礫の下で押し潰されていた事により、主要臓器の半分と四肢が壊死を引き起こし予断を許さない状況であった。
しかし発見から一時間後、救命処置も虚しく心肺停止が確認された。
肩を落とす救急隊の耳に、大丈夫だよ、いたくないから、と微かな声が届く。彼はオーヴァードへと覚醒していた。

しかし覚醒により一命は取り留めるものの病院に搬送された後も容態は安定せず、多臓器不全や敗血症を併発。また、虚血により四肢の切断を余儀なくされた。

臨床初の術式など人体実験に近い行為が治療や延命という名目で行われるも、幸運なことにエグザイル/ブラックドッグシンドロームを発症した事により、認可されていない薬剤の副作用が抑制され、EXレネゲイドに感染した代替臓器の置換が自己の組織として定着し、義手/義足の神経接続も拒絶反応を起こさず許容されていることが発覚。

事件から半年後、意識が戻り全ての管が外れた頃には元の肉体であった部分は4割を切っていた。そして兄の死を知らされる。
鏡見鏡矢も死亡したと伝えられるが、記憶と一致しないため懐疑的。ホントはどこに行った？という疑念を抱く。

幼いながら極限状態下で他者を励まし続けたこと、覚醒時でさえ最初に他者を気遣っていたことや、リハビリ中も弱音や後ろ向きな発言を一切発さず取り組む姿はさながら小さなヒーローと称された。
　
高校卒業と同時にヒーローへ登録をした。両親は存命しているも、治療に多額の費用が掛かってしまった為収入はほとんど家に入れている。
自分と同じような境遇になる人を少しでも減らすために、ヴィランの前に立つことを選択する。

現在は数多の医療機器メーカーからヒーロー活動の支援を受けている。引き換えに広告塔となりたまに臨床試験を受けたり、ヴィランズイヤー、レネゲイドウォーで巻き込まれ被害を受けた傷痕から立ち直る人達の手助けをする活動をしている。
バージョンアップや換装などで義体部分が9割になった。

死者多数の災害の生存者だったこと、頼れる兄を喪い自分が生き残ったこと、親友を失ったことが相まって暴走により強烈なサバイバーズギルトを発症し、自己組織の崩壊を引き起こす。
痛みに鈍くなり、まともな人間とはかけ離れた構造となったこともあり「生きていることを、人間であることを実感」する為、傷が増える道を無自覚に選択している。
「生かされた」人間であることは自覚している為自殺行為は取らない(予定)。