天宮　星子はUGNチルドレンの幼児である。UGN改革派の研究員である母親によって生み出されたデザインドベビーであり、誕生と同時にオーヴァードに目覚めた。まだ難しいことは理解できないが、母親が頻繁に口にする「世に平穏のあらんことを」という言葉と、「世界が破滅に向かう昔話」のことはよく覚えている。

出自を知る者からは意外に思われるが、比較的活発な性格であり、感受性は豊かな方である。

星子は母の手によって「調整」されたオーヴァードである。その調整の成果もあり、生まれながらにしてUGNが有する強力な兵装、「ゾディアックウェポン」を操ることができる。だが、星子の持つゾディアックウェポンには不明な点がある。

ゾディアックウェポンは全部で12本存在するとされ、その1振りごとに黄道十二宮の名が冠される。一方で、星子の持つゾディアックウェポンにはそれがない。星座のレリーフも抹消されており、どの黄道十二宮に該当するものなのか、以前の所有者が誰なのか、その来歴が謎に包まれているのである。

さらに、星子は自らの武具を「アンジー」と呼称し、友人の様に扱っている。それが幼児にありがちな空想と現実の混同によるものなのか、それとももっと別の「何か」なのか、それもまた謎のままである。