容姿・経歴・その他メモ

生来より、オーヴァードの力を有していた。
彼はそれを当然の力だと思っていたし、ましてやそれが奇異の眼で見られる対象だなんてことは毛ほども考えなかった。この認識が変わったのは、物心がつき始めたころだ。

彼には年の離れた兄がいて、兄は彼のことを溺愛していた。年の離れた弟が可愛くて仕方なかったのかもしれない。
ある日、そんな兄とかくれんぼをして遊んだ。兄が鬼役を打って出た。兄は「まだ小さい弟が巧妙な場所に隠れるはずもないし、見つけてもわざと見つけていないふりをしてある程度時間がたった時に発見したことにしてあげよう。」なんてことを考えていた。
しかし、探しても探しても弟は見つからない。不安になって「降参するから出てきてくれ」と言った瞬間、兄の後ろから彼は出てきた。何もなかったはずの、その空間から。
彼はそんなときの兄の表情を見てしまった。暗くなるその表情を。

それからというものの、そのことを知る者は彼を避けるようになったが、九未知花だけが変わらず優しく接してくれた。だから、彼女は彼にとって唯一の親友だったのだ。

しかしそんな彼女も数年前に亡くなってしまった。
最初はただ嘆いていただけだったが、記者の伝手を使って調べているうちに不穏なものに気づいてYWと共にその謎を調べようと思ったのだ。


「誰にだって後ろ暗い部分はある。記者という仕事をしていて、それがよくわかった。」

セッション履歴