金髪は頭に薬品をぶっかけられて変色したものであり、ドスの効いた低い声はケンカで喉を潰されかけた後遺症。以前は普通の学生だと主張していたが、顔に傷を負ってからは訂正を諦めた。
不良のケンカに付き合っているうちに言動がうつり、さらに不良ぶりに磨きがかかる。
あまりよろしくないという自覚はあるが、大人しくしてればナメられて余計な手出しを受ける不良の世界には必要なことだとも思っている。が、イキがって生意気だと難癖をつけて絡まれることもあるのであまり効果はない模様。
早朝に新聞配達、放課後には倉庫の整理や飲食店の厨房など複数のバイトを掛け持ちしている。そのため部活動には所属していない。
バイトで勉強や睡眠の時間が削られており、授業中に寝てしまうこともしばしば。それが原因で成績は低迷。それでも補習や留年を避けるため、可能な限り授業に出席はしている。

何かと暴力事件を起こしているが、自分から手を出した例は少ない。
例外は家族に関わる場合のみ。家族を侮辱した、または直接害そうとする相手は容赦なく攻撃しており、未だに病院から出てこられない者も。
事の起こりは中学生時代。クラスメートに父親の不在を揶揄されて逆上、初めて殴り合いのケンカをする。その場は互いに軽傷を負うにとどまったが、後にクラスメートが複数人で仕返しに来たことで乱闘に発展。無我夢中で抵抗した結果、全員に重傷を負わせてしまい暴力事件として騒ぎになった。
そこから“問題児の晁昏一輝”の噂が広まり、高校入学後は自校、他校問わず不良に絡まれることとなる。また、不良のイジメやカツアゲの現場に首を突っ込んでしまい、暴力沙汰になることも。
そうしてケンカを重ねるうちに噂に尾ひれがつき、不良学生としてのイメージが固まり今に至る。

言動や経歴に反し、常識的で、正義感が強く、面倒見がよい。いわゆる善人。
窃盗・恐喝・殺人などの犯罪は一切していない。酒や煙草もせず、バイクも持っていないので自転車通学である。
困っている人を見捨てられず、悪事を見過ごせない。その正義感から他の不良とは衝突も多く、それが暴力沙汰になることもしばしば。
時折ボランティア活動に参加しており、公園のゴミ拾いなどをしている姿が見受けられることも。

家族構成は母親と、まだ幼い弟妹たち。面倒見の良さは幼い弟妹の相手で培われたもの。
不在の父親に代わって家族を助け、守るのは自分の役目だと思っている。
バイトの掛け持ちは家計のためもあるが、特に両親の不在が幼い弟妹に与える悪影響を懸念してのこと。母親が弟妹と過ごす時間を作りつつ、将来的には弟妹が行きたい学校に進めるよう、学費に困らないようにと思ってのこともある。

家族を大事にしている一方で、失踪した父親には「家族を捨てた」として憎悪を抱いている。正義感はその裏返しであり、根底には父親のような人間になりたくないという思いがある。
その歪んだ正義感は時に独善的で自己犠牲的であり、いずれ取り返しのつかない選択をするかもしれない……

“事故”をきっかけにオーヴァードとして覚醒。
ファルスハーツ及びジャームの計画を阻止するべく戦いに身を投じた。
その戦いで一人のクラスメイトを失った。けれど、誰もそのことを知らない。覚えていない。

日常の裏側に潜む非日常。そこに踏み込みながら、人のフリをして日常に紛れ込む。
戦わなければ、日常が壊される。
戦えば、力に蝕まれて怪物と化す。
そのどちらをもどうしようもなく恐れながら、立ち止まるわけにはいかない。

拳を握り、決意を胸に。
日常を守り、日常に帰るために。