黒の艶やか、そしてもふもふとした長髪を無造作に腰下まで伸ばしたローポニーテール。金と紫のオッドアイ。
白のニットセーターの上に灰のパーカー、下はジーパンにブーツとぱっと見性別のよくわからないスタイル。
また右腕のみ徹底的に見せないよう包帯を巻いた上で手袋と言う厳重防御がなされている。
ま節々に少女じみたしぐさが混ざっているが本人は最近意識していないため完全に刻み込まれた習性である。
男の子ではあれど割と貧血気味、殆ど筋力が無い為運動はかなり苦手である。

普段的には愛想よくふわふわした、優し気のある風の気質を持つ。
明るく親しみやすい乙女をイメージした言動に混ざり、偶に一般的とは言えない『普通』の視点を視ているような言動をする為容姿ひっくるめて浮世離れた人柄と見られがち。
でも根っこは哀の欠落した激情家。自他問わず何かのため、誰かの為に怒り続けるという本来必要な感情のバランスが大分飛んでいる模様。

クラスで3番目くらいの容姿、親しみやすい応対に反してそこまで周りに人が居たりしないのは上記の影響。
それでも人柄は基本的に善人でありお人よし。でも時たま哀しい系の話の時は曖昧な顔をしている。
困っている人が居れば臆さず手を伸ばすくらいには放ってはおけず、師匠の教育から基本的に女性には甘めで優しい。
また親しいor遠慮ない人間に対しては度々腹黒い悪戯っ子な一面を見せる。
この場合の一人称は僕。年上や立場が上の人間又は女性に対しては丁寧な口調、友人相手であれば年齢関係なく結構砕けた口調、特に信頼している大人には結構ズバズバした物言いになる。



が、本質的に割と粗暴且つ肉食的な素の部分がない訳ではなく。
見過ごせない悪や哀しみを目の当たりにした場合、竜の逆鱗に触れられた場合は一転一人称は俺に。口調も荒々しいモノへ変わる。
普段の少女混ざりの可憐な立ち振る舞いは鳴りを潜め人の原理たる本能、すなわち獣性が全面に押し出されキレたドラゴンみたいなモードに移行する。
お人好しで善人であるのはあまり変わらないが若干スレ気味の言動と表情が前面に押し出され、ゆるふわな雰囲気は異名の通り憤怒の焔じみた荒さを放つ。
こうなった際は自身の喪失した感情を隠すことも一切せず、それすら薪と焼べて業火を猛らせる。

何方の側面にも共通して言えるのは割と厨二病が抜けきっていないということ。
割とふらふらしてるものの、囲われるとなんだかんだすっぽり収まるタイプであること。
そして、大事にしたいこと、者に対して手を出されたのならば。かの伝承の邪竜が如く、大暴れを噛ますということ。

ある市のUGNに半ば所属しているような扱いを受けつつ、自身のゴシップ記者という仕事を活かし隠れたオーヴァードの関わる怪奇現象を調査する一般通過男の娘。
実益優先で女の子な容姿を維持している。

過去大事故の末一人生き残り、親戚一同にたらい回しにされた挙げ句酷い扱いを受けていたモノの、ある男に引き取られてからは色々あって持ち直したとか。

その二年そこそこの旅路の中、姉弟子と呼ばされたある月の乙女に作法を叩き込まれたり。ドタバタしすぎて最早刺激的すぎる日常の荒療治で結構雑に生きたっていいんだと学んだり。
人間捨てたもんじゃないや、という自覚を覚え込まされ、困ったらこの旅で紡いだ絆があるからなんとかなるだろ、と日本にリリースされてきた。

これなら問題ないと判断した師匠は、再度全国放浪の旅に出るということで信頼に値する遠い親族へと彩羽を預けていった。
そこでは腕に関しても否定せず受け入れてくれる夫妻に本当の子供のように愛され尽くした結果完璧に持ち直し。
そうして高校一年の冬。ある夜に出会いと良き人達に囲まれた邪竜は。死を以て哀を失い、そして愛を手にして己が腕と向き合うことになる。

乙女の教えを元に少女顔だけでなく服装や立ち振る舞い、化粧も女の子に寄せて”可愛いけど色物な男の娘”という『普通』を演じていた時期が多岐にわたり、そうした立ち振る舞いをしなくて良くなった現在でもその習慣は抜けきっていない。

影を操る力のウロボロスと、時間を操るバロール。
元より宿っていたのが起動した遺産による異能を混ぜこぜにした近接戦闘型オーヴァード。
大体は紫色の光と影を利用して虚弱に近い肉体を思い描いた通りに動かし、現実から解放され幻想や空想のままに戦うことを得意とする。

暴走を引き金と呼び、意図的にレネゲイドの力を爆発させ荒々しくも華麗に舞い動く。
異形の右腕に焔や影を付与して鋭い鉤爪で切り裂くことを得意とする。
引き金を引いた際、右腕は青黒い竜の鱗に包まれたモノへと変質し、鱗の隙間から紫色の焔が噴き出し淡く光を放つ。

彩羽の右目は死による覚醒と遺産の内部に内包された竜の概念が丁度良くミックスされた結果、秘めていた才にかなりの変質が加わりその目に宿る魔眼と化した。
曰く『見たものへ死を齎す邪眼』
シンドロームの名にもあるケルト神話のフォモール族の王、バロールと同様の物。
ただし彩羽自体は只人であること、そもそも一介のオーヴァードにそんな芸当は易々できないという状態のため、精々目の前で起こる致死の事象を彼方にすっ飛ばして殺すぐらいが関の山だとか。