D市に所属するUGNチルドレン。身分は高校生であるが、学校にはほとんど行っていない。
　任務には積極的に参加しており、支部への貢献度は高い一方で、常に死に場所を探し続ける様子を支部のメンバーから問題視されている。嫌いなことは「自分が関わったせいで人が死ぬこと」であり、他人との貸し借りやプライベートな関係を持つことを避ける傾向にある。

　能力はクァチル・ウタウスの邪神因子に由来する。
　触れた物体を風化させる砂を左手から生成する能力を持つ。多くのモルフェウスが持つ物質生成能力は持っていない。また、覚醒時に邪神因子の影響を受けて、髪色が白髪混じりの灰色へと変色してしまっている。

　オートマチックとリボルバーという独特な2丁拳銃スタイルを用いて戦う。
　使用しているリボルバーは、施設時代の先輩が使用していた「氷炎の双銃」を参考にして自身の能力で削り出した模造品である。この銃とモルフェウスの分解能力を秘めた砂を込めた弾丸を組み合わせることで、参考元の銃が持つ装甲貫通能力を擬似的に再現している。
　また、2丁拳銃スタイルも施設時代の先輩の戦闘スタイルを真似している。ノイマンではないためそれぞれの銃の威力を引き出すことはできないが、特殊な弾丸をオートマチック銃による射撃でアシストすることで多彩な技を編み出している。

　名のある家の次男として生まれる。兄弟と比べて要領が悪かったために思うように成績を残せず、一家からは"いない方がマシな存在"として扱われていた。
　ある時、どこからか「永遠の若さを手にいれる方法」を手に入れた両親が、彼を人柱としてクァチル・ウタウスの招来を試みた。すぐに異変を察知したUGNが現場へと駆けつけるも、そこには白髪へと変貌した彼と灰の山のみが残されているのみであった。

　その後、彼はUGNの施設に引き取られ、UGNチルドレンとして育成されることになる。だがそこで、「触れたものを灰へと変える能力」の制御に苦戦する。能力制御が可能になるまでの厳重な管理体制は、一家からの扱いによる心的外傷をより深くしており、この頃から希死念慮を抱くようになっていた。
　そんな彼に積極的に関わっていった人物が、同じ施設にいた先輩オーヴァードであった。二丁拳銃という戦闘スタイルに影響を与えた他、闇雲に死に場所を探していた彼に「生命と力を持つのなら、その責任を果たさなければならない」という思想を与えており、希死念慮に対するある種のストッパーにもなっている。これにより、希死念慮は無くならなかったものの、支部へと派遣される頃には他人との交流を受け入れる余裕も生まれるようになった。