市内の高校に通うごく平凡な高校一年生。生徒会に所属している。
趣味はツーリング（スーパーカブ）と写真。
得意科目は国語と体育。
苦手科目は理数全般。
好きな食べ物は生クリームとサーモン。
嫌いな食べ物はトマトと納豆とオクラと魚卵。
苦手なものは血（堪えることはできる）と虫全般と高圧的な人と満員電車と絶叫マシンとジープと冬場早朝の滝。
座右の銘は「何があっても生きていく」。
最近知って驚いたことは「タラバガニはカニではない」。
家族構成は父、母、祖母。4つ年の離れた姉がいた。

京之嶺家には彼が推定6〜7歳の頃に来た。
市内の海岸に漂着したところを救助、保護された。何故漂着したのか、何処から来たのか前後の記憶はおろか自分の名前、出身や生い立ちといった自身にまつわる全ての記憶を失っている状態だった。
日本語を理解し、話せるという点から日本人と判断され、司法に則って国籍を取得し、家庭裁判所の指示で京之嶺の家に引き取られた。
実の子のように愛情を注がれ、毎日を過ごしていった。特に自身の姉となった京之嶺　｜絃《いと》にはとても懐いていた。

しかし清晴が12歳になる3日前、姉の｜絃《いと》を無差別殺傷事件で失う。
白昼堂々巻き起こった惨劇は今でも鮮明に浮かび上がり、彼の内に一生消えない傷を生んだ。
自分を守るために、目の前で世界で最も敬愛するといっても過言ではない人の命が理不尽に奪われ、暴力と流血に対して強い拒否反応を示すようになった。
塞ぎ込み、河川敷で黄昏てた時に現在「師範代」と呼んでいる｜辰巳　狛江《たつみ　こまえ》と出会う。半ば強引に彼女に空手を習うことになり、本当に当時は「？？？」だったが、現在のように日常を送る支えの一つとなった。
彼女に言われた「お姉さんの分も生きなさい。彼女が見れなかった、体験さえなかった沢山のことを心に、目に焼き付けるんだ。」と言われた言葉が強く胸に残り今に至る。

という、ある意味非日常から幾分遠い感性をしているが、運の悪いことに中学卒業間際にFHセル同士の競り合いに巻き込まれてしまい、身体の中で休眠中だったオーヴァードとしての力が覚醒してしまう。
暴風を纏い「完全武装」という言葉を想起させる姿は、拳を振るえば容易に人体を破壊せしめた。UGNの処理部隊の介入もあってFHセルを撤退に追い込むに至り、その後はUGNに保護され、事のあらましを伝えられると、自分も容易に暴力を振るえる存在になったしまったことに酷く落ち込んだ。
…ということを師範代に打ち明けると、何と彼女もオーヴァード。しかも歴戦の。半ば強引に力の使い方の手解きを受けることになり、時には早朝から滝に撃たれ、時にはジープで死ぬ程追いかけられ、稽古に拍車がかかった。その甲斐あって(?)何とかメンタルを持ち直す。
そして正式にUGNの協力者として活動を請け負うことに。大立ち回りをすることはないが、情報の収集などを請け負う。

彼に心臓に当たる臓器は存在せず、肉体と完全に同化した｜賢者の石《レネゲイドクリスタル》がその役割を担っている。
UGNの検査報告では造影や心音の波形では大きな異常は見受けられないが、やや鼓動が速く、ややくぐもったような音をしている。
誰が何のためにこのような成果を生み出したのかは現状わかっていない。
稀有な例であり、技術的にも常軌を逸しているとしてUGNでは彼を保護及び監視の対象としている。