容姿・経歴・その他メモ

嫌なことから目をそらし、逃げ続けてきた。周りに合わせて適当に笑って、適当に生きてきた。何事にも中途半端。一生懸命やらずに、うまくいかなければ自分じゃない誰かにのせいにしてきた。勉強もスポーツも人間関係もそこそこ。俺はそんな自分が嫌いだった。

中学2年の夏、俺はヒーローを見た。目の前で、俺たちを守りながらバケモノと戦うヒーローを見た。記憶はぼんやりしていたが、確かにそれは現実だった。焼けこげたようなにおいが、ひりつく様な空気が、目の前で崩れ去るバケモノが、それが夢でないということを確信させた。
俺は現実離れした現実に驚愕し、茫然とし、そして憧れた。今まで過ごしてきた世界がひっくり返ったような気がした。今までの適当に過ごしてきた世界が嘘のように思えて、救われた気がした。こんな力があれば、俺もあっちの世界に行ければ、今までの自分から変われるのにと、そう思った。
しかし待っているのは今までと変わらぬ現実だった。昨日と同じ今日が、今日と同じ明日が、あの記憶は夢だったのだと思わせた。

中学3年の春、俺は力に目覚めた。夢だと思いこんでいた世界が、焦がれるほどの憧れが現実となった。UGNからの勧誘を2つ返事で受け入れた。"雷帝"の力を手に入れ、俺は変われると思った。自分の力で世界を救えると、そう思っていた。俺は自分が少し好きになれた気がした。

僕は訓練をし、力を身に着け、中学卒業を期に初めて実戦を経験した。しかし、初実戦ということもあり余裕を持った戦力で挑んだその戦闘に、苦戦を強いられた。自分は訓練通りの、実力通りの力を発揮できていた。その原因となっていたのは周囲の味方だった。一緒に戦ってくれた仲間たちも、その報告を受けた上司も、「キミはよく頑張っていたよ」と伝えられた。しかし、その後の任務でも同じようなことが続いた。もどかしい日々を過ごす中で、俺はようやっと俺の力を自覚した。俺の力は周囲の、仲間の力を阻害するものだったのだと。

俺は何も変わっていなかった。現実から目をそらし続け、何事も他人のせいにしてきた俺は、力を得てもその本質は何も変わっていなかったのだ。俺は自分が大嫌いになった。

そんな中で行った任務は僕の暴走事故という今までで最悪の結果を生んだ。幸いにも死者は出なかったものの、俺はその支部にいられなくなり、オーヴァードアカデミアに編入することとなった。

1月14日生まれ。

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