ありとあらゆる悲劇に見舞われた少女達、その思念の集合体。

6TDEU?0QD0RWQTND\T@EJXO0QDTED(4D94SR.UYW>3F<0QDTO6,5A'y04F@zQKI<CYUBS8.R0:UED@'UE>(おかしいな?私を捨てた神城が今更私を回収しようとするなんて。あは、私からお姉ちゃんを奪ったのに、そんなこと許すわけないじゃない。)

彼女は何もしない。ただ笑っているだけだというのに彼女の前に立つ者達は全員が全員悲鳴を上げ、絶望し、その命を無為に散らす。彼女に攻撃した者は彼女の内側に宿る"悲劇"を追体験することで自らの中に眠る心の棘を肥大化させ自滅していく。

・1人目　解放
なんてことのない日常を過ごしていた少女の日常はある日、たまたま強盗のターゲットに選ばれたせいで全てを奪われた。家族を目の前で殺され、犯され、敢えて生かされた彼女は強盗の手伝いをさせられた。仇である強盗と同じ..自分がされたことと同じことを自分がすることになったのだ。そして最後にはアッサリと切り捨てられ、結局彼女はずっと縛られたまま解放されることなくその生に幕を下ろした。

・2人目　憎悪
救おうとした。でも目の前で殺されそうだった恋人に伸ばしたこの手は届かなかった。復讐を誓い血の滲む努力を続けたが、私が力をつけたその時には犯人は既にこの世を去っていた。あの女は飼い主にアッサリと切り捨てられ路地裏に捨てられていたのだ。ふざけるなッ!!私の生きる意味を奪っておきながら…これでは一体、何の為にこれまで……。

・3人目　恐怖
私は弱い人間だった。学校ではイジメられるし、帰っても家族から虐待を受ける日々。そんなある日不思議な力に覚醒してから私を取り巻く環境は一変した。最初はとても気持ちがよかったよ。イジメていた連中にやり返すことも出来たし、両親からの虐待もなくなり正に平和そのもの。そう思っていたけれど次第にみんなは私から離れていった。

学校では私に誰も話しかけてこない。家族もまるで初めから存在してなかったかのように何の反応も返さない。
私は悟った。みんな昔の私と同じなんだって。こんな力を持ってしまったばっかりに皆に怖がられているんだ。私は私をイジメていた彼女達と同じことをしてしまっていたんだって。

・4人目　加虐
馬鹿な人間を下に見て何が悪い!弱い人間を見下して何が悪い!
私は頂点だったんだ。あのクラスで、根暗な女をパシリにして、仲間と一緒にバカ騒ぎして。少なくともあの時までは私は...。なのに、あの女がある日屋上で変な力を振りかざして私の全てを奪っていった。屋上から落ちた私は全身骨折して後遺症も残った。それでもやっと動けるようになって学校に行ったらなんだ、私の取り巻きしてた連中が今度はアイツを持ち上げて私をイジメてきた。くそっ、なんで私がこんな目に合わなきゃいけないんだ...ッ。

・5人目　飢餓
アイが欲しかった。誰も私にアイをくれなかった。くれる人がいなかった。
孤児だったし仕方なかったんだと思う。誰も彼もが生きていくことに必死だったし、院長もいつも苦しそうな顔をしてた。誰かの為に動こうなんて、そんな余裕はなかったんだと思う。でも、それでも、私は普通の人が持ってる"愛"を知りたかった。

・6人目　吸血
あぁ、いい..いいわぁ。貴方の赤い血を啜ることで私は愛を感じられる。貴方に食べられることで愛されていると実感できる。でも何故かしら、貴方の身体から熱を感じることが出来ないの。貴方の愛を感じることが出来なくなっていくの。...いいえ、もしかしたら私は愛というものを初めから知らなかったのかもしれない。だって、貴方の命すらも啜ってしまった私が貴方をアイしていたなんて、言えるはずないじゃない。

・7人目　妄想
久しぶりの家族旅行はとても楽しみだった。ううん、楽しかったよ?いつもお仕事大変なのに今日はありがとう。お父さん、お母さん。祝ってもらえたのなんて初めて...じゃないよね!今日くらい、きっと楽しんでもいいんだよね!だって今日は私の誕生日なんだもん。だからねぇ、お願い。目を開けて?もっと頭を撫でて?手を繋いで?ねぇ、どうして何も言ってくれないの?おかしいな、楽しい遊園地だったはずなのに。...ねぇ、お願いだから、返事してよ。

・8人目　自傷
誰にも会いたくない。だからお願いです、私に近づかないでください。ごめんなさい、こんな私でごめんなさい。生まれてきてごめんなさい。何もできない私でごめんなさい。だからお願い、近づかないで。誰も傷つけたくないんです。誰とも会いたくないんです。もう誰も殺したくない、私だけでいい。ずっと独りなら、傷つくのは私だけで済みますから。だから、だから...やめてください。私に希望を見せないで、私を助けようとしないで!..あ、あぁ....やっぱり、こうなる運命だったんです...。

・9人目　殺戮
誰かを殺したかった訳じゃない。誰かを守りたかったはずなんだ。この力は、そのための力のはずだった。なのになんでアタシの目の前で相棒が血を流して倒れてやがる。周りにはアタシら以外誰もいない。相棒を襲ってきた奴らをアタシが全員皆殺しにしてやったからだ。ならこの惨状を作り出したのは当然アタシのはずだ。だけど相棒を守りに来たアタシが何で、相棒を殺してんだよ?一緒に夢、叶えようぜって...なんで、何でナンデNんdなnでナンデn4んで何dアアァァァァッッ!!!!

・10人目 破壊
ハハハ、ハハハハハ!!全て、全て破壊してやった。いつもバディにばっかり苦労かけてたけど、私だって役に立てる。アイツばっかりに任せてられないんだから!この力があれば、アイツの夢だってきっと叶えてあげ、られ...。あれ、おかしいな。どうして、力が抑えられない。ダメ、ダメよッ!このままじゃ、またアイツに世話かけさせちゃうじゃない。アイツにこれ以上、セをwセル訳にハ逝かなイnニ―。

・11人目 闘争
家族の為、戦う理由なんてそれだけで十分だった。他人から見たらたったそれっぽっちの理由だけで私は戦い続けることが出来た。でも結局最後には死んじゃったし、あんまり遊んだりも出来なかったからいいお姉ちゃんではなかったよね、ごめんね。
ねぇ***。私さ、何の取り柄もないお姉ちゃんだったけど君のことは守れたかな。...もっと一緒に居たかったなぁ。本当に、ごめんね。

・12人目 ?
馬鹿で愚かで可哀そうなお姉ちゃん。平凡で何の力もないのに戦って無残に死んでいったお姉ちゃん。私の為だとか言って死んだら何の意味もないのにね。だから嫌だって言ったのに聞いてくれないんだもの。自業自得だよね。だから全部消しちゃおっか。力のなかったお姉ちゃんと違って私には力があるみたいだし?お姉ちゃんを奪った力と同じって考えると正直吐き気するけど。目には目を、歯には歯を、***には***をってね。