とある少女の「良心」がレネゲイトと化して器に埋め込まれた。 これが彼女の正体。
　色々と謎の多い存在であるが、実際は能力を得た優しい少女と言って過言はない。
　…最も、それとは程遠い存在と肉体を持つ故に周囲からは恐れられている。
　この反応にエルピス本人も、その評価を気にしていない。　…むしろ、妥当な反応だと思っている。

　エルピスの目的は「死者蘇生」。
　レネゲイトによる非現実的な能力を探求し、亡くなった父親と母親を蘇らせる事が目的。
　もう一度、夫婦二人の幸せの家庭に戻って欲しい。
　自分がいたから巻き込まれた。　自分が生まれなければパパもママも幸せだった。
　だから、パパとママの幸せを戻す為に…彼女はレネゲイトの情報を集めている。

　危険な事件現場に赴く理由も、レネゲイト反応を直接に確かめる事が大きい。
　とはいえ、正体が良心故にフリーランスの立場でありながら、UGNの依頼を受ける事が大半だ。
　FH、ゼノスの依頼を受ける事もあるが、非人道的な相手に対しては深く関わらないようにしている。

　通常のブラックドックの機械化と異なり、彼女の肉体は「人形」そのもの。
　鉄で作られた肉体ではなく、木で作られた器、という表現が正しい。
　ただし、原理は不明だが、普通の人間と変わらない同じ機能を全て持っている。

　彼女の肉体は木で作られた器であるが、他にも別の素材を使われている。
　人間の髪、眼球、皮、骨、血液…。　冒涜的なものを使われている。
（素材の腐敗、劣化に関してはレネゲイトの力により防がれている。）
　とはいえ、彼女の肉体の大部分は無機物。 表に見える範囲は人の素材で作られている。
　この事から周囲からは《ワーディング》同様に《ヒューマンズネイバー》も未熟なのだと判断されている。
　彼女本人も、気心を許した相手にも未熟な姿と説明をしている事から「正しい事実」となっている。

　だが、実際の真実は全くの別物。
　彼女の本当の正体は魂。　レネゲイトの力で肉体を作られたものではない。
　それ故に、彼女の《ヒューマンズネイバー》《リザレクト》はそれぞれ通常のエフェクトとは異なる。
　人形の身体を動かす能力、修復する能力、それが彼女のエフェクトの本質。
　どうして、この肉体に植え付けられたのかは不明。 ただ、彼女は決して語らない事は間違いないだろう。