デブでチビのヒゲオヤジ。ストレスで白髪気味、どころか滅茶苦茶白くなってるんだが、本人は洒落だと言い張っている。

どこか粗雑で野卑。カネに糸目をつけない性格で、カネがあれば何でもできるというカスの猪木みたいな信条を持っている。
一人称は俺。
二人称はお前。
三人称は大体の場合アイツ。

カネにモノを言わせた物量戦法が得意。足りない分をモルフェウスの武器作成能力で補うなど、わりとちゃっかりしている。
運動音痴だが俊敏で、その秘密は重力操作にある。
実は操る砂粒の一つ一つが魔眼で、平時は色なども自由自在だが、レネゲイドが活性化すると金色に光り輝く。

彼が運営する支部は質屋の体を装っている。当然地下にはＵＧＮとしての施設がびっしりなのだが、一般に開かれている地上階は悪趣味な質屋である。置いてある質の一部は彼が能力で作り出した黄金で、彼が全力を出すとバレる為やる気になってはいけないのである。

このコードネームは、彼を見たひとりの生意気なＵＧＮチルドレンが言い出したものだが、彼本人も、「俺をよく表してるじゃねぇか」と結構気に入っている。

彼の数少ない趣味は、骨董品の収集である。陶磁器の類もある程度集めている。が、宝飾の施された刀剣類や、甲冑などをメインに集めているようだ。そして、後がなくなった時には、彼自慢のコレクションをかなり惜しんで射出するのである。

産まれはヤクザの家だった。その頃の記憶はあまり無いが、金の卵を産むガチョウだ、ともてはやされてたらしい。生まれつき持っていた能力で作った金塊を各所に売りつけて大儲け。親父はどんどん地位を上げたらしいじゃないか。物心ついたころには、俺に「世の中カネなんだよ」と乱暴に吐き捨ててたな。俺は子供心にアイツのやり口は気に入らなかったんだが。

ある日、俺の能力で作っていた金が偽物だとバレた。被害者がこぞって家にやってきて、俺の親父をリンチだ。被害者の中にＵＧＮの職員がいたらしく、俺はそこに保護された。

保護されてからは、正しい力の使い方を学ばされた。使い続けるとバケモノになる、だから抑えて使うんだ、ってな。だが俺の興味はそんなとこには無かった。当然だろ？年頃の野郎に刀剣類は刺激が強すぎた。俺は剣にあこがれた。毎日剣を振ったさ。俺もカッコよく剣でジャームを斬り倒すんだ、ってな。でも上手くなれなかった。同僚に後ろ指さされたりもしたさ。そして俺は、剣の道をあきらめた。

俺はふと、親父の言葉を思い出した。「世の中カネだ。」虫唾が走ったが、戦えない俺にできることは、小さなころと同じく金を作って売ることだけだと気づいた。品行方正なやり方じゃあなかったが、それが賢いやり方だった。俺はカネで装備も施設も、とうとうＵＧＮにおける地位だって手に入れたさ。

俺のことを敬うヤツなんていない。だがそれでいい。俺は間違ったやり方で物事を解決できる。正しさを求めていいのは、ケツの青いガキか、現実の見れないアホだけだ。なんとでも言うがいい。俺は剣を捨てた。それでもやれることはたくさんある。

そう、「世の中カネ」なんだよ。