留佳は小さなスラム街に生まれた。
気づけば親はどこかへ消えて、残された小さな妹を1人で育てていた。
「妹にはもっと良い生活を与えてやらなくちゃいけない」
彼女はスラム街を守る互助会のメンバーで望んであらゆる力に手を出していたが、妹にそれを押し付けるのは嫌だった。

そんな時に都合よく目を付けてきたのが、アッシュ・レドリックという男だった。
「彼について仕事をすれば、2人の身分を用意し、生活を保障する。」
今思えば乗るべきでなかったその提案は、余裕のない彼女にはとても魅力的なものに聞こえた。

彼のエージェントとして
新たな身分を手に入れようやく自由になったはいいが、奴からの連絡もなく……やることがなくなった。
アカデミアで新たなものを吸収することは嫌いではなかったが、それだけに熱意を注ぐのはあまりに退屈だった。
そうして暇つぶしに悪い子を懲らしめていた最中に、初めて風紀委員長に出会い、捕まった。

事情聴取と説教を聞く中で、彼女の生真面目さと健気さに興味がわいた。
疲れ切った表情と話しながらも次の仕事について考えてる彼女—―その原因は留佳にもあるのだが――にちょっと世話を焼きたくなったのだ。
「今日は迷惑をかけちゃったからね。お詫びと言ってはなんだけど、その厄介な仕事は私も手伝おう」
そのお節介の延長で、今は風紀委員に身を置いている。

細かい年齢は不明だが、現在は小学5年生としてアカデミアに通っている。
彼女もオーヴァードでエンジェルハイロゥのピュアである。
能力といっても小さな光源を操る程度でランクはC。