容姿・経歴・その他メモ

蔑む目で見てくる両親の顔色を伺う毎日だ。

物心ついた時から1位を取らないと褒めてもらえなかった。
だから走った。
走って走って走って、いつの間にか
空っぽの穴に吹き込む風を心地良く感じるようになっていた。


だが、
胸に空いたこの穴に、吹き込む風すら今は無い。
あるのは、大きく口を開けたまま
私の心に居座る空虚だけ。

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唯一無二の親友であったセリカにも
最近は呆れられているようだ。

当然だ。
走りの無くなった私に価値などないのだから。

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足りない。圧倒的に、足りない。
酷い空腹だ。

一体何をするとこの穴は満たされるのだろう
机を蹴って教科書を散らばした所で
この空虚は埋まらない。

ああでも、いっそ
死ぬ時は好き勝手やって死のう。
色々試して迷惑をかけて、そうして死んだら
死に際に心が埋まるのだろうか。

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本当は分かっている。
本当に欲しいものはきっと自由に走れる足でも、心を埋める風でもない。

だが、自分を形成するものはそれしかない。それに縋り付いてでもいなければ、崩れ落ちてしまいそうなのだ。

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