一人称は僕。二人称は君。三人称は彼、彼女。
　明るく、人懐っこい性格で誰にでも話しかけに行く。
　だが、その反面怪異には厳しく苛烈で、一切の容赦がない。
　内心で焦りと、不安を感じており、このままではいけないと思っている。
　自分の能力を忌み嫌っている。

　彼には双子の兄がいた。彼等には、片方が見聞きしたことをもう片方が知っていると言う、何とも不思議な力があった。
　彼のいた村は特殊で、【クロ】と呼ばれる神様が、その村を怪異から守り続けていた。毎年、誰かを生け贄に捧げることで。
　生け贄は毎年くじで選ばれた。その年は色原光が選ばれた。
　せめて最後は楽しくしようと、村を挙げて宴会が行われた。そして捧げられる最後の晩に、彼は兄と最後の会話をした。
　次の日、彼は目が覚めた。身支度を済ませ、迎えが来るのを待つが、どうも様子がおかしい。
　村人は、「生け贄はもう捧げたのだ」と言う。
　次の瞬間、彼はおぞましいものを見せられた。
　厳かな祠の奥、神聖な場所に似つかわしくない、ブヨブヨとし真っ赤に濡れる巨大な肉塊がそこにはあった。
　【クロ】と名乗る目の前の化け物を見せられた彼はすぐに理解した。兄が身代わりになったのだと。
　「村人も馬鹿だなぁ。騙されているとも知らず、毎年毎年生け贄を俺に捧げてくれるのだから。あの怪異も、災害も、何もかもこの俺が引き起こした事なのに」
　頭の中で不気味に響く、甲高い声を聞かされた直後、視界が真っ赤に染まり、まるで接続が切れたように、目の前の景色に戻った。
　戻ると同時に、彼の身体に力が漲ってくる。兄が【クロ】に取り込まれたことにより、化け物の力を一部だけ使えるようになったようだ。
　逃げるように村を飛び出して、ボロボロに成りながら怪異を殺し続けた。
　それから幾ばくもなく怪異討伐社に拾われた。
　いつか【クロ】を殺すために、彼は怪異を殺し続ける。

　血液中の鉄分を操り、掌に弾丸を生成し、それを射出する戦闘スタイル。
　「貫く赤」「裂ける緑」「形作る青」「追い求める白」の四つを基本的に使うが、侵蝕率が高まるにつれ、「侵蝕する黒」の能力を使うようになる。