容姿・経歴・その他メモ

西彩市のUGN支部長。
伊庭宗一と呼ばれるオーヴァードに家族を皆殺しにされ、その際に覚醒。
興が醒めた伊庭宗一により見逃された彼はUGNによって保護され、エージェントとしての道を歩み始める。

同じくエージェントであった桜井優子と交際し、ついには結婚に至るが、別の作戦中に優子はマラコーダによって殺される。
その作戦では輝かしい戦果を挙げ、UGN支部長のポストをも手に入れることになったが、残ったのは虚無感と憎悪、そして悔悟だけだった。

故に彼は家族というものを最も大切にする。
オーヴァードに覚醒した二人の息子を見守り、時に助け、必ず日常に戻れるようにすると誓っている。
そこには家族を大切にしていた優子への贖罪がある。

同時に彼は大切なものを奪った二人を許さない。
必ず追い詰め、この世から葬り去る。それが彼をここまで生かしてきた思いでもあった。

なお、現在の二つ名は妻の死後に改名したもの。
昔の二つ名は"斃れずの壁(ステイ・アライブ)"

・別の作戦
彼は賢者の石をめぐる争奪作戦に参加していた。
その中で彼はやむを得ず賢者の石を取り込むこととなる。
その力が功を奏し作戦は大成功に終わるが、その賢者の石にはオモイデ様が憑いていた。
彼が最初に思い出したのは自分の覚醒した時の思い出。そして忘れていた憎悪……。

さらに彼は愛する者の死に直面する。
彼女の死に目に会えなかったこと、そしてこの身に無疵なる石を宿したこと。
それにはきっと意味がある。筈だ。
彼は今、自分の体内に埋め込まれている無疵なる石を研究している。
亡き妻の死んだ『思い出』を、最期の時を、自分の記憶にするために---。

ちなみにトライブリードは賢者の石の研究課程において発現した。
シンドロームがキュマイラだったのは奇跡、というべきか……。

・桜井優子
秀夫と同時期にUGNのエージェントとなった女性。
家族を大切にしていた……というのは少し語弊がある。
彼女は身近な者すべてを大切にしていた。それがたとえFHのオーヴァードだったとしても、ジャーム化してしまった同僚でも。
争いを生まない手段を彼女は探していたのである。

単に彼にとっては、彼女が家族だけを大切にしているように見えていただけである。
それは致命的な考え方の違いであったが、彼女はそんな彼を愛していた。
故に彼女は死ぬ間際に、「家族を大切にして」と伝えるように言っていた。
これが彼が家族を大切にする理由である。

ちなみにシンドロームはソラリスピュアのガチヒーラー。
二つ名は"あなたに救いを(B3:Brace,Breath,Bless you.→ビースリー)"
意味合いとしては「絆を、命を、神の加護を。」
本人が口癖として言っていた言葉がそのまま二つ名に昇華された。

以下個人データ

・呼び方
一人称…俺、わし
二人称…アンタ、お前
三人称…奴、あいつ
兄…ディフェクトレコーダー、百恵
弟…バーントマークス、龍牙
妹…オルタナティブエンゼル、優花
妻…B3、優子
桜井豪…お義父さん
百瀬雪…スノウワン
鈴雲銀音…チアリング

好きなもの：百恵の手料理、龍牙と食べるハンバーガー、優子との思い出、優花に勉強を教えること
嫌いなもの：仇敵、上司、堅苦しい身分、機械、その他家族との時間を奪うもの全般
趣味：なし
特技：通訳、暗号解読、雨に濡れた犬の臭いを出すこと

その後のおはなし

彼はまた、その場所に来た。
亡き妻の眠る、石の前に。

手入れの行き届いた綺麗な墓石は、彼にまだ彼女の死というものを実感させない。
ふたりきりの空間で、ひとり、手を合わせる。
線香の煙と、その匂いで、彼は思い出したように語り始めた。


今回もなんとか、息子たちを死なせずにすんだよ。
これも母さんが見守ってくれてるおかげだな。
いつもありがとう、優子。

なあ、優子。
最近、ようやくお前の言いたかったことがわかってきたよ。
お前にとっては、血がつながってなくても、敵だったとしても、みんな『家族』だったんだな。

今更、何を変えられるってわけじゃないけどさ。
俺は俺の『家族』を守ろうと思うよ。
お前に言われたからじゃなくて、自分が大切にしたいと思ったものを。
それが、お前が本当に言いたかったことだと信じてさ。

そうだ、いくつか報告があるんだった。

娘ができたんだ。……ああ、いや、再婚したわけじゃない。
龍牙の双子の妹がいたんだ。無事に保護した。
龍牙がな、優花って名前をつけてくれたんだ。
母さんの名前、話したことなかったのにな。
母さんに似て、優しくて可愛い娘だぞ。
いつか連れてくるよ。

マラコーダは死んだ。
自分の手でケリはつけられなかった。
でも、それでよかったんだと思う。
復讐に燃える親父の顔なんて、子供達には見せられないさ。

最後に。
龍牙と優花が、今日成人した。
龍牙は相変わらずだが、優花が一緒だから、少しずつ変わっていくかもしれない。
龍牙が成人したら親父業も廃業だと思ったが、そうでもなさそうだ。
百恵も気を利かせてサプライズパーティなんてやってさ……みんないい子に育ったよ。

そうだ。
みんないい子に育ったよ。
だから安心して、見守っててくれ。
いざとなったら俺が守る。
大丈夫だ、家族の絆はだれにも壊させやしない。

じゃあ、またな。
次は家族みんなで来るよ。
百恵と、龍牙と、優花と。
四人で。


後ろから声がかかる。
三者三様の、しかし間違いなく自分を呼ぶ声。
今更、あとをつけられていたことに気づいた彼は頭を掻き、
「ちょっと早まったな」
と独り言ちて子供たちの方に振り返ったーーー

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