【門の創造】に元々組み込まれていた「移動先の世界に適した姿になる」という効果が妙な作用をして、転移完了と同時にオーヴァードとして覚醒する。しかし、この時に「レネゲイドウイルスや、UGNやFH等レネゲイド関連組織の基礎知識」もセットで脳に一瞬のうちにぶち込まれた。
彼女がウロボロスシンドロームの力を得たのは偶然だったが、上記の件で免疫低下のような状態にあった彼女と悪い方向にシナジーを発揮。数多シンドロームの能力が、過去に会得していた呪文と結合して歪んだ形で発現してしまった。
これら出来事からレネゲイドウイルスに対する神経過敏に陥っており、かつて笑ったり性的に興奮したりしながら戦闘していた面影はもはやない。自らのウイルスには「申し子」の力で大分慣れてきたが、敵や仲間が発するレネゲイドウイルスの奔流には今でも苦悶に顔を歪めながら戦っている。

仮住まいのアパートで適当に暮らしつつ、普段はストリートダンスに出たり動画サイトに踊ってみたを投稿したりして過ごしている。出葉と違って大学には通っていないが、出葉の様子を見るためや図書館に用があって訪れることがある。前の世界で振り回せていた【森羅万象の舞】(一切合切をダンスで乗り切ることができる特殊技能)も剥奪されており、踊れば一般のオーヴァード並みに疲れる。
各種組織への所属を断ってUGNイリーガルとして活動中。これに関しては力を暴走させないためのストレス発散なども目的だが、その根底にあるのはかつてと変わらない正義感である。

"Follow through"には「最後までやりきる」という意味がある。これに"Not"をつけて否定形にしたものを意訳すると「詰めが甘い」という表現になる。"NOT"を自ら塗り潰した彼女は、重苦しい自己否定の沼に堕ちながら、二度と悪に甘さを見せないという決意をも同時に固めたのだった。