FHセル『ファブニル』のセルリーダーとして日本FHに席を置く女性。

普段は隠しているが口元から覗く鋭い八重歯、爬虫類を思わせる縦に瞳孔が割れた瞳に病人のような白い肌、そしてエルフのように尖った耳から分かるとおりその体はレネゲイドビーイングである。

しかし、元々はうだつの上がらない一般人出身のFHエージェントであり、アジ・ダハーカという邪竜の因子を人に植え付けるという人体実験を半ば強制で受けた結果現在の姿へと変貌を遂げており、精神の方も実験によって植え付けられた因子によって汚染されており芦田 遙佳と邪竜の人格が混ざり合い強い破壊衝動が渦巻くようになっている。

性格的には気さくで勝ち気な印象が強いが、人間の可能性に対する強い執着が見受けられ、才能のある人材を見つけると気軽にスカウトをしたり、一戦交えないか提案するなど自己欲求に忠実な面が見受けられる。

また、熱しやすく冷めやすい性格であり…自身が興味や期待を持つ内は幾らでも待つ寛容さを見せるが、期待外れだと見限った際は容赦なく破壊衝動のままに跡形もなく消し飛ばす残虐性を発揮する。

その破壊衝動は自分自身にも向いており、これと僅かに残った人間としての良心から自分が飲まれる前に滅ぼして貰おうと現在セルの人材育成のカリキュラムに自分を殺せるようなものを造り出すプロセスを密かに忍ばせている。

元はただの一般家庭出身の何の変哲も無い少女であり、元来の熱しやすく冷めやすい性格から色々な者に手を出してはすぐに上が居ることを悟り才能マン達め！とそれを羨みながら逃げていくどちらかと言えば情けない存在だった。

そんなある日、何をしても中途半端な結果しか残せない自身に対する怒りと情けなさからもっと力が欲しいと強く強く念じた結果、現在人口の80%が感染しているとされるレネゲイドウィルスの例に漏れず体内に因子が残留していた彼女のレネゲイドがその念を受けて活性化しオーヴァードとして覚醒するに至った。

彼女はそんな事情を全く知らないため突如発現した力から自分は特別なのだと調子に乗ったあげく様々なところでレネゲイドを使いまくった結果FHにマークされることになり格の違いを分からせられる形でFHに屈しエージェントになる事になった。

しかし、実際の所彼女のオーヴァードとしての実力は全体としてみても低いとしか言いようがなく所属した後は使い捨てがやらされるような任務をやらされ逃げようにも既に汚れ仕事にまで手を出していた関係上逃げれば良くて逮捕悪くて口封じという袋小路に陥ってしまう。

そんなある日、とある実験にオーヴァードが必要であるとFHから通達を受け断れるはずもなくその人体実験に参加。

結果的に自我を犠牲にして伝説の邪竜の強大な力を手に入れることに成功している。

それ以降は今までの対応とは打って変わってその実力を認められるようになっていき、中東を中心にした作戦の成果からマスターの称号を授かることとなり、ソレに伴ってセルを設立し、現在へと至る。

FH、ギルド、神城などから受けた依頼により中東や北方で起る紛争や米中でのFHとUGNの水面下で行われている終了に向かうはずだった争いに介入し、続行せざるを得ない状況まで戦線を押し返した。

コレにより終戦予定だった争いは向こう10年は継続せざるを得ない状況まで悪化し、ソレにかこつけてレネゲイド関連の商品を様々な組織が新兵器として導入して利益を上げる戦争シェアリングの様なビジネスモデルを形成させる大きな要因の一つとなった。

現在も依頼に応じてそれが長く続くよう、人材を派遣して様々な工作活動を行っており日本に拠点を置いているのは地理の関係上そう易々と自分たちのためだけに他国が攻撃を加えられないことと、FH規模が大きいことからこちらでも大きい需要があるためである。

彼女の能力の本質は"無機物への干渉"。
彼女が発生させた領域内でまき散らされる鱗状の因子に触れた無機物は彼女の意志一つで思うがままに変異し、好きなように再形成される。
彼女が居る場所は何処であろうと考え一つで暴風雨や地震、雷といった災害が発生する危険地帯になり得る。

故に彼女の字は"マスターディザスター"。
まさに物質文明の覇者と言うべき侵略のレネゲイドであり、彼女の前では逃げ場など何処にもない。

多目的人材運用セル『ファブニル』。名前の由来は邪竜ファブニールから連想される通り、オーヴァードという貴重な人材を宝の如く身内へ引き入れて運用することから来ている。

セルメンバー達は元々教官であったり人材育成に携わっていた物が多く在籍しておりその者達が戦闘・工作・研究・調査の四つの区分に別れてそれぞれに適したカリキュラムの作成の元、チルドレンやスカウトした未熟な人材達を育成しており、それを別のセルへ派遣する形でセルを運用している。

セル内では何をやっても良いが本気で取り組み結果を出すことが絶対とされる成果主義によって成り立っており、出せない者は良くて追放、悪くて跡形もなく消滅するかであることからセルメンバー達は生きるため、そして自分たちの育てた人材によって世界を導くことを目的に団結している。

表向きに掲げられた目標は育てた人材により世界をオーヴァードが支配することであるが、その真の目的は芦田 遙佳を殺せる英雄を造り出すことである。

芦田 遙佳が現在の姿となった原因となる実験を案内した因縁の相手にして恩人。

彼女に宿る輝きを気に入った事から気さくに話すようになり、今では彼女が依頼した人材を優先的に任務に派遣するなど贔屓するまでになっている。

逆に彼女からは見返りにFH内に留まらずUGN、ゼノスなどと言った敵対組織で面白い人材についての状況提供を受けている。