ゆとシートⅡ for DX3rd - ゆと工公式鯖

業也 尽 - ゆとシートⅡ for DX3rd - ゆと工公式鯖

裂き穿つ炎腕スヴァロギア業也 尽ナリヤ ジン

プレイヤー:さなっぺ

 「退け、そいつは俺の獲物だ」

年齢
17
性別
星座
しらねえ
身長
173
体重
67
血液型
O型
ワークス
イリーガル
カヴァー
高校生(不登校)
ブリード
クロスブリード
シンドローム
エグザイル
キュマイラ
HP最大値
33
常備化ポイント
4
財産ポイント
4
行動値
3
戦闘移動
8
全力移動
16

経験点

消費
+14
未使用
0
フルスクラッチ作成

ライフパス

出自 生まれた時から遺産を所持していた。
通常の家庭
経験 尽の覚醒を目の当たりにした両親は、その後尽を置いて蒸発した。
両親の蒸発
邂逅 少女との出会いは、尽の人格形成において最も重要な出来事だった
友達
覚醒 侵蝕値
憤怒 17
衝動 侵蝕値
破壊 16
その他の修正8[イフリートの腕:+8]
侵蝕率基本値41

能力値

肉体6 感覚1 精神1 社会2
シンドローム2+3 シンドローム1+0 シンドローム0+0 シンドローム1+1
ワークス ワークス ワークス1 ワークス
成長1 成長 成長 成長
その他修正 その他修正 その他修正 その他修正
白兵5 射撃 RC 交渉
回避 知覚 意志 調達
情報:噂話1
情報:裏社会

ロイス

関係 名前 感情(Posi/Nega) 属性 状態
Dロイス 遺産継承者レガシー [イフリートの腕] 素手のAtk+6 サラマンダーの【制限:-】エフェクト一つをlv1で自動取得する。 怒りか悲しみの感情が希薄になっていく。
シナリオロイス サクライナズナ 尽力 悔悟 唯一友達だった少女。目の前で事故に遭い、死亡した。
執着 脅威 純粋に追い求め続けるもの
めぐる 連帯感 隔意
ナナ 感服 不快感
ナツ 友情

エフェクト

種別名称LVタイミング技能難易度対象射程侵蝕値制限
リザレクト 1 オートアクション 自動成功 自身 至近 効果参照
(Lv)D点HP回復、侵蝕値上昇
ワーディング 1 オートアクション 自動成功 シーン 視界 0
非オーヴァードをエキストラ化
紅蓮の憎悪 3 常時 自動成功 自身 至近
暴走中、Atk+[Lv*3]
骨の剣 3 マイナーアクション 自動成功 自身 至近 3 リミット
素手変更 白兵 命中:-1 Atk+[Lv*2+5] G値:6 至近
死招きの爪 4 マイナーアクション 自動成功 自身 至近 6 リミット
[リミット:骨の剣] Atk+[Lv*5]
ハンティングスタイル 1 マイナーアクション 自動成功 自身 至近 1
戦闘移動 エンゲージ接触無視可 封鎖無視
フルパワーアタック 3 セットアッププロセス 自動成功 自身 至近 4 80%
白兵Atk+[Lv*5] ラウンド中の行動値を0
獣の直感 1 メジャーアクション 自動成功 自身 至近
鋭敏感覚 1 メジャーアクション 自動成功

コンボ

紅蓮の憎悪

組み合わせ
《紅蓮の憎悪lv3》[常時]【自身/至近】暴走中、Atk+9 侵蝕率でレベルアップしない
タイミング
常時
技能
難易度
自動成功
対象
自身
射程
至近
侵蝕値
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力

“イフリートの右腕”

組み合わせ
《骨の剣lv3/死招きの爪lv4/ハンティングスタイルlv1》[10]【自身/至近】素手変更〈白兵 命中:-1 Atk+31 G値:6 至近〉 戦闘移動を行う
タイミング
マイナーアクション
技能
難易度
自動成功
対象
自身
射程
至近
侵蝕値
10
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
~99%
-1
31
100%~159%
-1
38
160%~
-1
45

悪魔の一撃ディアブロ

組み合わせ
《白兵攻撃》[0]【単体/至近】
タイミング
メジャーアクション
技能
白兵
難易度
対決
対象
単体
射程
視界
侵蝕値
0
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
~99%
6
10
5+-1
37
100%~159%
6
10
5+-1
44
160%~
6
10
5+-1
51

[イフリートの腕]適用

怨念の呪石

組み合わせ
《怨念の呪石》[3]【自身/至近】暴走付与。暴走中 Atk+2d10 1回/シーン
タイミング
セットアッププロセス
技能
難易度
自動成功
対象
自身
射程
至近
侵蝕値
3
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力

フルパワーアタック

組み合わせ
《フルパワーアタックlv3》[4]【自身/至近】白兵Atk+[Lv*5] ラウンド中の行動値を0
タイミング
セットアッププロセス
技能
難易度
自動成功
対象
自身
射程
至近
侵蝕値
4
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
80%~99%
15
100%~159%
20
160%~
25

炎神の一撃スヴァローグ

組み合わせ
《白兵攻撃》[0]【単体/至近】
タイミング
メジャーアクション
技能
白兵
難易度
対決
対象
単体
射程
視界
侵蝕値
0
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
80%~99%
6
10
5+-1
61+2d10
100%~159%
6
10
5+-1
73+2d10
160%~
6
10
5+-1
85+2d10

[イフリートの腕][フルパワーアタック][怨念の呪石][紅蓮の憎悪]適用

武器常備化経験点種別技能命中攻撃力ガード
射程解説
イフリートの腕 白兵 〈白兵〉 6 炎の魔人と呼ばれる存在の腕。契約者の腕に宿り、炎を操る力を与える。
※サラマンダーの【制限:-】エフェクト一つをLv1で自動取得する。 基本侵蝕率を+8する。
契約者はその代償に“怒り”か“哀しみ”の感情を次第に失っていく。
一般アイテム常備化経験点種別技能解説
怨念の呪石 20 セットアップで使用し、暴走付与。暴走中、 Atk+2d10する。 使用したセットアップ終了時、侵蝕率+3 1回/シーン
デモンズシード 3 [死招きの爪]の最大lvを+1する。

経験点計算

能力値 技能 エフェクト アイテム メモリー 使用総計 未使用/合計
10 2 109 23 0 144 0/144
侵蝕率効果表

現在侵蝕率:

容姿・経歴・その他メモ

▼PC1 ハンドアウト


経験点:144点(初期作成134点 + 持ち込み10点まで)
ロイス :桜井なずな(さくらいなずな)→推奨感情:[P]友情/[N]不安
カヴァー:高校生 ワークス:指定なし

キミは香澄市公立高校に通う、高校生のオーヴァードだ。
キミには"桜井なずな"という幼馴染がいた。
彼女は3年前に事故で亡くなった。
――はずだった。
ある春の日、キミは彼女と再会する。
その少女は間違いなく桜井なずなであった。しかし、記憶を失っているようだった。

▼パーソナリティ


香澄市のN高校の名簿に名前がある高校生。(通っているとは言い難い)
ただひたすらに“強さ”を追い求め続ける一匹狼。
現在は街に出現したジャームを討伐し、UGNから報酬金を受け取るイリーガルとして活動している。

基本的に馬鹿なので、自分の理解が及ばない話をされると無視するかキレる。細身で筋肉質な体と常に睨んでいるように見える目付きが特徴。主な活動時間は夜。ふらふらと街を徘徊しており、ジャームを討伐するか警察にお世話になっている。数多くの問題行動とその風貌から、いわゆる“不良”のレッテルを貼られている。しかし身から出た錆なので仕方ないし、本人は全く気にしていない。
右腕は産まれた時から遺産『イフリートの腕』が宿っており、その右腕は常に高熱を帯びている。まだその力を制御しきれていないため、右手で触れたものは一瞬で燃やしてしまう。現在は、私生活に影響が出ないようにとUGNから支給された特殊なワーディングがほどこされた布を巻いて、強制的に力を抑えている。

これまでまともに義務教育を受けていないので、人との接し方に難がある。しかし恩義に関しては過剰に反応し、貸し借りの概念ははっきり持っている。また“友達”というものには思うところがある。それは数年前、唯一の友達を目の前で失った経験があるからだ。

また、市街地にある公園の桜の木の近くで一匹の野良猫にご飯を与える様子が度々目撃されている。

UGNの面々とは尽目線ではビジネスライクなもの。ジャーム討伐の仕事と報酬をもらう相手として見ているが、任務外でもめぐるとナナは何かと尽に話しかけてくる。基本的に対応がめんどくさいので街中ではエンカウントしないように動いている。

大事なもの:友達
好きなもの:戦闘 美味いもの 鍛錬 強いやつ
嫌いなもの:動物(なぜか好かれる) 大人 弱いやつ
苦手なもの:女 子供 難しいこと

▼ざっくりタイムライン


・誕生:生まれながら右腕に遺産を宿す。
・幼少期:両親から精神的虐待を受ける。
・5歳:初めて父から暴力を振るわれ、オーヴァードに覚醒する。覚醒は小規模だったためUGNには発見されず。その後は両親から捨てられ、児童保護施設に入る。
・6歳:小学校に入るも、周囲に馴染めず問題行為を繰り返す。そのうち不登校児となる。
・10歳:学校に行かず、街の不良たちと喧嘩をする日々。そんなある日、オーヴァードの男と出会う。
 →数ヶ月の間、彼の元で力の使い方を学ぶ。その後、男ある日を境に姿を見せなくなった。
・13歳:中学入学の春。桜井なずなと出会い、徐々に学校に行き始める。
・14歳:なずなが事故で亡くなる。
・15歳:高校入学。しかしまたも不登校となり、夜な夜な街を徘徊する。その時にジャームを発見しこれを討伐。その際に自身の力の使い方を見つけたと感じ、それ以降はなずなを失った憤りを晴らすように、ジャームを倒して回った。そのうち、PC2とPC3に出会う。
・17歳:現在。UGNに認知されやんわりと監視下に置かれているが、基本的には独断で行動している。ジャームが出現すれば嗅覚で現地へ向かうため、大抵はUGN香澄支部と鉢合わせて共に(?)ジャーム討伐をしている。

▼遺産“イフリートの腕”ד怨念の呪石”דデモンズシード”


尽が生まれた時から右腕に宿る遺産。触れたものを焼き尽くす悪魔の片腕。しかしそれは同時に、尽の力そのものでもある。
戦闘時は右腕がさらなる変態を遂げることで戦闘能力を飛躍的に向上させる。力を使う毎に悪魔の腕は、使用者の“哀しみ”の感情を削り取っていく。その影響によって、尽には“哀”の感情が決定的に欠落している。
さらに、その腕には“怨念の呪石”と呼ばれるアーティファクト、さらに加えてその力を向上させる“デモンズシード”が同一化している。特に“怨念の呪石”は厄介な代物で、その石の力を使えば、使用者は即座に暴走状態となってしまう。そのため尽もその力を押さえ込んでいる。しかし同時に、その呪石の力が規格外のものであることも、尽本人は理解している。

レネゲイド由来のアーティファクトを取り込んだ寄生型遺産の継承者という非常に稀有なサンプルとして、UGNも業也尽についての対応を検討しているが、依然としてその処遇を決めあぐねている。

悪魔の右腕は放っておくと日常生活に支障が出るので、普段はとあるオーヴァードから手渡された特別性の布のようなもので覆い、発火能力を制御している。

▼戦闘スタイル


尽のオーヴァードとしての力は、自身の肉体を強化する能力に特化している。
その右腕にレネゲイドを集中させて自己強化し、武器として戦う。堅牢な5本の爪は鋭い刃のように敵を薙ぎ、強固な拳は目標を撃ち抜く弾丸となる。複雑なレネゲイドコントロールを必要としないシンプルな戦闘スタイルは、頭で理解するのではなく身体で反応する尽と非常に相性が良い。
また強大な敵を相手にした際には、その右腕に宿る魔石の力を解放し、その破壊力を飛躍的に向上させることができる。しかしその力を使えば即座に暴走状態となるため、非常時でない限りは使うことのない諸刃の剣でもある。

※尽の能力が自己強化に特化していることで、戦闘時に発生するレネゲイド反応が一瞬であったため、UGN香澄支部は夜な夜なジャーム狩りをする尽を補足するのに時間がかかった。

▼各PC、NPCについて


“桜井なずな”
尽にとって唯一の友達だった少女。目の前でその命を散らせてしまったことに、尽は自責の念はあるものの、過ぎてしまったことは仕方ないとも思っている。弱さ故の過ちを二度と犯さないように、尽は鍛錬を続けている。

“荒不”
尽の戦闘の師であるオーヴァードの男。その正体は元UGN香澄支部支部長にして、京崎めぐるの父、京崎通。数ヶ月の間、尽は街でこの男を見つけて勝負を挑んでは軽くあしらわれ続けた。しかしその戦いの中で尽はレネゲイドの力をコントロールする術を身に付けることになったため、なんやかんやで感謝している。

“京崎めぐる”
愛想よく尽と接してくれるが、尽は気を許していない。尽から見ためぐるは、圧倒的に“恵まれている人間”であるからだ。妬みなどでは無い。単純に、自分とは何もかもが違う人間だと感じ、距離を置いてしまっている。

“水無月ナナ”
苦手な子供。レネゲイドビーイングについては一通り説明を受けたが、普通の子供じゃない事以外は理解できなかった。戦闘能力については一目を置くが、基本的には(絡まれるとめんどくさいから)会いたくないので、街中ではエンカウントしないようにしている。

“咲坂奈津”
まだ出会っていないが、おそらく苦手な部類の人物。ただ、積極的に関わりを持とうとするキャラクターがなずなの姿と重なって見えることもあるかもしれないが、尽はそれを認めたがらなさそう。

“猫”
なずなと出会うきっかけになった野良猫。動物嫌いで何故か動物に好かれる尽によく懐いている。とある公園に住み着いており、尽が毎日公園に通って猫缶を与えている。名前はまだ無い。




▼生まれてから今までの来歴(長いんで読まなくても良い)


幼少期

尽は誕生した時からレネゲイドウィルスに冒されていた。そしてその右腕には悪魔が宿っていた。
最初は肌の赤みが強いくらいだった異変も、年を経る度に異形へと成っていった。その肉体的な変化を最も忌み嫌ったのが、他でも無い尽の両親だった。歳を重ねるたびにその見た目形を変える右腕を持つ息子を、両親は否定した。まともな食事も与えずに放置し続け、いないもののように扱った。しかし、尽は哀しくはなかった。尽からすれば、一度も与えられないものを強請る道理はなかったからだ。
そして、尽が生まれて5年の時間が経った頃、父親が尽に暴力を振るった。初めて感じる刺激。痛み。その時、腹の底から沸々と湧き出てくる感情があった。尽は父親を見た。その目が気に入らなかったのか、父親は再度尽を殴りつけた。尽は吹き飛び壁に身体を叩きつけた。その瞬間、尽の視界が赤黒く染まっていく。ふらりと立ち上がった尽は感情の赴くままに、その右腕で、リビングにあったテレビを殴った。そしてそのテレビは、文字通り粉微塵となった。それだけではない。吹き飛んだ破片から火が上がった。木製のフローリングに火が移り、壁、天井へと伝っていく。マンションの一室は数分のうちに火の海となった。

当時その火災はコンロの消し忘れのボヤ騒ぎということで報道された。その事件後、両親は尽を残して蒸発した。尽は食べ物を探すために夜の街を徘徊していた時に保護され、児童施設預かりとなった。しかしそれまで両親以外の人とほとんど接点が無かった尽にとってはあまりにも生き難い場所だった。そしてそれは学校も同様だった。いつしか不登校となり、同じ不登校の不良生徒と喧嘩をして、憂さを晴らす日々が続いた。尽は、喧嘩相手が高校生でも負けることはなかった。身体能力が並外れていたためだ。しかし感情が昂れば右腕が暴発し、何度か火災も発生させた。得体の知れない自分の力に恐怖を覚え始めた頃、とある男と邂逅する。

オーヴァード“荒不”との出会い

尽がいつものように不良に絡まれていた時に出会った男。“荒不”と名乗ったが、おそらく偽名だろう、と尽は思った。
不良らに対していつものように右腕の力を使おうとした際、間に割って入られ、返り討ちに合ったことをきっかけに尽の中で「倒すべき相手」として認識するようになった。

男はふらふらと街を歩いていたので、隙を見て攻撃を仕掛ける。そしてそれを簡単にいなされる。そんなやりとりが数ヶ月に渡って繰り返された。その戦いの中で、尽は少しずつその力をコントロールする術を身につけていった。印象的だったのは、その男はいつも嬉しそうに尽と拳を交わしていたことだった。そしていつしか尽の攻撃が男に届いた時、ひとしきり笑った後、力一杯頭を撫でられたのだった。

そうして、尽がその力をモノにしてきた頃、荒不は一枚の置き手紙を残し、尽の前から忽然と姿を消した。手紙は、『誰よりも強くなれ。それがお前の生き方だ。いつかきっと、その力の意味を理解する時が来る。失敗するかもしれん。折れそうになるかもしれん。それでも、男には張らなきゃいけねぇ意地がある。通さなきゃいけねぇ筋がある。死ぬなよ、少年。』そんな言葉で締めくくられていた。それ以来、彼とは2度と会うことはなかった。

“桜井なずな”との出会い

そして、尽が中学生になった春。とある桜の木の下で、1人の少女と出会う。

それよく晴れた日だったと思う。入学という節目の日を飾るにふさわしい日であったが、尽は通学路の途中で道を逸れた。
歩き慣れない道の途中、桜の木の下で1匹の猫が歩いていた。尽に気が付くとひょこひょこと向かってくる。どうやら足を怪我しているようだった。尽の足に擦り寄ってくる猫を見て、苛立ちを覚えた。力無き者は、そうやって誰かに寄生して生きるしかない。しかし強く生きようとしないのなら、そこに一体何の意味があるというのか。どんな価値があるというのか。そんな事を足元の小さな命に向かって心の中で問いただしていた時、突然声をかけられた。

「そんなに熱心に見つめちゃって。猫、好きなの?」

尽は心の臓が飛び出るほど驚き、咄嗟に塀の上に飛び移って10mほど距離を取る。その人並外れた動きに、猫とその少女は目を丸くした。

「びっっくりしたぁ…! 急に何!?」

「その制服、N中学だよね? もしかして1年生? もしかして、同級生!?」
少女は慣れた手つきで猫を抱き上げると、そのまま距離を詰めてきた。そして、右手を出して握手を求めながら、
「私も今日から中学生なの! 桜井なずな! これからよろしくね! よし、じゃあ一緒に学校に行こう!」
と言った。
尽は一言だけ「あんなとこ、誰が行くか」と威嚇し、その場から逃走した。
これが、初めてなずなと交わした会話だった。

その日を境に次の日も、そのまた次の日も、まるでGPSでも付けられたかのように、なずなは街を徘徊する尽を見つけ出した。その度に声をかけ、手を差し出した。そうして桜の花が咲き終わる頃、ついに尽は意を決して会話を試みることにした。

「なんでそこまでして俺に付きまとうんだ。見りゃわかんだろ、まともじゃないことくらい。」
「だって決めてたんだもん。中学校で初めて話した人とは、絶対に友達になろうって。 願掛け?みたいなものかな?」
なずなは、いつの間にか足元にやってきていたあの猫の頭を撫でながらあっけらかんとそう言った。

「まあでも、最初っから変な人に話しかけちゃったな〜とは思ってるよ! でも安心して、私、人を見る目だけは自信あるんだ!」
「…変なやつだな、お前」
「? なぜそうなる…?」

意図せず尽は笑った。こんなやつは初めてだと思った。今まで出会ったどんなやつとも違う匂いがする。

「尽だ。お前と握手はできねえが、なってやるよ、その…友達、ってのに。」
「え、ほんとに! なんか釈然としないけど、まあいっか! ん? なんで握手できないの?」
「いや、まあ、あいにくこんなんでよ。」と、ポケットに忍ばせていた右手を見せる。それは煤けて形も歪な、なんとも不恰好な右手。両親すら否定したその右手を見せた途端、なずなは躊躇なくその手を取った。
「おいバカ…」
「〜〜〜〜っっっ!!!!」
そして秒で手離した。

「だ、大丈夫か…?」と尽が顔を覗き込むと、目頭に涙を貯めながら「へへ…、握手できた」と言ってはにかんだ。その両手は真っ赤に腫れていたので、すぐに学校の保健室へと駆け込んだ。その日、尽は初めて中学校へと登校したのだった。

それから、尽の生活は一変した。
週に1〜2日は学校に行くようになったし、なずなに文字の読み書きを習い、人との付き合い方を教わった。中学生活は、そのほとんどが彼女との日々となった。尽は、そんな毎日に純粋な楽しさを感じていた。

なずなと出会ったきっかけでもあった猫は、すっかりなずなと尽に懐いてしまい、下校の時はもちろん、尽が一人で徘徊している時にもやってきては、尽の足にすり寄ってきた。尽は動物が苦手だったのでいつも手で追い払った。なずなは動物が好きだったから、その様子を見ると、決まっていつもなずなは尽をたしなめた。

“桜井なずな”との別れ

なずなと出会ってから、あっという間に一年が経った。その年も綺麗に桜が咲いたことを、尽は覚えている。
約束の時間になっても現れないなずなを想い、いつもやってくる道を逆に歩き出した尽は、片道3車線の大通りの信号待ちをしているなずなを発見した。向こうも尽に気がついたようで、両手を合わせるポーズを見せた後、信号が青になったと同時に横断歩道を歩き出す。その時、なずなに向かって飛び出す小さな影があった。それは、なずなと初めて出会った時に見つけた猫だった。片足を庇いながら歩いていく。なずなもその猫に気が付いて、駆け出す。

その時、尽は視界の端に、猛スピードでその猫めがけてスピードで走ってくるトラックを捉えた。尽は頭で考えるよりも疾く飛び出した。なずなもほぼ同時に、そのトラックの存在に気が付いたのだろう、猫に向かって走り出す。なずなと猫との距離は近く、すぐになずなは猫を抱きかかえた。しかしその眼前には、巨大な鉄の塊が迫っていた。
尽は右腕を目一杯、猫を抱えたなずなへ伸ばす。しかしその距離は絶望的だった。自分の力を以てしても、まるで届かない。しかしその時、右手の甲に怪しく輝く魔石が目に入る。“この力を使えば…”そんな思いが、尽の頭を駆け巡る。しかし、尽がそれを思考し、判断し終えるまでの時間は、もう残されてはいなかった。

なずなは、手を伸ばす尽の眼を見て、笑った。そして最後の瞬間、その腕に抱きかかえた猫を、尽へと放った。
尽がその猫をキャッチした直後、大きな音を立てながら、尽の目の前をトラックが横切った。

UGN香澄支部メンバーとの出会い

なずなを失ってから、尽はまた学校に行かなくなった。そして、深夜に出かけては出没するジャームを倒して回り、朝帰って寝るという生活を繰り返した。自分の感情をコントロールする方法を自分なりに考えた結果だった。
尽は野生の直感と嗅覚でジャームの出没を感知し、他に被害が出る前に処理し続けた。もちろん全てとは行かないが、自分の腕が届く範囲のジャームは全て排除して行った。

UGN香澄支部の面々と出会ったのは、そんなジャームを討伐した夜のことだった。
その日の獲物はこれまでのジャームとは一線を画しており、徐々に戦況が悪化していくことを悟った尽は、魔石の力を解放した。我を忘れて本能のままにそのジャームを討伐した尽だったが、数年ぶりに使ったその力を制御できなかった。そこに現れたUGN香澄支部の支部員であるPC2とPC3に鎮圧され、尽はUGNに捕獲された。

UGN香澄支部は、尽にUGNへ来るよう説得を試みたが断られることになる。しかしまたいつ力を暴走させるかわからない尽を保護観察対象とするため、尽はイリーガルとしてジャーム討伐を行い、その報奨金を渡すことで協力体制を取ることで合意した。

以降、尽とUGN香澄支部は“ジャーム討伐”という同じ目的を持った者同士の同盟を組むこととなった。


セッション履歴

No. 日付 タイトル 経験点 GM 参加者
フルスクラッチ作成 0
1 4 ガンサム
あげる点
2 10 ガンサム
持ち込み点

チャットパレット