《フォールンアックス》に分類される性能を備えた、意志を持つ大斧
とは言え、会話を行ったり何かを考えたりするようなものではなく、残留思念が染みついていると評するほうが近しいだろう。
柄から刃まで含めてすべてが光沢のある黒色で構成されており、武具としては原始的で無骨な形状の大型戦斧に該当する。
『露風 炉』はこの《フォールンアックス》の事を『黒漆』と呼称している
解析の結果、この大斧は『バロール/ノイマン』の能力を備えたオーヴァードがその身を武器に変えた存在であることが判明している。

適合者である『露風 炉』以外が触れるとその重量を激増させ、さらには周囲にねじれ狂った重力場を生成する。
それは容易に生命を絶ちうる極限環境であり、この大斧自身が迎撃行動を取っていると考えられる。
『露風 炉』との関係は｜遺産《レガシー》のような契約とは異なり、彼女の意志の一切を無視した寄生、あるいは侵蝕のような状態と言える。その代償か、『露風 炉』はこの斧と出会った当時の9歳の身体から一切身体的成長をしておらず、不老の状態で長い年月を生きることを強制されている。
彼女がこの大斧を振るう時、まるで過去を書き換える様に攻撃の瞬間以上の破壊が発生することが往々にして確認されている。