容姿・経歴・その他メモ

表向きは大学生として生活を送るエージェントの青年。故郷の神輿島から上京し、都会の暮らしに最初は戸惑いもあったが、直ぐに馴染み多くの友を得た。
エージェントとしての活動を開始したのもそれと同時期であり、優秀な働きぶりを見せる反面、精神的な不安定さを懸念されている。
趣味は釣りであり、上京してからは機会を失い、残念がっているようだ。

ある日、任務の最中対峙したFHチルドレン。その少年は社会のあらゆるセーフティネットから零れ落ち、しかし彼を唯一絡め取ったものはレネゲイド、そしてFHという呪縛であった。
任務の遂行のために、その少年を排除するより他に道はなく、またその通りに峡燐冴は動いた。
全身を炎に巻かれ、涙の一滴も落ちぬほどに焼け焦げた幼い遺体を前に、彼の中の正義は揺らいだ。
島を出たら、きっと皆に恥じない英雄のような男になるのだと、多くの人を救ってみせようと息巻いていた自分が、真に救われるべき命を刈り取り続けている。その矛盾に、心は摩耗していった。
そして、自分の抱いていた正義とは、欺瞞に過ぎなかったのだと、彼は自分を責め続けた。
結局のところ、正義というものは、"殺してもいい誰か"を選ぶための指標に過ぎない。自らの暴力を肯定できる理由を誇らしげに掲げていた醜い化物。それが峡燐冴という男なのだと。
……だが、自分がどう思っていようと、現実に悪意ある脅威は存在し、それによって人々は傷付けられる。自分の大切な人たちとて例外ではない。
なら、立ち止まっている場合ではないはずだ。自分の信じた道の是非に関わらず、世界は悪意ある破滅へ向かって進み続けている。であれば、自分に出来ることはひとつしかない。せめて、仲間たちが手を汚す必要のないように、自分が戦うこと。それだけが自分にとっての正義だと、そう定義した。……そう、心の悲鳴に蓋をした。

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