容姿・経歴・その他メモ

髪

黒色

瞳

青

肌

肌色

　学校の喧騒は明るく色とりどりで移り変わりが激しかった。街中の喧騒は｜雑音《ノイズ》、テレビの砂嵐。家の中の沈黙は、カラーバーを映しだすテレビが吐き続ける1000Hzの信号のようだった。でも、あの場所は…あの人の隣は……。
　俺の頭も意識もかき回していた｜雑音《ノイズ》が日常から消えていった。UGNの一人として動いているうちに、支部長から稽古を受けているうちに、透けていって溶けていった。視界をあやふやにしていた霧が晴れて、新たな道が開かれたような気分だった。でもすこしだけ、寂しさも感じた。
　だから時々、夕暮れ赤に染まる街中で耳を澄ます。公園、飲食店、人気のない細い路地…いろんな場所で立ち止まって、腰を下ろして、目を閉じて耳を澄ます。もう｜必要《いら》ないヘッドフォンを肩に落として、音と混じる。単純な趣味でもあった。聞きたい音だけを拾い上げて聞く、鍛錬でもあった。この力を制御するためにも。
　そして守らなければいけない日常を、しっかりと心に刻むこむ時間でもあった。静寂が好きな俺に、何かが囁きかけるから。俺の意思をしっかりと保つために。
　あの場所は、あの人の隣は……暖かな暖炉のよう。時折パチパチと音を上げて、火花を散らし舞い上がる。けれど穏やかに、いつもそこで日々を見守っている。そんなここが、俺の居場所だと思ってる。

-------灼けきらない夕が未だ続く、嗅ぎ馴れた夜の匂いは来ない。




ごく普通の家庭で育ち、ごく普通の点数を取り、時たまに友人と仲睦まじく遊び。ごく普通の学校生活を過ごしていた物静かな少年。自身の表情の乏しさと鋭い目つきを嫌っている。
　この普通ばかりの生活は誰かにとっては羨ましいと思えるものだが、彼にとってはどうにも退屈なようだ。しかしそれ以上の喧騒は決して望まない。退屈だけれど満足しているから。そんな生活の中で突如奇妙な雑音が聞こえるようになった。これはオーヴァードとして覚醒したことが原因だが当時のトガメは知る由もなく、その雑音に体調を崩し、耳を塞ぎ、自室に閉じこもるようになった。

　そんなときに当時の彼は知りもしない組織であるUGNからの連絡を受け、彼は久しぶりの外へ赴いた。UGNでの職場体験を終えたトガメはUGNチルドレンとして所属することを決意。学校と養成所での学習を両立させることはとても困難なことではあったが、彼はこれにやりごたえを感じていた。
物静かなトガメは誰かと話すとき以外は耳栓やヘッドフォンで耳をふさいでいる。メモを携帯し、手話も何とか覚えた。
養成所での訓練のおかげで雑音はある程度防ぐことができるようになった。それでも彼は耳を塞ぎ続ける。
ぼんやりとその瞳に黄昏の景色を映し続ける。その手で何度も何度も髪の編み込みを解いては編み続ける。
彼が見聞きしている世界は、私たちと同じ世界なのだろうか？
その世界には一体、何が溶けているのだろうか。

ー追記
支部での生活を過ごす中で精神的にも実力的にも成長をしている。学校にも復帰し、以前のように勉強にも励んでいる。
支部長の影響を受けて「拳で殴る」戦い方に興味と憧れを抱き練習をしていたようだ。拳に光を纏い、｜砂嵐《ノイズ》を発して姿を暗ます。そうして再び｜砂嵐《ノイズ》と音と共に拳を撃ち込むことで相手の肉体には物理的ダメージを、視界には鮮烈な白と黒の光を、鼓膜にはキンと甲高い衝撃を送り込む。

新しいとも言える日常の中で耳を澄ますことが日課になったトガメ。聖者の遺骨はそんな日課を初めて数日の時に「音を辿って」発見、拾ったものである。何故こんなものが落ちていたのか、知る由はない。トガメはその時聞いた音から「以前の所有者が消失し、遺したもの」だと考えている。

ちなみに...支部長であるユウちゃんのことは好きだし迷いなく言葉にして言えるけど、恋愛的な好きとは違うしそういった感情をまだ知らないのでどういう意味だと聞かれても首を傾げますね。

イメソン：仄日　https://youtu.be/OGCxKI4CZSs

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