中世ヨーロッパ，地中海に面した地域に存在したバロキア王国
北東を守護するクレア辺境伯の三女として生まれる．

10歳以前に騎士としての才能は無く
早々に騎士としての箔をつけ，どこかへ嫁に出される予定であった．

婚約者との顔合わせを数日後に控えた夜
従騎士として長女と共に獣の夜襲への対処に応じた際に
部隊は壊滅，一人生き残り国に戻ると国は跡形もなく消え去っていた．

途方に暮れていたところをデュオに拾われ，ともに世界を巡る旅をする．

アリスに騎士としての才能は無い．
鈍重な鎧を纏い，肉厚な剣を振り回す才能は無かったようだ．
彼女の才は，“速さ”である．
判断能力，身のこなし，すべては“速さ”という表現に尽きるだろう

獣に襲われ，鎧も全損し，剣も削れ細くなる
その時，アリスの才は開花する．
だが，才だけでは生き残るのは不可能だっただろう
本当は才なんてものは不要だったのかもしれない
「生きろ」と命じられたことと比べたら．

結果，生き残ってしまった．

この世界で生きるための術を叩き込まれた．
世界の成り立ちに，自身の力，未来の話，ありとあらゆる話をした．
本当かどうかもわからない，必要かどうかもわからない話を．

旅は4年目にして，突然アリスが意識を失うことで終わりを迎えた．
「じゃ，頼んだよ．君が生きているのはこれからの為なんだから．――――――――」

目が覚めると暗闇の中にいた．
目が慣れてわかる，石室だ．

細く漏れる光を頼りに天井を破壊する．
まわりを山脈に囲まれた谷底のようだ．
どこだ？ここは...

歩き続け，集落にたどり着く
数日後，母国と同じ運命をたどる集落に．


それからは繰り返し，意識を失い
どこかしらで目覚め，どこかしらが滅びる．
何度も繰り返すうちに思い出し，気づいた．
このために生かされたのだと．

その時の目覚めはこれまでとは違った．
どこかの研究室のような場所で目覚めた．

神城グループの研究室へ持ち込まれた石棺の中で眠っていた
本来ならば目覚めるときではなかったが石棺が明けられたことで目覚めた．

神城グループの研究に協力する代わりに生活を保障してもらっている．
早月とは，FHの襲撃を受けた際に助けたことで知り合った．

それ以来，早月の私兵として世界を飛び回っている．