≪ブラック・マリア≫（雷神の槌＋レッドテンペスト）

ヴァチカン秘跡探索局が大戦以前より回収していた“大いなる力を宿す神秘”。
天空神であるオフルマズドから天候・雷鳴の側面を強く前面に出した遺産。
その力は凄まじく、後の世では多くの雷神は戦の神と結び付けられた。

長年大聖堂に封印されていたが、ナチスに対抗するために幾多の改造と同化を施される。

分霊であるアムシャ・スプンタから、貶める為にその対抗である魔神へ。
魔神から多くの国々と時を隔てることで雷鳴神へ。
雷鳴神からその一側面のみ抽出し、女体化の同一視を挟み女神へ。
戦の権能を引き剥がし、気象が齎す恵みとして豊穣の女神へ。
そして、豊穣の女神から聖なる親子の象徴として取り込み──聖母マリアへ。

歴史上繰り返された信仰の移ろい、そして教会の侵略が凝縮したものとすら言える。

物質としての形は、内部に稲妻が走り続ける黒いマリア像。
そしてそのマリア像を内部に封印し、制御を補助する聖櫃。
この聖櫃は変形させることで弓や弩としての機能を発揮する。

様々な矮小化や同一視感の適応、また「木星の神」から「北極星の聖母」へなど、
幾多の“ズラし”を利用してそのレネゲイドを抑えているが、未だ完全制御とまでは言えず、
手に取り使用するには、特殊な力を持つ清らかな乙女の生き血を捧げることが必要、とされる。
真の意味での適合者はまだ発見できていないのではとも言われる。