元々は天涯孤独で大きな病を患っていた孤児であり、人の道を正しく歩むことは難しいだろうと周りから心配されていた。
　そんな彼に手を差し伸べたのは、ある剣の道を往く老人だった。
　武道は彼の健全な心身を作り、健全な道を示した。打ち込めることがなかった彼も、ようやく向き合えるものに夢中になって打ち込むようになっていった。
　ある日、道場の蔵に収められていた古い太刀に触れた。瞬間、彼の人生は一変した。
　後にフォールンブレイドと認定される物品に触れたことで、彼はオーヴァードとなった。
　こみ上げる衝動を日頃の瞑想を思い出しながら無理矢理押さえ込み、それでも無意識に発してしまったワーディング反応によってUGNに補足され、彼は世界の裏側を知らされた。
　その後は訓練を受けて、現在はUGNエージェントとして活動している。

　何代にも渡って受け継がれてきた古流剣術道場の門戸を開く老人がいた。
　当然真剣も扱われることがあるのだが、あまりにも道場が古風な佇まいのせいか、近所の子供たちからは「その中に妖刀があるのではないか」という噂が昔から囁かれていた。
　そんな噂がレネゲイドウィルスに影響を与えたのか、蔵で忘れ去られていた古い太刀がEXレネゲイドに感染。噂になぞらえたかのような戦を求める妖刀としての機能を獲得した。
　ある少年が蔵でその太刀に触った結果、ウィルス同士が共振。少年がその身に飼っていたレネゲイドウィルスが活性化してオーヴァードとなった。
　現在、この太刀はフォールンブレイドとして運用されており、持ち込んだ少年が使用を続けている。
　使用者の意志によって切れ味が増すが、その力が発揮される度に刃こぼれを起こしてしまうため、技術班によるメンテナンスが欠かせない。

　銘は潰れており、来歴も不明。

　ルリという名を少女に与えた。