数十年前には『神童』と呼ばれていた。主には生体や細胞関係の研究を行っていた。

しかし二十代前半のときに、交通事故で片腕と片足を喪失する。
この出来事をきっかけに、やや精神のほうに不調をきたすようになってしまう。
再生細胞の研究に異常なほど執心するようになり、ときにはヤクザやマフィアなどの裏の人間たちの伝手を使って、非合法な人体実験を繰り返すようになった。
必然的に、表舞台から姿を消していった。

40代の頃、パトロンのひとつであった海外マフィアの部下に無断で実験を行い、報復として秘密裏に殺害された。

亡くなった数年後、『世界中で死者が蘇る』という奇妙な出来事(基本2 P.205-206)の影響により、『思い出』が具現化したレネゲイドビーイングとして蘇った。
ただし、彼のことを知っていた多くの人間は『神童』である彼の姿を思い描いた。
そのせいか、彼が最も『神童』と呼ばれていた14歳の頃の姿で蘇ってしまった。

レネゲイドビーイングとして蘇った際、彼はその記憶の半数ほどを忘却していた。
ざっくばらんに言ってしまえば、彼は自分がいわゆる『マッドサイエンティスト』であった過去をすっかりと忘れてしまってた。
理解しているのは「自分の名前」「かつては細胞関係の研究をしていた」「事故に遭って手足を失ったこと」「自分がレネゲイドビーイングという存在であること」「かつて40代の頃に死亡したこと」「現在は14歳の姿であること」くらい。
家族や友人などの存在もほとんど忘れてしまったが、本人はあまり気にしていない。

蘇ってからの世界をウロウロしているうちに、「死ぬ前よりもなんだか面白いことになっているなぁ(＝レネゲイドウィルスの存在)」と感じるようになり、気ままに研究しつつ、日々をおもしろおかしく過ごしている。