ゆとシートⅡ for DX3rd - ゆと工公式鯖

祢々切 乱麻 - ゆとシートⅡ for DX3rd - ゆと工公式鯖

諸刃の剣シャッタード・ファンタズム祢々切 乱麻ねねきり らんま

プレイヤー:焼き鳥

俺は、何を切ればいいんだ」

年齢
19
性別
星座
獅子座
身長
体重
血液型
O型
ワークス
大学生
カヴァー
大学生
ブリード
ピュアブリード
シンドローム
ミストルティン
HP最大値
29
常備化ポイント
2
財産ポイント
2
行動値
9
戦闘移動
14
全力移動
28

経験点

消費
+56
未使用
4
フルスクラッチ作成

ライフパス

出自 母は俺を産んだ後に死んだ
母親不在
経験 親父が再婚して出来た義妹も俺を庇って死んだ
喪失
邂逅
覚醒 侵蝕値 力が欲しかった、手の届く物全てを守れるような力が
渇望 17
衝動 侵蝕値 ずっと 側にいてくれたのか
妄想 14
侵蝕率基本値31

能力値

肉体4 感覚4 精神1 社会1
シンドローム2×2 シンドローム2×2 シンドローム0×2 シンドローム0×2
ワークス ワークス ワークス1 ワークス
成長 成長 成長 成長1
その他修正 その他修正 その他修正 その他修正
白兵5 射撃 RC 交渉
回避1 知覚 意志1 調達
運転:二輪2 知識:レネゲイド2 情報:学問1
情報:ゼノス1

ロイス

関係 名前 感情(Posi/Nega) 属性 状態
Dロイス 魔剣の守護者ワールドディフェンダー パニッシュメントをレベル1で取得
漣 鏡花 純愛 偏愛 義理の妹(中学生)
都築ちゃん 尽力 疎外感
夏帆ちゃん 庇護 恐怖
支部長 信頼 恐怖
夢愛 連帯感 隔意
鎖の少女 懐旧 脅威

エフェクト

種別名称LVタイミング技能難易度対象射程侵蝕値制限
リザレクト 1 オートアクション 自動成功 自身 至近 効果参照
(LV)D点HP回復、侵蝕値上昇
ワーディング 1 オートアクション 自動成功 シーン 視界 0
非オーヴァードをエキストラ化
パニッシュメント 1 メジャーアクション シンドローム 対決 武器 3 Dロイス
組み合わせた判定の攻撃にLV×3し、チェインブレイカーの効果が全ての判定に適応される
狼の魔剣 1 マイナーアクション 自動成功 自身 至近 1
エンゲージ無視離脱可能な戦闘移動、シーンLV回
神殺す刃 5 マイナーアクション 自動成功 自身 至近 3
武器作成
コンセントレイト:MT 2 2
ものいつ
チェインブレイカー 1 メジャーアクション 〈白兵〉〈射撃〉 対決 武器 2
組み合わせた攻撃が命中した場合対象の次のRC判定の達成値に-LV×2、対象がGPの場合さらに-LV
アストラルアイス 5 マイナーアクション 自動成功 自身 至近 2
そのメインプロセス中アーキタイプによるダイス+LV
ファイナルストライク 1 オートアクション 自動成功 自身 至近 3 100%
アーキタイプの武器を使用したダメージロールに使用、ダメージに+武器の攻撃力。攻撃後に武器破壊
武神降臨 2 セットアッププロセス 自動成功 自身 至近 5 100%
ラウンド間のダイスに+LV×2、効果終了後アーキタイプを破壊する
共鳴探知 1 メジャーアクション 自動成功 自身 至近 1
グレイプニルとかその痕跡やら気配を察知出来る、知覚判定
デミアーキタイプ 1 メジャーアクション 自動成功 自身 至近
日用品を作成しそのシーン間使用できる
機能復元 1 メジャーアクション 自動成功 自身 至近
道具や機械を修理できる、壊れ過ぎてると無理

コンボ

滅却錬成フラグメント・フォージ

組み合わせ
神殺す刃狼の魔剣アストラルアイス
タイミング
マイナーアクション
技能
難易度
自動成功
対象
自身
射程
至近
侵蝕値
8
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力

断絶の大剣ダムド・セイバー

組み合わせ
コンセチェインブレイカーパニッシュメント
タイミング
メジャーアクション
技能
白兵
難易度
対決
対象
単体
射程
至近
侵蝕値
7
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
100%未満
4+5
8
5-2
27
100%以上
4+6
7
5-2
33

英傑昇華エクシード・ファンタズム

組み合わせ
コンセチェインブレイカーパニッシュメントファイナルストライク(武神降臨込み)
タイミング
メジャーアクション
技能
白兵
難易度
対決
対象
単体
射程
武器
侵蝕値
10
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
100%以上
4+12
7
5-2
60

武器常備化経験点種別技能命中攻撃力ガード
射程解説
アーキタイプ:大型武器 白兵 〈白兵〉 -2 LV×3+9 5

経験点計算

能力値 技能 エフェクト アイテム メモリー 使用総計 未使用/合計
10 11 161 0 0 182 4/186
侵蝕率効果表

現在侵蝕率:

容姿・経歴・その他メモ

皮肉屋でやさぐれた印象の青年
趣味はバイクとアニメ
高校生の頃にジャームに襲われ、それををきっかけに覚醒、その後は高校生活を続けつつ、無鉄砲ながらも困っている人を見過ごせない性格で様々なレネゲイド案件へ首を突っ込むイリーガルとして活動していたが、とある事件で妹が彼を庇って死亡し、それをきっかけに塞ぎ込むようになった
学校も休みがちになり、UGNの依頼も拒否、とりあえず地元の大学になんとか進学し気不味くなった実家を出てアパートで一人暮らしをしている(若干引き篭もり)
元のシンドロームはモルフェウスのピュアブリード、シンプルな片手剣を錬成して近接戦闘を行う戦闘スタイルだったが、例の事件で剣を敵に折られてからは折れた剣しか錬成出来なくなった
ささみさんのPCとは高校時代にugn案件でよく一緒に戦ってたけど、妹が死んでから疎遠になってたので気まずい
友達は少ないが何かあったら助けてくれる人は多いタイプの人間
ロリコンではない

過去のお話し

 あれは高校一年生の時
 「父さんな、再婚しようと思うんだ」
 入学祝いにと、久しぶりに同じ食卓を囲んだ父が、恥ずかしがりながらも決心したような顔でそう告げた時、俺はどこか他人事のような気分でそれを聞いていた。
 俺を産んですぐに身体を壊し亡くなった母の分まで俺を養おうと毎日身を粉にして働いている父は、遅くに帰り早くに家を出る為、たまの休日や学校の行事で顔を見る程度の距離感だった俺にとって、彼は皮肉にも「父親」と言うよりも、年上の同居人のような立ち位置だったと記憶している。
 それでも身近な人間が過去を乗り越え幸せになろうとしているならそれを止める理由も必要も無く、寧ろ大手を張って祝福するつもりだった、強いて言うならこれから共に過ごすであろう義理の母親、言ってしまえば今までほぼ赤の他人だった女性と、家族として上手くやっていけるかどうかを不安に思っていたが、それも杞憂に終わった。
 旦那の不倫が原因で数年前に独身になったと言う義母は気弱に見えるが芯の強い女性で、突如家庭に転がり込んできた男子高校生にも物怖じせずコミュニケーションを図り瞬く間に俺は漣家の一員として温かく出迎えられる事となり、ついでに祢々切とかいうあんまよくわからん上に父方の姓なので別に母の忘れ形見でもない微妙な苗字を昇華させる事にも成功した。
 こうして俺の新しい家族生活は、特に波風立つ事も無く平穏なスタートを切った…………訳では無かった。
 波風どころではない。
 嵐だ。
 この家には、嵐が住み着いていた。
 嵐と言っても1999年に結成された5人組の超有名男子アイドルグループの事ではなく、いやむしろあんな個性豊かなイケメン5人とシェアハウス出来るのであれば金払ってでも住みたいどころか死人が出かねない物だし話は変わるがこの前の解散宣言は推していたとまでは言わない物のやはり世代にドンピシャかつ学生時代の行事でも聞き馴染みがありお茶の間のゴールデンタイムに冠番組が放送されていたりと最早自らの青春とは切っても切れないような彼らが解散すると聞いて「あぁ時代は変わっていくんだなぁ」と軽く鬱になったりもしたが、この家の嵐はソロ活動の暴風雨だった。
 ゲリラだった。
 「貴方の事は家族とは認めません。出来るだけ視界に入らないで下さい。」
 初対面でそう言い残し目の前で馬鹿でかい音を立てながら自室のドアを閉めたのは、再婚した母さんが離婚する前の旦那との間に出来た娘ー
 漣 鏡花。
そう、所謂義理の妹だ。
 初め父から再婚相手に娘がいる事は知らされていたし、初めこそよくTwitter(現X)でよく見るようなご都合展開に心躍っていなかったと言われれば嘘になるものの、これまで女二人で暮らしていた所に急に知らないおっさんとその連れ子(おにいさん)が来るとなると流石に不安と言うか、多感な時期にストレスになりそうで申し訳なかった為出来る限り刺激しないよう温和に接し距離感を弁え出来ればお兄ちゃんと呼んでくれたらなんて考えていたが、それすらも許されなかった。
 顔すら見てくれなかった。
 そこまで??そこまでする???
 多感な時期と言えどこれから一つ屋根の下で暮らす事になる人間にここまでアウェイに接されるとは思っていなくて軽く泣きそうになったが、後々話を聞いたり考えるにこれは至極当たり前の反応だったように思える。
 どうやら初対面の時点でかなり父に惚れ込んでいたらしい母(新)が急に男が二人も増える事へ猛反対しそうな娘の気配を感じ取り、先手必勝とでも言うようにその事を説明もせずスピード婚を決め込んだと言うのだ。そんな事だから悪い男に騙されるんだよ
愛していた男に騙されいつも辛そうな顔をしていた母が新しい幸せを見つけた事自体は喜ばしく、どんな男が来ても家族として受け入れようと思っていたがまさか男がもう一人、尚且つそれが思春期真っ只中のクソガキである事までは知らされておらず、当たり前ながらも許容しきれず、かといって真っ向から否定するのも母に悪いとなんとか自分の中で折衷案を練った結果、その矛先は俺に向いたということらしい。
 お兄ちゃんどころか最初は名前すら呼んで貰えず、目も見てくれない同じ場所にいたがらない飯すらもタイミングをずらそうとするその徹底ぶりは女の子に嫌われる耐性なぞ0に等しい俺の心を木っ端微塵に砕いたが、持ち前の一晩泣いて寝て起きたら元通りの無敵のメンタルでなんとか持ち堪え、そんな冷え切った兄弟関係の吹き込むある意味風通しの良い家族関係が始まっていった。
 因みにこの関係について母(新)が何か言ったかと言うと、どうやら父に夢中で俺達は眼中になかったらしく「仲良く出来てそうで良かった」だそうだ、もっぺん騙されちまえ
 そうして俺のちょっとばかしハードな新生活もこなれてきて、妹の毒舌をノールックで突っ込めるようになった一年の夏頃、俺は母に頼まれて部活動で遅くなった妹の迎えを頼まれた。
 迎え自体はこれが初めてではないが、一番最初は他人な振りをされたし、二度目は俺を不審者呼ばわりして警察を呼ぼうとしていた。
 「次は何て言われるのかな、出てきた時に刺股持ってたら逃げようかな」なんて身構えていた時、不意に背後から気配を感じた。
 別にそんな事を考えていたら妹が出てきて、その隠す気もない殺意をぶつけられたとかそう言った物では決してない。
 もっと感情が篭っていないような、獣が獲物に向ける視線のような、背中に冷や水をぶちまけられたかのような悪寒を感じて、俺は咄嗟に振り返った。
 そこには、不審者がいた。
 サングラスをかけ帽子を深く被りマスクで顔を覆った、長袖を深く着込み鼻息荒く学校を見つめる、今時珍しくすらあるオールドタイプの不審者。
 どうやら刺股が必要だったのは、俺の方だったらしい。
 なんてくだらない事を考えていると、その不審者と目が合った。
 まずい。
 とにかくここは一度こいつを学校から引き離して警察を、何て取り留めもない考えが一瞬のうちに脳を駆け巡るも、それに反して俺の体はまるで地面に縫い付けられたかのように動かなくなっていた。
 動かないのではない、動けないのだ。
 体がまるで他人の物になったような感覚、それは恐怖に由来する物ではなく、もっと根源的な、人体を構成しているすべての細胞が強制的にシャットダウンされたような異変。
 無限にも思えるような一瞬の後、不審者は俺から目を離すとそのまま真横に視線を向けていった。
 必死に眼球だけを動かしてそちらを見てみれば、視界の端に同じように動けなくなっている女子中学生と、その隣に見覚えのある姿が見えた。
 ー鏡花だ。
 何故か彼女は俺達とは違って動きこそ止められていない物の、恐怖により腰が抜けその場にへたり込み、ただ恐怖に満ちた表情で不審者を見つめていた。
 突如、不審者の腕が異形と化す。
 鏡花は叫び声を上げ後ろに後ずさろうとするも、体が言う事を聞かない。
 不審者が息を荒げながら彼女に近付いていく
 彼女は必死に不審者へ怒鳴り散らすも、普段のようなボキャブラリーはそこにはなく、いかにも少女らしい罵倒や否定の言葉を単調に繰り返す。
 不審者が異形と化した手を振り上げ、彼女は恐怖に息を詰まらせながら、ふと俺の方を見て絞り出すような声で、

「たすけて」と、そう漏らした。

 瞬間、活動を停止していた筈の細胞達が片っ端から作り替えられていくかのような感覚と共に体の自由が戻っていく。
 自分の身に起きた更なる異常に対して疑問が湧き出る前に、俺の体は駆け出していた。

ー前へ、前へ、

ー力を、もっと力を

ーこれ以上、奪われてたまるか!!!

 体の奥底から湧き上がる全能感と衝動に任せ手を突き出す。そこには、

 刺股があった。

 「今じゃないだろ!!!!!!!!!」
 そう叫びながら俺は不審者…否、怪物に向けて突進し、刺股の正しい使い方…壁に向けて押し付け、怪物を挟み込んだ。
 怪物も咆哮をあげながら凄まじい力で抵抗するも、刺股の計算された設計と何故か向上している身体能力でなんとか押し込む。
 妹が友人を連れて逃げた事を確認しこれからどうしたものかと考えていると、俺の腕力よりも先に刺股が力尽きたようで金属製の棒が捻じ曲がり、そのまま怪物のタックルを受けて俺はフェンスに叩き付けられる。
 全身がベキベキと接骨院とかでもギリ聞かないタイプの音を立ててへし折れる音と共に全身に激痛が走る、身体を見てみれば折れた骨が何本か皮膚を突き破ってとびだせ肋骨の森になっていた。
 これ死んだな、せめて一度くらい彼女が欲しかったぜ。
 なんてニヒル(?)な台詞を思い浮かべながら目を瞑るも、一向にお迎えはやって来ずどころか痛みが引いて行く、もう一度体を確認すると先程まではみ出していた肋骨は綺麗さっぱり体の中に収まったようで呼吸しても痛くない、全身の擦り傷や打撲がみるみるうちに再生していく。
 やれやれ、俺は本格的に超常的な力に目覚めちまったらしい。
 なんてクール(?)な自分に酔いしれていると、シラフかどうか怪しい片腕が異形と化したおっさんがすぐ側まで歩み寄り、丁度鉤爪で自分を引き裂こうとしている所だった。
 咄嗟に横っ飛びして回避するも今まで自分が寄りかかっていたズタボロのフェンスは真っ二つになり、どこかの前衛芸術かのような風格さえ醸し出している程の壊れ具合に。
 アレを喰らったら確実に死ぬだろうなと思い、怪物と一定の距離を取りながら向かい合う。
 直感だが、俺の能力は物質生成だ。
 事実さっき俺の手元には何もない所から刺股が錬成されていたし、何より俺のメインウェポンが刺股だったらかなり凹む。
 なんだよ刺股って。もっと色々あるだろ、ゲイボルクとか。
 だがまぁ、素人が戦うのなら槍よりも直感的に扱いやすい剣、片手剣などがいいだろう(よくよく考えると全然そんな事はない、一定の距離を保って突き殺せる槍はいつの時代も安定して強い)。
 その辺に落ちていたフェンスの破片を握り込み、頭の中でイメージを思い描く。某フロムソフトウェアに出てくるような、シンプルなブロードソード。リソースを割いている余裕もないので、装飾は無しで。
 すると全身の細胞が一種沸き立つような感覚の後、フェンスの破片が砂と散り新たな形を再構築していく。
 イメージを思い描いてから数秒としないうちに、俺の手にはイメージした通りの片手剣がそこにはあった。
 俺は、戦える。
 俺が、守ってみせるんだ。
 なんてそれっぽい意気込みと共に怪物に立ち向かった俺は、これ以上詳細に書くとPLが死ぬので割愛するが2〜3回死にかけた後に異変を聞きつけたUGNのエージェントと共闘して勝利するというなんとも締まらない初陣を飾ったのであった。
 その後余りの疲労と初めて能力を使った反動かみっともなくその場で気絶した俺をエージェントがUGNの施設へ運び、目覚めたその場でこの力や変貌していた世界云々をその支部で一番偉いらしいお姉さんから教えて貰った。
 正直全然その場じゃ飲み込め無かったし家に帰ってから3日ぐらい夜に一人で泣いてたけど、まぁ形はなんであれ一応命の恩人なので苦虫を噛み潰したかのような顔でお礼(に見せかけて全然罵倒)をしに来た妹の一言で、俺は泣いてる場合ではなくなってしまった。
 オーヴァードには共通してワーディングという能力が備わっているらしく、その鎮静作用は一般の人間から判断能力やらを奪い無害化させる物らしいのだが、あの夜に彼女が一人だけで動けていたようにどうやらあの日の記憶が彼女にはあるらしい。
 もしかしたら、この力に妹も覚醒してしまったかもしれない。
 俺は急いであの日の無茶をかなり辛口で咎める彼女を誘拐に近い形でUGNへ連行し、訳も分からず俺にチョークスリーパーをかけようとしている彼女の検査を依頼した。
 検査の結果、どうやら彼女はワーディングが効かない特異体質のようで、一般の生活に戻れるように記憶処理等の処置が必要だが、お前が気をつけている限りは一般人として暮らせるとの事で、一応本人の希望があれば記憶処理を施さず関係者として迎え入れる事も可能らしいが、俺は勿論記憶処理を強く勧めた、こんな記憶、忘れている方がずっと幸せだからだ。
 だがあろう事か彼女は記憶処理を断固拒否し、下手になんかしよう物なら兄に命令して施設を破壊するとまだ言い出した。
 実行犯俺かよ、巻き込むんじゃねぇよ。
 ただの逆張りなら引っ叩くぞと強めに脅したが、どうやらその意思は硬いらしい。後で聞いた話によると「貴方に助けられたなんて汚名を自分だけ忘れるぐらいなら覚えて生きて行きたい」とのことらしい。妙に漢らしいのなんなんだよ。あと汚名ってなんだよ。
 そんなこんなで学校内でレネゲイド関連の事件がないか、そのような噂が出回っていないかを調べる密偵のような役割を与えられた妹は、年頃らしく張り切ってその業務と中学生の二足の草鞋を履きこなしていた。
 一方俺はと言うと、秘密組織なんて言われるとロマンがあるが、事ある事に任務に呼び出されて学校生活が立ち行かなくなるのはやっぱ嫌だし、実情いつ死ぬかもわからん戦いに身を投じる程の勇気は無いので、妹が拾ってきたレネゲイド案件疑いの調査と非常時の戦闘員というテイで草鞋を履き潰す事にした…筈だったのだが、
1.様々な感情や思惑の温床である学校は、レネゲイド案件の温床でもあった
2.そもそも論UGNは慢性的な人手不足に悩まされている正義のブラック企業で、バイト戦士を酷使しなければ回らない程度には忙しかった
3.「困っている人を見過ごせない」という俺自身のかなり損をする性質が、度々予期せぬ方向からレネゲイド案件を引っ張ってくる
主にこの3つの理由のせいで俺の高校生活はレネゲイドと切っても切れない物となり、この2年間で大体キャンペーン1作と単発2〜3作程度の事件に巻き込まれ、その度出来る限りの犠牲を出さないようにその代わりに俺が死にかけていた。
 そんな俺を曲がりなりにも心配してくれていたらしく、ついぞ毒舌と名前呼びが無くなる事はなかったものの兄妹間のわだかまりは解けていき、彼女の毒舌も義理の兄というイレギュラーな関係の俺に対しての素直になりきれない愛情表現のような物だと考えれば、逆に嬉しいとさえ思えるようになってきた。
 愛情表現の筈だ、うん。
 それだけならよかったのだが、俺が派手に死にかけるような事が数度あった後、彼女の態度が少々不自然になってくる。
 どこへいくにも偶然を装って後を付けてくる、四六時中一緒に居ようとする。
 最初は俺をただただ心配しているだけかと思っていたが、追跡性能が異常かつ距離が妙に近い上になんだか言ってる事一つ一つが重い。
 そうして俺達の関係は、ただの兄妹と表現するには拗れたものになっていった。
 なんというか、家族愛と言うには暗く、男女間の恋愛と言うには俺達は綺麗すぎたのだ。
 結局今でもあの関係や感情に名前を付ける事は難しいが、一つだけ明確に出来る事と言えば、別に決して如何わしい意味など何一つなく俺はただひたすらに家族として一人の人間として彼女の事を、
 愛していたのだ。
 あの厳しくも愛らしい妹を。
 心の底から、愛していた。

 ある寒い冬の日、いつものようにひょんな事からトラブルに頭を突っ込んだ俺は、そこにいつも通り偶々通りすがった(らしい)妹がそのいざこざで軽傷を負ったので、自分のせいと言えなくもない以上多少の責任はこちらにあるので、初めて妹を背負って歩いた帰り道の事。
 「乱麻さんって、なんで人助けするんですか?」
  背中から聞こえる控えめな声。
 「なんでって、困ってる人がいたら助けるのが市民の務めだろ?」
 首を傾げながら答えた俺に、鏡花は軽いため息を吐く。
 「そりゃそうかもしれませんけど、乱麻さんのそれは世間一般のお人好しの度を超えてるじゃないですか。」
 「へへっ、褒めても何も出ないぞ?」
 「褒めてるんじゃないです貶してるんですよ馬鹿ですか?脳みそがまだ再生しきって無いんじゃないですか?」
 「そこまで言う!?」
 「…まぁ乱麻さんが馬鹿なのは元からなので置いておいて。なんで貴方は、そんな簡単に誰かの為に命を懸けられるんですか?」
 「なんか聞き捨てならない事を言われた気がするけど…まぁ、なんでなんだろうなぁ…」
 「本当に馬鹿なんですか?」
 「まぁ馬鹿な事してるなとは思ってるよ。俺が無茶したってどうにもならない事だっていくらでもあるし。」
 「…じゃあ、なんでこんな事してるんですか。目についた人誰彼構わず手を貸して、助けを求められれば命を投げ出して、こんな事して貴方に何の徳があるんですか?」
 「…別に、俺は何か欲しかったり、して欲しくてこんな事してる訳じゃないよ。」
 「じゃあなんで、尚更。」
 「うーん。…俺さ、産まれてすぐに母さん死んで、周りから心配される事も良くあったけど、それと同じぐらい風当たりも強かったんだよ。」
 「なんですか急に不幸自慢ですか?私の父はよそに女作った挙句それがバレたら蒸発しましたよ?」
 「あー違う違う、話は最後まで聞けよ。んでそうやって辛かった時、それでも誰かが助けてくれるって、自分は一人じゃないって。そう考えてた。」
 「それで実際助けて貰えましたか?」
 「全然。周りの奴らは自分の事で精一杯で、枠組みから外れないように必死だったから、俺を助けてくれる人なんて誰もいなかった。」
 「だからさ、俺は誰にもそんな思いして欲しくないんだよ。」
 「どんなに辛い状況でも、自分はひとりぼっちだって感じても、必ず何処かにはそいつの幸せを願ってる奴がいるし、声を出せば誰かが必ず助けてくれるって、そういう風に思ってくれればいいなって、思うんだ。」
 「…理想論ですね。それに、自分勝手。」
 「わかってるよ。それでも、俺は勝手に人を助ける。それが俺の、生きる意味だから。」
 「そうですか。」

 「…やめちゃえばいいのに。

 降り頻る雪を踏み締める音に掻き消される程小さなその呟きを、レネゲイドによって強化された俺の聴覚ははっきりと聞き取っていた。
 だけど、聞こえない振りをした。
 きっと、そうするべきじゃなかったんだ。
 あの時、無理矢理にでも聞き返していれば。
 あの時、きちんと"それ"に向き合っていれば。
 しかし、全てはもう遅い。

 あいつはもう、いないのだから。

悔想

 アイツ義妹の様子がおかしくなったのは、いつ頃からだっただろう。
 初めは小さな変化だった、例えば俺への罵詈雑言に「死」を想起させるような言葉を使わなくなったり、俺が怪我して帰った日は、いつもより口数が少なくなったり。
 心配自体は前からしてくれていた。少々口調や方法が過激だったような気もするが、それもまた心配の裏返しと言う事だろう。
 気絶させた挙句監禁はちょっとやり過ぎな気もしたが。
 とはいえこの程度の対応は日時茶飯事だった為、さして気にする事もなく、妹がこんなに心配してくれるだなんて兄冥利に尽きるなぁなんて考えていた訳だったのだが、
 俺が馬鹿だった。
 愚かだった。
 取り返しのつかない事を、してしまっていた。
 中学生にしては妙に大人びていたアイツの背伸びに甘えて、その奥にある弱さからずっと目を逸らしていた。
 そのツケがやってきたのは、ある任務帰りの夜だった。
 久しぶりの大規模レネゲイド案件、支部長達の援護もありながら想定以上の数と力に押し込まれ、幸いにも犠牲は出なかったものの辛勝と言った所。
 任務が伝達された時点でかなりの危険が予想されていた為覚悟は出来ていたが、リザレクトによるゴリ押しもあって満身創痍ながらも生還した、その帰り。
 俺は悩んでいた。アイツはこれでも中々かわいい所があり、俺が向こう見ずな行動で死にかけたりこう言った危険に自ら脚を突っ込むとそれはそれは大層機嫌を悪くするので、これがまたマスターエージェントよりも怖い。
 何より今日は二人で出掛ける約束をしており、それをドタキャンする形で危険な任務に飛び出してしまった為、出発前からかなりご立腹の様子だった。この調子だと説教は確定として、最悪リンチの可能性もある。
 何より彼女はただ俺の無事を祈ってくれているだけなのだから、反論の余地もなく大層気まずい。
 確かに俺は自分を後回しにしているかもしれないが、その結果誰かが一人でも多く助かるのならそれは多少致し方ない事だと思っている。もちろん自分の価値も考えた上でだ。
 俺が死んだらきっと誰かが悲しむ、それでも俺は同じ理由で誰かが悲しんでいる所を見たくはないんだ。
 そんな事言っても火に油だろうななどと考えていたら、いつのまにか家に着いてしまっていた。
 時刻は午前4時を回っており、明日も平日だと言うのに、まだ感覚が戻らない脚を引き摺りながら憂鬱に玄関のドアノブを捻ったその先には、真っ赤に泣き腫らした目でこちらを見上げる義妹の姿があった。
 「鏡花ちゃ…」
こちらが困惑混じりに放った一声は、腕を広げもたれかかってくる彼女の重みで中断される。

 「…ごめんなさい」

 「えっ?」

 「ごめんなさい、あの、本当にごめんなさい。あれは心の底から言った訳じゃなくて、そう思ってた訳じゃなくてそれでも不安になっちゃってごめんなさい」

 「きょ、鏡花ちゃん…?」

「ごめんなさい、ごめんなさい乱麻さんなら帰ってくるって信じてたけどそれでも怖くてずっと不安になっちゃって」
 「良かった」
 「っいきててよかったぁ…」

 この時俺は思い出した、任務に出る前、怒りが最高潮に達した彼女が俺に放った最後の一言

 「そんなに町の平和が大事なら、ヒーローごっこでもしてとっとと死んできてくださいよ」

 そうか、この子は、ずっと後悔していたのか。
 あの時吐いた捨て台詞が、現実になったらどうしようと、一人で苦しみ続けていたのか。
 俺の身勝手な行動は、
 こんなにも不安にさせて、こんなにも悲しませて、こんなにも追い詰めていたのか。
 そう気付いた瞬間、様々な事実が俺の肩に重くのしかかり、気付けば互いにもたれあうようにして、俺は鏡花ちゃんを抱きしめていた。

 「俺こそごめんな」
 「不安にさせて、ごめん」

 「いいんです」
 「できるだけ、できるだけ側にいてくれたら、」
 「それで、それだけで、いいから」

 擦れた声で呟く彼女の言葉が頭を反響する。
 そこから先の記憶は曖昧で、布団の中で泣き疲れた彼女の頭を撫でながら、その暖かさにどうしようもない脆さを感じて、全てを投げ出してしまいたくなった事だけを覚えている。

 きっと、それが正解だった。
 あの時全て投げ出していれば。
 英雄ごっこを辞めていれば。
 自分の事にもっと気を配っていれば。
 全てがもう遅いと知ったのは、腕の中で冷たくなっていく彼女を抱えた時だった。

 状況は最悪だった。
 戦えるのは俺一人、敵も強く、剣を折られ間合いを見失い、反撃に出るつもりが逆に相手の反撃を許してしまった。
 重い一撃が来る、きっとモロに受ければ死ぬだろう。
 だが、死ぬだけで済む。死ぬだけなら、おれは何度でも立ち上がれる。
 そう、死ぬだけで済んだ筈だった。
 俺の目の前に、死んで済まない人間が飛び込んでくるまでは、

 「っ鏡花ちゃん…!!!!!!!!」

 冬の寒い夜だった。降り頻る雪に噴き出す鮮血が混じり、目の前を鮮やかに染め上げる。

 後ろへ吹き飛び小さな体が地面に叩きつけられ、俺は思わず駆け寄り抱き抱える。
 漏れる白い息はか細く、まるで彼女の命の灯火を表しているかのようだった。

 「なんで…なんでこんなこと…鏡花ちゃん…」

 「…わかってます。余計なことしたって、こと、は」

 「違う!!違う余計な事なんかじゃない!!でも!!!」

 「でも、これでいいんです」
 「これで、良かった」

 「良い訳ないだろ!!」

 血に濡れた小さな手で、震えたでて俺の頬を撫でて、彼女は続ける。

 「もうそんな顔見たくなくて、でも寂しくて一緒にいたくて」
 「でもそれじゃだめってわかってたんです」

 「そんな…そんな事ないよ、大丈夫、ずっと一緒にいるから!!鏡花ちゃん!!!」

 必死に肉体を錬成し傷を塞ぐ、だがわかっていた。出血が多過ぎる。
 オーヴァードにでも覚醒しなければ、この致命傷は治らない。俺の技術じゃせいぜい余命を数十秒伸ばすのが精一杯だ。

 「なんで…!?これだけのレネゲイドと瀕死の状況ならいつ覚醒してもおかしくないのに…!兆候ならずっとあったのに……クソっ!畜生…!!畜生!!!!」

 あの日起きた奇跡を必死に願いながら、これまで一番恐れていた出来事を必死に祈るも、腕の中の小さな命は、その役目を正常に終えようとしていた。

 「ありがとう」
 「素直になれない私を、ずっと好きでいてくれて」
 「側で、見守ってくれて」
 「でも、もう大丈夫だから」

 「嫌だ、嫌だ…嫌だ嫌だ鏡花ちゃん!!ねぇ!鏡花ちゃん!!!」

 「いままでずっとありがとう、

 「ぐっぅううううわあぁぁぁぁぁぁぁぁ"ぁ"ぁ"ぁ"

 おにいちゃん」

 あ"あ"あ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 真っ赤に染まった深雪に拳を叩き付ける、その音に掻き消されそうな程小さなその呟きを、俺は俺自身の叫び声で遮ってしまった。
 でも、それで良かったのかもしれない。
 きっと、きっとそれを聞いてしまったら
 それを受け止めてしまったら
 受け入れてしまったら
 俺は、二度と元の俺に戻る事が出来なくなってしまう
 そんな気がしたんだ

想失
イメソン

LISA「REALiZE」
いよわ「IMAWNOKIWA」
losstime life「不老不死」

他(N)PCについて

・夏帆ちゃん
友達、頑張って背伸びしてるけどやっぱり子供なんだなぁって思う時がある
なんかめちゃくちゃ俺に厳しいんだけどツンデレなのかな?都築ちゃんと楽しく話してるのが羨ましいのかもしれない、言ってくれればいいのに…
俺は誓ってロリコンでもドMでもないが、彼女との辛口なやり取りはどこか懐かしい気持ちになれるので結構悪くないと思っている
お菓子食べる?
・支部長
やばい人、やばい事を除くとものすごく真っ当にいい大人なんだけど、どうしてもやばい事を認識から外せないからやばい人以外の評価が出来ない
あの一件知ってるし暫く任務拒否ってたからそこそこ気まずいんだけど、全く気にしてなさそうなのはあの人なりの気遣いなのかそれとも何も考えていないのか
プリキュアは一緒に観に行くんでせめてコスプレは初代ぐらいの大人しめな奴にしてください
・夢愛ちゃん
友達?何というか、別に嫌われてる訳じゃないんだろうけどよそよそしさが凄い
現役J○アイドルって聞くと大変そうだなって思うし何なら本部エージェントの三足のわらじでめちゃくちゃ大変そうだけど、誰かの夢になれる仕事って素敵だと思うから無理せず頑張ってほしい
今度からライブ行くね、都築ちゃん達も連れて
あと霧谷さんの話になるとなんか雰囲気怖くなるね、恋は盲目って奴かな

セッション履歴

No. 日付 タイトル 経験点 GM 参加者
フルスクラッチ作成 0
追加経験点+EE用 24
1 隕石が落ちた夜 32 やもさん やきぺんささるり

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