「プロジェクト・アダムカドモン」の研究プロジェクトにおいて生み出された人工遺産のひとつ。
　ジャーム化のメカニズムを解析し、ジャーム化したオーヴァードを元に戻そうと目指すこの研究だったが、研究者たちはそれを探る最中である問題にぶち当たった。
　ジャーム化するトリッカーは一体何なのか、と。
　侵蝕率が一定値を超えた時か、しかし、侵蝕率がかなり安定区より上回っても成功に帰還したオーヴァードもいる。
　人との"絆"を忘却した時か、しかし、それを数値化するのは難しい。
　常に脳の記憶域活動状況を監視し、レネゲイドの侵蝕率も同時に観測すればそれを特定できるではなかろうか、と、一部の研究者たちが着目し、それに適する装置を作ろうとした。
　……しかし研究が途中から狂った末、出来上がったのは「ジャーム化のタイミングを特定し、ジャーム化するまたはしようとするオーヴァードを喰らい、取り込む」という恐ろしい性質を持つ人工遺産"ゆいしきの鳥"だった。