名家に生まれ、幼少期からヴァイオリンの英才教育を受けて育った少女。
両親は著名な音楽家であり、彼女に対しても厳しい期待を寄せていた。
しかし、コンクールでは結果を残せず、努力は報われない日々が続いた。

そんな彼女の人生が変わったのは、ある少年との出会いだった。
貧しいながらもピアノの才能に恵まれた少年は、舞台での連奏のために菫と出会い、彼女に「好きに演奏すればいい」と告げる。
その言葉に救われた菫は、初めて音楽を「楽しい」と感じることができた。

少年との交流を通じて、菫の演奏は次第に上達し、ついにコンクールで入賞。
記念の演奏会で少年を招待し、彼に自分の音を届けようとしたその瞬間、悲劇が起こる。
演奏の直前、頭上からシャンデリアが落下し、菫は下敷きに。
会場は火災に包まれ、混乱の中で彼女は命を落とした——はずだった。

目を覚ました菫は、オーヴァードとして覚醒していた。
覚醒のショックで暴走し、UGNのエージェントを蹴散らして逃亡。
その姿はまるで音の嵐のようであり、彼女はジャームとして認定され、追われる身となる。

逃亡の末、FHセル「Cacciatora」に拾われ、現在はウェイトレスとして働きつつ、時々覆面バイオリニストとして活動している。
本名「墨谷 菫」は既に死亡扱いとなっており、UGNから身を隠しながら今の彼女は"｜Vivace Viola《ヴィヴァーチェ・ヴィオラ》"として生きている。

極度の緊張や瀕死の重傷に追い込まれると暴走状態となり、彼女の体内から超振動が発せられ周囲一帯を破壊し尽くす。
その状態だと敵味方の区別もつかないため人為的に起動させるには注意が必要。

・会員制トラットリア"Cacciatora"で不定期に覆面バイオリニストとして演奏会をしている。
・本名は「｜墨谷 菫《すみや すみれ》」だが、表向きこの名前の少女は既に死亡していることになっている。