設定・その他メモ

300年程を生きている貴種。かつては人間を下等な種として見ていたが、それは一つの出会いによって覆される。
アナスタシア・アジャーエヴァ。
惜しみなく他者に慈愛を注ぐ彼女と過ごすうち、レオは人を愛する事を知った。
アナスタシアと心を通わせたレオは、以来、人を守る道を選ぶことになる。
愛する者との穏やかな日々。
しかし、それも長くは続かなかった。
人間達から異端と見做されたアナスタシアは守っていたはずの彼らに糾弾され、投獄されてしまう。
レオが駆けつけた時には遅く、彼女は死の淵に立たされていた。
苦しむ彼女を救おうと、レオはアナスタシアを血族に招き入れようとするが、柔らかく微笑まれ拒否される。
代わりに願われたのは彼女を楽にする事と、
「人を嫌いにならないで」という約束。

彼女の笑顔と約束を呪いに。彼は喪失を抱えて生きていくことになる。

転機は極東の地での出会い。
失ったはずの感情を逆撫でする男と、愛した者と同じ笑みを浮かべる女。
あの日交わした約束と共に止まったはずの時間が動き出した。