ゆとシートⅡ for BLP(ブラッドパス) - ゆと工公式鯖

遺骨の鉛棺 ヴェルセリア - ゆとシートⅡ for BLP(ブラッドパス) - ゆと工公式鯖

遺骨の鉛棺 ヴェルセリアいこつのなまくわ ヴぇるせりあ

プレイヤー:Nagatsuki

ファクター
吸血鬼
起源
鬼物
流儀
群団
練度
2
能力値
12
6
副能力値
耐久値
42=(12+20)+5+5
先制値
8=(6+4)-2
外見年齢/実年齢
-/300
性別
不詳
所属
フリーランス
過去
戦災遺失
戦争により紛失したと思われていた。実際は見ての通りだ
経緯
相互利用
欠落
静寂
棺は本来話さないだろう
外見的特徴
棺桶
姿そのままである
住まい
所有者と同じ
所有者と同じ
使用武器
自身
棺桶
傷号
亡国騎士の誇り

…俺が助けてやる。

信念/職能
研人/狩人
年齢
37
性別
喪失
愛情

痕印

位置
背面
形状
相手からの感情1
興味
相手からの感情2
隔たり
約束
「王を見つけたとき――その遺骨を、私の中に納めよ」

血威

名称タイミング対象解説
【絶命共撃(ナイトレイド)】 いつでも 単体 あなたと[パートナー]で1枚ずつ手札を捨てる。対象の[捨てたカードの数値の合計]以下の[生命カード]1枚を破壊する。
【敵切妖途(デッドヒート)】 攻撃 単体※ 対象の[生命カード]1枚を、スートと数値を無視して破壊する。
【千手読詰(チェックメイト)】 いつでも 単体(血盟)あなたの<特技>宣言時に使用する。その<特技>を[対象:場面(選択)]に変更する。

特技

名称タイミング対象代償条件解説
武器攻撃 攻撃 単体 手札1枚 なし 7以下の[生命カード]1枚を破壊する。(P.176)
【血研ぎ】 調査 自身 ハート1枚 シナリオ1回 あなたの[調査]の代わりに使用する。あなたの[調査力]は0になるが、あなたとパートナーが「最終決戦フェイズ」に<特技>て破壊できる「生命カード」の値に+2する。パートナーは【耐久力】を5点失う
【千年在りて】 常時 自身 なし なし あなたの【先制値】を-2する。また、あなたが受けるダメージを4点軽減する
【鞘当て】 開始 単体 手札1枚 なし 対象は[ラウンド終了]まで[対象;単体]の<特技>を使用する際、必ずあなたを対象とする。
マイアーツ 常時 自身 なし なし あなたの【耐久値】に+5し、<特技>と≪血威≫で破壊できる[生命カード]の数値に+1する
傷号:亡国騎士の誇り 解説参照 単体※ 絵札1枚 シナリオ1回 対象が[ダメージを与える]効果の<特技>の宣言時に使用する。 その<特技>の対象を[あなた(単体)]に変更する。 [対象:場面(選択)]など複数を対象とした<特技>を変更しても、ダメージは一人分になる点に注意

設定・その他メモ

ヴェルセリアは、かつて栄えた吸血鬼の王国・イレリア王国において、王家直属の葬礼具として鋳造された。
王ミリアン・ラグナ=ヴァン=ヴァロアの死を予見した巫女たちが、「この器にだけは王の遺骨を納めよ」と命じ、血と銀と誓いによって魂を持つ器として生まれた。

「この棺に眠る者は、二度と戦場に立たせない。
ただ土へ還り、静寂のなかで弔われるべし」

棺としての誇り。
棺としての使命。
棺としての“完成”は、死を納めることにこそあった。


王の斬首。
遺体の強奪。
騎士団の分断と虐殺。
血で染まったイレリアの玉座。

そして――

彼女は、“空のまま”城の深奥に遺された。
誰も弔う者はいない。
王は還らない。
騎士たちは全滅し、敵の術者たちによって遺体は素材へと変えられていく。

静寂。
深い、深い沈黙。
それこそが“ただの棺”に与えられた、唯一の意味だった。

そうして彼女は、“棺としての役目を果たせず”、
ただ静かに、百年、二百年と腐らぬ器のまま城の奥で息を殺していた。


城跡に足を踏み入れた、一人の埋葬騎士がいた。
かつての騎士団の末裔。
王の最期を弔うべく、残骸の城へとやって来た。

彼は王の名を呼び、
血を流し、
そして――

「この棺に、王を納めたかった。
……せめて、おまえだけでも、連れ帰る」

そのとき、
血が滲んだ指が、棺に触れた。

それは、たった一滴の血だった。

それは、指先をかすめた傷だった。

それは、忘れられた祈りの残響だった。

──彼が手を触れたとき。
銀の棺に染み込んだその血は、棺そのものの“空虚”と混ざり、静かに、だが確かに、何かを目覚めさせた。

棺に宿った“空白の記憶”。
それは死者のものではなく、死者を納められなかった者の記憶だった。

使命を果たせなかった痛み。
誓いを裏切ったという羞恥。
死者に顔向けできぬ悔恨。
けれど、それでも終われない、未完の埋葬者としての本能。

そしてその想いが、銀と鉛でできた器の中で、人格と魂に変わった。


本来、棺とは沈黙するために作られたもの。
棺に意思などあってはならない。
語る必要などない。
ただ静かに、死を抱いて眠るべきなのだ。

だが今、ヴェルセリアには“声”があった。
死者の代わりに語り、
失われた魂の記憶を再現し、
沈黙よりも、「悼む声」を選んでしまった。

「わたしは棺。
誰かを納めることでしか、存在を証せない。
けれどこの空は、
……誰かの祈りで、埋まってしまったのね」

それが呪いであっても、
それがもはや“棺”と呼べぬ姿であっても、
彼女は進む。

次こそは、納めたい。
名前を持ったまま死んでいった者を。
弔われることのなかった魂を。

そして――
いつかまた、あの王の骨にたどり着くその日まで。

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