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"咎人"ルビー

　盗賊のような身なりをした軽戦士。短剣と鞭を組み合わせた戦い方を好む。
　ヒューリンのふりをしているが、その正体は妖魔だ。異形として"見えざる手"が発現しており、それが彼女の強さを支えている。
　過去に大きなトラウマを抱えており、精神的に打たれ弱い。だが壮絶な経験は彼女の感性を歪めてしまった。
　今は逃避のただ中にあり、故郷へは戻れない。"咎人"だと自ら称するが、その詳細は積極的には語ろうとしない。

外見的特徴

　白い肌と白い髪、そして宝石のような赤い瞳を持つ女。色素の異常もまた発現した異形の内かは不明だが、よくよくとみれば一般的なヒューリンとは異なる雰囲気を持っている。背格好はヒューリンの成人女性とそう変わらない。また、かつての戦闘で負傷した部分を錬金術にて補強している。

人柄

　口よりもすぐに手が出るタイプ。頭は良くなく基本的に気も短いが、言い争うような事も自ら仕掛けるような事もしない。
　基本的にタメ口。話し方は素っ気ないが、多少の気遣いはできる。
　背負った過去故に自罰的で自己肯定感が低い。

　一人称：私　二人称：お前　口調：タメ口

戦闘方法

　アースランから伝来した技術である、瘴気の力を刻印で制御するルイネーターの技術をベースとした遊撃白兵戦闘を好む。
　よく扱う得物は短剣と鞭。アームズクリスタルの扱いにも習熟しており、単純な白兵戦闘においても戦術の引き出しが多い。
　もともとは傭兵団を率いていたというが、作戦立案や陣頭指揮の才覚はない。

過去の物語(ライフパス詳細)

　本名はザスキア・フォン・ハンスタイン。グランフェルデン王国の門閥貴族、ハンスタイン家に引き取られた孤児だった。
　成人後はハンスタイン家を後援とした傭兵団を組織し、荒くれや元冒険者らを仲間として加えいくつかの仕事をこなしていた。大変なこともあったが、仲間たちと駆けたその日々は楽しいものだった。お人好しの馬鹿ばかりで、やることは無茶苦茶だが芯は通っていて……だが、そんな日常は長く続かなかった。
　
　ある時、傭兵団はハンスタイン家の私兵から情報を受け驚愕した。私兵は語る。隣国の街でグランフェルデン王国領内の集落の襲撃計画が企てられているのだと。当然、その情報の正確性は疑った。だが傭兵団が調査しても計画の裏が取れるばかり。今手を打たなければ多くの王国民に危険が迫ってしまう……。そして彼女は決断したのだ。傭兵団は先制してその隣国の街を襲撃、そして多くの命を奪い、仲間達にも奪わせた。

　事件後、彼女らと傭兵団は王国へと送還され全メンバーの極刑が言い渡された。裁判の場では、隣国にはそのような襲撃計画など存在せず、ただ私達傭兵団の暴走によって引き起こされた虐殺だったのだと語られている。状況が呑み込めず狼狽している中で、さらにハンスタイン卿が証言を行なった。娘として育ててきた私が、妖魔王の血縁だと言うのだ。幼くして王国に潜入し、周囲を騙してきた怪物なのだとも。何を言っているのか、その時は全く分からなかった。まともな反論もできない内に立たされた絞首台の上で見た景色を覚えている。民衆は怪物を見るような目で私達を見て、罵声と石を浴びせた。……それから先のことはよく覚えていない。ただ、私の異形が発現し、そのおかげで逃げおおせたということだけだ。

　遠く聞く風のうわさによれば、その後王国と隣国の関係性は悪化。傭兵団の処刑では事態を収拾できず、そのまま戦争状態に入ってしまったらしい。全て……私のせいなのか？だとしたらどうやって償えばいい。これは贖いようの無い罪だ。

　仲間の多くは殺されてしまったが、私と同じように逃げられた者も少なからずいるはずだ。だが、出会えばきっと私は殺されてしまうだろう。彼らからしたら私は正体を隠していた妖魔で、無辜の民を殺させた憎悪の対象なのだから。それに、同盟領内で手配書が回ってしまった。この地にはもう居場所などないのだと、懸賞金付きの手配書を見るたびに強くそう思わされた。多くの罪を背負いながらも、自決せずただ汚く生き残ろうというこの性根もまた、妖魔の血の故なのだろうか。水面に移る妖魔の顔に嫌悪感が募っていく。いったい私は何者なんだ。何のために生まれ、何のために……。だが確かなこともあった。ルビーと名を変えた逃避の旅は、今なお続いているということだけだ。

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