容姿・経歴・その他メモ

エリンとは異なる世界からやって来た『霊夢』。
しかし、どうしてこの世界に降り立ったのか全く覚えていない。。。

結晶体である彼女は「壁」を超える霊体の力で世界各地を彷徨い続けた。

ある時、マジェラニカ大陸を浮遊していたところ”グレムリンの幼女”が火山地帯で倒れているのが目に入った。
すぐ傍には父親と思われるグレムリンが息絶え、母親であるグレムリンがこちらに気づいて訴えかけている。

『ああっ、女神様！！どうか私たちの子をお救い下さい！！！！』

見たところ神官のようだ。この世界に来る前に自分も神官であったことで”奇妙な繋がり”を感じた。
これまでも死人や倒れている者を何人も見てきたが、決して関わることのなかった彼女の足が止まる。

気が付けば幼女の傍らに寄り添っている自分がいた。ふと横に目をやると母親は息を引き取っていた。

幼女の意識はなく、呼吸も浅い。このまま放っておけば確実にこの子は「死」に連れ去られてしまうだろう。。。
幼女の額に手を当て記憶を辿った。。。


ー幼女の記憶ー

多種多様な自然環境が溢れる「マジェラニカ大陸」。
この広い大陸において、ごく僅かに存在している人間をはじめとする多種族の住む生存圏で”機械工”を生業とする血気盛んな父親と、御淑やかな”神官”の母親の間に生まれた『レム』。

父親はいつも大きな声で圏内の仲間たちと楽しそうに会話をしながら機械をいじっていた。
母親は子守歌代わりに神の御言葉を聞かせてくれた。亡くなったご先祖様と繋がることが出来るらしい。

『死んだらどうなるの？』
『ママが死んでもこのお歌でお話できる？』

この地域で機械をはじめとする人工物はとても貴重で父親の仕事は重宝された。また、母親の力は圏外で活動する者たちの治癒や助力など大きな支えとなっていた。
しかしそれをよく思わなかった”悪しき者”の裏切りによって、両親はマジェラニカの自然に呑まれ最期の力で娘だけを逃がすことができた。

ー記憶の終わりー


家族を失い衰弱した幼女は何も知らぬまま死を迎えるだけの存在。

自分と似た境遇のレム。。。ひとつ違うのは幼女は自分と違って無力な存在であること。
何もできない彼女に同情してなのか？、、、それともただ話し相手が欲しかったのか？

霊夢は決心する。自分の持てる”霊力”を使い目の前に横たわる幼女を乗っ取るのではなく『共存』しようと、、、。青白い光に包まれて二人の精神が静かに交わる。

レム：『だぁれ？』

霊夢：『、、、。』

レム：『、、、ママ？』

霊夢：『、、、（頷く）。』


目が覚めるとレムは密林の奥深くに座っていた。霊夢が安全な場所まで歩いてきたのだ。

しかし、過酷な自然環境だけでなく魔獣や怪物が闊歩するこの大陸では圏外で生きていくのは至難の業だった。圏内に戻る選択肢もあったが今のままでは裏切り者の危険がある。

途方に暮れていると大きな魔獣が目の前にいることに気が付いた。
目の前に来るまで気づかなかったことを悔やむ霊夢。力の差は歴然だ、、、。せっかく生かした命もここで尽きて自分も消えてしまうのだろう。。。

しかしそんな思いとは裏腹にレムが無邪気な笑顔で魔獣に近づき頭を撫でた。

霊夢：『近づいちゃダメ！！、、、逃げて！！！！』

レム：『大丈夫だよママ。悪い子じゃないもん。』

魔獣：『、、、一人か？』

霊夢：『、、、エッ！？（しゃべれるの？？）』

レム：『ううん。ママも一緒だよ！』

魔獣：『、、、。（レムの頭上に目をやる）』

レム：『もしかして、あなたはパパ？』


霊夢は魔獣の佇まいと知性からただならぬ力を感じ取っていた。そこには大きくて温かい心があることが直感で分かる。それは間違っていなかった。魔獣はテレパシーを使って自分にだけ語りかけてきた。
これまでの自分たちの記憶を見てレムに応える魔獣。

魔獣：『ああ、よく頑張ったなレム！』

レム：『ママもパパも変な恰好！でもレム嬉しい！！』


それからしばらく三人の奇妙な家族生活が始まった。
魔獣は父親として自分たちを守る為にこの大陸で生き抜くための知恵と技術を授けてくれた。
霊夢は母親として神官の知識と力を共有した。

そして月日が経つ中でレム自身が実の父親譲りの器用な手先と技術力に目覚めて、この大陸独自の錬金術である「庭園術」を習得した。何の因果か？地形を自在に変えるこの力は実の両親を死に追いやった力であった。

それからさらに数年の月日が流れて魔獣＝父親は寿命で息を引き取った。。。

悲しみに暮れる二人。
レムは成長に伴って薄々気づいていた。魔獣と霊夢が本当の両親ではないことに、、、。
しかし、そんなことは気にしていなかった。三人で過ごした時間はいつも楽しくかけがえのないものだったから。
ただ一つ許せなかったのは”己の無力さ”。
自分にもっと力があれば両親や魔獣を救えたかもしれない。。。
彼女は力を求めて強者を探す旅に出る決心をする。

霊夢はこれまで共に暮らしてきた魔獣がいなくなった喪失感で生きる目的を失ってしまった。
今はただレムの気の赴くままに寄り添い続けている。

レム：『もっと強くなるんだもん！』
霊夢：『あなたの生きたいところへ行きましょう。。。』

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