地球によく似た、しかしどこかディストピアな異界からリエンへ“転生（リジェネ―ト）”した“人工妖精（フェアリー・オートマトン）”。「周囲の生物が生きやすい環境を創る」ことを使命として生まれた存在であり、リエンにおける庭園術の技術を習得している。元の世界に帰る意志は無く、自身を雇用したクオン商会に所属する人間の活動をバックアップしている。

　温暖化によるオゾン層の崩壊によって、惑星の大気構成が変化。昆虫や植物を中心に、巨大化、凶暴化といった急速な進化を遂げる。人類（フィフィネラから見てヒューリンと大差ない種族）は、人口の8割を失いながらもシェルターを建設し、残り少ない生存圏を死守している。

異界の人類が造り出した“人造生物（ホムンクルス）”。フィフィネラの他に数体の姉妹が存在し、それぞれコンセプトが異なる。
フィフィネラのコンセプトは“地球化（テラフォーミング）”であり、人類およびその家畜が生存することに適した環境の創造を目的としている。他の姉妹も人類にとって有益なコンセプトで造られている。多分。

累計で十数回、異世界転移を経験している（数が確定できないのは忘れている世界がある気がするとのこと）。大抵どの世界もその世界のことをエリンと呼んでいたが、一番永く居た世界はエリンによく似ててちょっと違う世界だったという。

今回の転移先はエリンディル大陸西方・北部にあるヴァイス。ヴァイス王城の庭園に不時着し、一時は賊の容疑をかけられて捕縛されたりしたが、現在は次期王女であるエルシアの側近メリアローズの部下として従事している。

この度、フィフィネラはエルシアの書状と開拓団への入団申請書を持ってプリムスへと訪れた。
エルシアからの書状には身分の証明と団員への推薦の末尾に「彼女はきっと今の開拓団にとっての利になるはずです。」と書かれていたが、当人自身も、何故自身が送られて来たのか正確なところは分かっていない。
ただし、現状、氷原の大地に適応していない状態でも称号帯冒険者クラスのポテンシャルを発揮し、人間（妖精や妖精、竜以外）には献身的に対応するため、即戦力なのは間違いない。