容姿・経歴・その他メモ

目つきが悪い、口が悪い、態度が悪いの三拍子が揃ったヤニカスシスター。
自由に生きるために気に入らないものはぶっ壊す…ための手段は意外とクリミー任せ。ブレーキ役が居ないせいで普通に道徳のラインを飛び越えることもしばしば。



　いつからだろうか。自分をクズだと思うようになったのは。
　いつからだろうか。人生をつまらないものだと感じるようになったのは。
　産まれた頃からずっと聞かされてきたあの言葉。いつまで経っても頭から離れないあの言葉が、アタシの存在を否定する。
「白き髪、白き肌、太陽に愛されぬは忌み子の証。」

　―――また祈祷の時間がやってきやがった。神の教えを説くふりで、無知な子供に歪んだ思想を植え付ける。部屋中に蔓延した甘ったるい匂いが思考力を奪って、洗脳された子供はいつしか思想を植え付ける側になっていく。そんなクソみてぇな時間だ。
　アタシはたまたま体質のおかげかなんか知らねぇが、匂いを嗅いでもマトモなままだ。だが、それをいいことだと思ったことはない。さっさと考えるのをやめてあっち側に行っちまえた方が楽だとさえ思えた。
　祈祷を終えた後は労働の時間だ。ガキ共は自分が何をしてるかもわからずに非合法なことに手を染めてる。どうにか洗脳されずに育ったアタシ達みたいな奴らもそれが分かってたところでどうしようもねぇ。愛想のないアタシなんかは歯向かおうとしなくたって蹴られ殴られやりたい放題だ。特異な見た目が見せしめに丁度いいってのもあるんだろうな。
　まあそうやってクズはクズらしい生き方をするしかない。これがアタシが十四年間生きてきた人生の教訓だ。唯一の楽しみと言えば、こっそり孤児院を抜け出してくすねた煙草を吹かすことくらい。今日もそうして近場の森ん中で一服していた。
　そんな時だった。目の前で何かが爆ぜて、でかい音と煙が上がる。内心驚いたが、すぐに口から出たのは落胆の舌打ちだった。
「…チッ。」
　その場から立ち上がって歩き出す。何もかもがつまらない。気に食わない。きっと、こうして悪態をつきながら、最後はどうでもいいような他人の勝手な理由で死ぬことになるんだろうな。自由なんてどこにもありゃしない。
「Heyそこの彼女！随分とつまらなそうな顔をしているわね？」
　不意に何処からともなく声をかけられた。振り向けば、そこにはムカつくドヤ顔の小さな妖精がいた。腰に手を当て自身に満ちた表情でこっちを見つめるこの妖精が、アタシの退屈も不満も全部ぶっ壊しちまうようなヤツだなんて、この時は思ってもみなかった。
　そう、この時からアタシの人生は動き出したんだ。自由を追い求めるアタシとコイツの冒険が。

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