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ウェルドラス

　白髪の長身痩躯。どこかやつれた顔の若きエルダナーンの男性。
　ヴィオレンサ王国の王子ギーゼグールに忠誠を誓う神官である。

　性格：忠誠心が高く生真面目。戦闘時など熱くなるとややテンションが高くなる。ムッツリスケベ。策略家でもあり、王子の覇道を成すと言う大願を成就するために手段を選ばぬ節があり、周囲から反感を買い易い。

　一人称：私　二人称：貴公、陛下　口調：敬語(王子限定)とタメ口を使い分ける(多少の世渡りはできるので危険な場面ではやや不服そうに敬語は使える)
　夢：王子に覇業を成さしめること　嫌いなもの：王子に不敬な存在、圧政者、外敵、雨、寒さ、痛み、飢え、暴漢

忠誠の道

「ギーゼグール王子こそ世を統べるに相応しい真の支配者となられる方だ。だが、覇道を成すためには臣下の力もまた欠かせぬもの。例え我が身が王子に厭われてでも、その覇道と大願を成させるためであればどんな事でも致しましょう」
　ギーゼグール王子に揺るがぬ忠誠を誓うが、王子の持つ甘さや不足も十分に理解している。覇業の為に自らを含めた臣下は王子を支えるべきであると考えており、時には王子が望まぬ助言をも行なうことがある。

戦闘において

　武器持つ戦士に多重の魔術をかけて支援する後衛。聖職者であるが信仰よりも魔術の扱いに長けている。ユグドラシルの技術にも知見があり、効率的に魔術を強化し、その適用範囲を広げる。
　

来歴、王子との邂逅

　犯罪が絶えず、暴力と死とが日常的だった貧民窟で生まれ育ったエルダナーン。
　ならず者であった両親を早くに亡くし、物乞いやスリによりかろうじて生きながらえてきた。貧民窟の人口のほとんどはヒューリンの地域である。故にウェルドラスは陰惨な種族差別の標的ともなった。

　ある時、旅の巡礼者から聞いた神々の物語に勇気付けられ、見様見真似の末に聖職者として育った。いつか神々や神話の英雄が私を救ってくださるのだと、そう信じる他なかったのだ。

　ある冬の事だ。その年は特に寒く、貧民窟全体で餓死者を多く出してしまう。ウェルドラスもまた餓死寸前まで追い込まれるも、王子ギーゼグールが手を差し伸べ一命をとりとめる事となる。その手を取った時、ウェルドラスは直感したのだ。このお方こそかつて夢に見た神話の英雄なのだと。

ウェルドラスの心、同志たるメルヴィアスとの対談

　ウェルドラスは猜疑心に満ちながらも、自身にないカリスマを持つギーゼグールを敬愛しており、彼に覇業を成さしめる為に忠誠を示している。それは従軍し始めてから今に至るまで変わらぬ態度だ。しかし……。
「だが、私はこのままでよいのだろうか？　ギーゼグール陛下は尊敬に値する方だ。それは現在でも変わらぬ。だが、私が成したいのはギーゼグール陛下による乱れた今の世の統治であり、忠誠を成すことそのものではない。もし陛下が私心に溺れ、道を誤ってそれでよしとするならば、私がとるべき選択は……」
　信頼を寄せるメルヴィアスに、ウェルドラスは心の内を打ち明けてしまった。一人で抱えられる葛藤ではない。共に陛下へと知恵を貸すメルヴィアスであれば、わかってもらえると判断したのだ。
「あのルジュリーズという女に会ってからというもの、陛下の様子は尋常ではない。お世継ぎがお生まれになるのはよいことだ。しかし、本来民草に、国家全体へと向けられるべきあの方の眼差しが……どうにもあの女に注がれているように思えてならぬのだ」

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