幼い頃に、両親を失った。
残されたのはしばらくは生きていけるだけのお金と、冒険者としての道具。
そして、三丁の魔導銃。
悲しむ暇などなかった。
あなたは必死に、魔導銃の技術を身に着けながら、冒険者として生きていくことを決めた。

グロリアが14歳になった時のこと。
ちょっとしたミスで、依頼中に命の危機に陥った。
こんなとこで死にたくない。そう思いながらも体は動かない。
その時、銃声が聞こえた。
音のした方を見ると、腰から多数の魔導銃を下げた男。
男はまるでジャグリングのように次々と銃を取り換え、連射。瞬く間に魔獣を仕留めてしまった。

それ以来、グロリアは男に付きまとうようになる。
弟子にしてくれ！と言っても何も答えない。けれど、追い返そうともしない。
グロリアは必死に彼の技術を見て盗もうとした。

グロリアが18歳になった時、男は何も言わずにふらりと姿を消した。
元々グロリアに興味がなかったのか、それとももう教えることはないと判断したのかはわからない。
しかし、グロリアの手には確かに彼の技術が受け継がれていた。
多数の魔導銃を自在に操る男の足元にも及ばない。
しかし、グロリア自身の手で見出したグロリアだけの技「トリプルガンズ」。
グロリアは、その技を自信へと変え、またひとりで生きていくことを決めた。

魔導銃使いの男と別れてしばらくした後、グロリアは教会でひとつの募集を見つける。
「氷原開拓団」
最近、冒険者や学者たちの間で話題となっていたのは知っていた。
曰く、高い実力がないと入団することすら許されないという。
腕試しにちょうどいい。
グロリアはその募集を手に取って、試験の場へと向かった。

結果、グロリアは試験を難なく突破。
開拓団のメンバーへと迎え入れられた。

―あまりの寒さに来たことを少し後悔したが。