本名：ルーカス・ベネット

実は聖都が秘密裏に所持する軍事力の一端、秘密部隊“長き腕”に代々属する闇の一族の生まれ。神に仇なす者・神殿の意に沿わない者を秘密裏に断罪していた。

が、その過激なやり方に疑問を抱き、ある事件をきっかけに一族を出奔。名前を変えて冒険者になる。

片腕を覆う包帯は一族の証である刺青を隠している。魔術的なものである事から取ることは難しく、また本人にとっての『罪の証』でもある為、消すつもりはない。

「…神よ。どうか罪深き我が身を許したもうな」
「…神の子として。私は…何を為すべきなのか」
「分かっている。これは私が見つけなければならない事。だから、冒険者となったのだ」

大剣はどうしても一族の行いを受け入れる事ができず、それでも一族として力を振るわねばならない時に取った苦肉の策。その大剣の一閃は余りに早く鋭い。その為、痛みなく殺す事ができる“断罪のギロチン”代わりだった。
その為、大剣の扱い・間合いに一番慣れている。また、過去の己のシンボルであった為、その力でこそこの迷いを乗り越えるべきだと思っている。

冒険者、としての第一歩は護衛依頼からだった。当初は神官一人の護衛予定だったが、他の実力者と共に巡礼者や商人たちの集団を護衛することに。正直、ありがたかった。特にギルドを組むことができる仲間ができたのは、この予定外のおかげだ。お調子者で目を離せないところもあるが、天真爛漫かつ素直なルフレ。起動したばかりということもあって知識欲旺盛なピーノ。真っすぐで善良、正義感も溢れるトラウム。本当に…俺にはもったいない位の仲間だ。どうか、彼らの行く先に幸いがありますように。

彼らはとても善良です。当たり前に人に寄り添い、当たり前に力を貸し合える。…打算まみれで偽善的な自分とは違う。彼らはこちらにも優しいと言うけれど…いつか、その化けの皮が破れた時、なんて言うのでしょう

騎士団と少しの繋がりを持つことになった。副団長ゴズベリ…その、少しばかり大雑把なところはあるが、その実力はかなりのものだ。民を守る意思も強く、騎士としての理想図に近いのだろう。信用に値するだろうし、ピーノは特に尊敬の目を向けていた。初依頼であるトロウル退治。キング個体を沈め、宝物も手に入れることができた。まずまずの出来だろう。…トラウムは善良だが、少し熱くなりやすいようだ。とはいえ忠言を聞いて、受け入れてくれる。やはり、ギルドリーダーがトラウムでよかった。一先ず、次の依頼の際はルフレの行動に注意しておかねば。彼女の気質はトラブルや危険も呼びかねないところがありそうだから

『困っている人がいるなら断る理由はない』…トラウム、貴方は本当に、すごい人ですね。だからこそ、どうか命を大事にしてください。…ハハ、随分と偉そうに。私が言えた義理など、本当はないのに。命を奪う側なのに

ピーノがゴズベリ様の所で修行をしている間、依頼を一つ受けた。しっかり管理されている墓地に、アンデットの出現が続いているようだった。緊急であることも加味し、騎士団からやってきた騎士：アートと共に、依頼を受けることになった。結論。どうやら神官の遺品が防衛装置に屠られた盗人の血液により反応。周囲の遺体を目覚めさせるに相成ったようだ。…防衛装置であるガーゴイルキメラも強力だったが、アンデットたちによる数の暴力が本当に厄介だった。アート氏の防衛能力が高かったことと、遺品である魔導書の破壊でなんとかことが収まったのは不幸中の幸いだった。…放置しておくのも危険と判断して、遺品である禁書のページは手にしたが…さて、これはどう処理したものか

かの神官はどんな思いからあの禁書を手に眠りについたのでしょうか。封印の為か、あるいは…いや、下手な勘繰りは止しておきましょう。今は安らかに眠ることが出来ているはずでしょうから。…かつて私達に消された彼らは、安らかに眠れてなどいないのでしょうね、きっと。どうか、その御霊が少しでも安らかであるように。救われる日が訪れて下さいますように。…ふふ、結局自分勝手ですね