ゆとシートⅡ for AR2E - ゆと工公式鯖

フィークァ - ゆとシートⅡ for AR2E - ゆと工公式鯖

鱶鰭丸(フカヒレマル)フィークァ

プレイヤー:へたれ

う~ん、オレってば今日も超絶絶好調!

メインクラス
エクスプローラー
サポートクラス
ニンジャ
称号クラス
種族
フィルボル
年齢
14
性別

成長点

使用
491
残り
59
総計
550
キャラクター
レベル
10
HP
90
MP
91
フェイト
5
/使用上限: 5
能力
基本値
能力
ボーナス
クラス修正
メイン/サポート
スキル
能力値 スキル
判定
+ダイス数
筋力 12 4 4 4+2D
器用 9 3 1 1 5 5+2D
敏捷 24 8 2 1 1 12 12+3D
知力 7 2 1 3 3+2D
感知 9 3 2 5 5+2D
精神 20 6 6 6+2D
幸運 17 5 5 5+2D

ライフパス

出身地
エリンディル大陸東方
出自 忠義を重んじる暗殺者の一族。次代を担う後継者の一人として厳しく育てられた。
影の血族
境遇 家業に嫌気が差し、家を飛び出した。汚れ仕事よりも華々しい冒険に憧れている。
逃亡
目的 新しい景色、人、運命。全ての出会いは導きであり道程である。いつか終わりが来る日に、思い出すものが色鮮やかな生き様であるように。
出会い
装備品 重量 命中
修正
攻撃力 回避
修正
物理
防御力
魔法
防御力
行動
修正
移動
修正
射程 備考
右手 忍刀「風来」 3 0 6 0 0 0 1 0 至近
短剣/刀/双
左手 忍刀「枝垂桜」 5 0 10 0 0 0 0 0 至近
短剣/刀/双
頭部 風音の帽子(敏捷のクリスタル) 2 0 0 2 0 0 0 0
パッシブ。【行動値】+2。フィルボル専用。
胴部 フィルボトラベルジャケット(回避のクリスタル) 3 0 0 2 4 0 0 0
パッシブ。【行動値】+2。フィルボル専用。
補助防具 フィルボバックラー 3 0 0 2 9 0 0 1
パッシブ。【行動値】+2。種別:盾と同時に装備できない。フィルボル専用。
装身具 高級忍具 1 0 0 0 0 0 0 0
パッシブ。ムーブ、マイナーアクションのニンジャのスキルの効果中、攻撃のダメージ+4
合計 武器 8/12 0 0 6 10 6 13 0 1 1
防具 9/12
戦闘 命中
判定
【器用】
攻撃力 回避
判定
【敏捷】
物理
防御力
魔法
防御力
【精神】
行動値
【敏捷】
+【感知】
移動力
【筋力】+5
スキル
バタフライダンス、アームズマスタリー、スペシャライズ
1 1
ダイス数修正 1 1
回避のクリスタル、風音の帽子、フィルボトラベルジャケット
1 6
蝶の巻物:命中判定でクリティカルした際、ダメージに+1D
ダイス数修正
合計+ダイス数 6+3D 17+2D 19+4D 13 6 24 10

特殊な判定

スキル その他 合計+ダイス数
トラップ探知(【感知】) 1 6 +2D
トラップ解除(【器用】) 1 6 +2D
危険感知(【感知】) 1 6 +2D
エネミー識別(【知力】) 3 +2D
スキル その他 合計+ダイス数
アイテム鑑定(【知力】) 3 +2D
魔術判定(【知力】) 3 +2D
呪歌判定(【精神】) 6 +2D
錬金術判定(【器用】) 5 +2D

スキル

取得元 分類 名称 Lv タイミング 判定 対象 射程
コスト
使用条件
シーフ ビースティング 3 メジャーアクション 命中判定 範囲(選択) 武器 4
対象に武器攻撃。その命中判定に+(SL+1)D。クリティカル:ダイスロール増加
シーフ ワイドアタック 1 メジャーアクション 命中判定 範囲(選択) 武器 4
対象に武器攻撃。対象が2体以上の場合、ダメージ+(SL*2)。クリティカル:ダイスロール増加
シーフ ドッジムーブ 3 効果参照 自動成功 自身 2 盾非装備
回避判定と同時使用。達成値に+(SL+2)。
シーフ インタラプト 1 効果参照 自動成功 単体 視界 シーフ、シナリオ1回
対象が「タイミング:パッシブ、アイテム」以外のスキルの使用を宣言したときに使用可能。その効果の発揮と持続をさせず、即座に終了させる。
シーフ アンビデクスタリティ 1 パッシブ 自身 短剣・鞭装備
両手の武器の「命中修正」「攻撃力」「行動修正」を合計した「装備部位:双」の武器として扱う。
シーフ アームズマスタリー:短剣 1 パッシブ 自身 短剣使用
短剣による命中判定に+1D
シーフ バタフライダンス 1 パッシブ 自身
回避判定に+1D
シーフ スペシャライズ:短剣 1 パッシブ 自身 短剣使用
短剣による命中判定+SL、ダメージ+SL
ニンジャ ブラッディフィート 1 マイナーアクション 自動成功 自身 5
攻撃の命中判定に+1D。メインプロセス終了まで持続。
ニンジャ 魔術〈光〉 イメージボディ 1 セットアッププロセス 魔術判定 自身 5
回避判定の達成値に+(SL*2)。ラウンド終了まで持続。
ニンジャ シークレットアーツ 4 判定直後 自動成功 自身 5 シナリオSL回
命中判定の直後に使用可能。そのダイスを3個以下まで振り直す。結果6が二つ以上でクリティカル。
ニンジャ ミラーアタック 1 判定直後 自動成功 自身
攻撃の判定の直後に使用。フェイト3点消費。命中判定のダイスの一つを6にする。結果、6が二つ以上ならばクリティカルとなる。
ニンジャ デスブロウ 3 DR直前 自動成功 自身 5 シーン1回
命中判定でクリティカルしたダメージロールの直前に使用可能。ダメージ+(SL*10)
ニンジャ マーダースキル 5 パッシブ 自身
命中判定でクリティカルした場合、さらに+(SL+1)D
エクス
プローラー
アフターイメージ 1 ムーブアクション 自動成功 自身 12
武器攻撃の命中判定+1D。回避判定+1D。シーン終了まで持続。
エクス
プローラー
インテュイション 1 パッシブ 自身
【敏捷】判定に+1D
種族 ラッキースター 1 パッシブ
メイキング
自身
キャラクター作成時に【幸運基本値】+3
種族 リラックス 1 パッシブ 自身
作動させたトラップが要求する判定に+2
種族 スウィフティ 1 セットアッププロセス 自動成功 自身
戦闘移動、離脱を行う。エンゲージが封鎖されている場合、離脱不可。
一般 キャッチアウト 1 効果参照 自動成功 単体 視界 5 シナリオSL回
対象が「タイミング:メジャー」で行うスキルを使用したメインプロセスの直後に使用可能。以降、対象が行うそのスキルに対するリアクションの判定+2D。シーン終了まで持続。
一般 ウェポンチェンジ 1 ムーブアクション 自動成功 自身 4
「装備部位:右」「装備部位:左」に装備しているアイテムを携帯品とし、別のアイテムを装備する。
一般 ストリートワイズ 1 パッシブ 自身
情報収集を【幸運】判定で行う。その判定に+1D
一般 シックスセンス 1 パッシブ 自身
奇襲攻撃を受けた際、判定に-1Dされない。
一般 アンチトラップ 1 パッシブ 自身
トラップ探知、トラップ解除、危険感知の判定に+1。作動させたトラップが要求する判定の達成値に+2。
一般 アスレチック 1 パッシブ 自身
登攀や跳躍を行う【筋力】判定+1D
一般 トレーニング:筋力 1 パッシブ 自身
筋力の能力基本値を+3
一般 トレーニング:敏捷 1 パッシブ 自身
敏捷の能力基本値を+3
一般 ロール クリミナルハンドⅠ 1 メジャーアクション 自動成功 単体※ 視界 シナリオ1回
フェイト1点消費。対象を知り合いであったことにし、一つ頼み事をできる。
一般 ロール クリミナルハンドⅡ 1 メジャーアクション 自動成功 効果参照 効果参照 シナリオ1回
フェイト1点消費。情報を偽装、隠蔽できる。暴く際はCL+10の判定に成功する必要がある。

スキルLv合計[32/32] / 一般スキルLv合計[10]

携帯重量/携帯可能重量
13 / 19
所持金
5935 G

携行品・所持品

-収納-

バックパック0
ベルトポーチ0
小道具入れ(ロープ、ランタン、火打ち石、筆記用具、チョーク)0
ウェポンフォルダー(市民用補助機装「フレレス」)0
シースベルト(マグスのナイフ、ミスリルダガー、シノビのコヅカ、ダンシングナイフ)@0

-道具-

冒険者セット(野営道具、ロープ、ランタン、火打ち石{小道具入れ})2+0+0+0
筆記用具0(小道具入れ)
チョーク0(小道具入れ)
サカズキ(赤犬じゃない)1
蝶の巻物1

-ポーション-

MPポーション1
ハイHPポーション1
ハイMPポーション*33
どくけし1

-食料-

にく1

-武器・防具-

シーフズツール1

マグスのナイフ(シースベルト)0

プレゼントとして送られたナイフ。刻まれた文字は、"Fill"と読む。
「心の隙間を埋めてくれるように、願いを込めてみたよ。」

ミスリルダガー(シースベルト)0
シノビのコヅカ(シースベルト)0
ダンシングナイフ(シースベルト)0
市民用補助機装「フレレス」(ウェポンホルダー)0

-呪符-

惜別符1

-戦利品-
-思い出-

スノウサンド0

所属ギルド
―――
ギルドマスター
ナルセ

コネクション

関係
くま ズッ友

容姿・経歴・その他メモ

性格・概要

シリアスもできる!天真爛漫なニンジャガール!

ハチャメチャやらかすムードメーカー、且つナルシスト。
一人称は「オレ」
騒動や勝負事が大好きで色々なことに首を突っ込みがち。一人ではどこまでも突っ走るが、意外と仲間が引くときは一緒に引く。
暗殺を生業とするニンジャ一家に生まれたが、人殺しを良しとせず家出。ボロの筏で無茶な航海をし、奇跡的にエリンディル西方へたどり着く。現在の旅の目的は、ダイワの実家にカチコミに行くこと。
何も考えていないようで他人のことをよく見ている。
ちなみに、よく昼寝や朝寝坊をしているが実は全部狸寝入り。

ライフパス

影の血族

 わたしの名はシルフィー・クァド・カスカ。あるダイミョウに仕えるニンジャ一族「カスカ家」の四女として生を受けた。
 わたしは四姉妹の末女であったけれど、幸か不幸か姉妹それぞれが才に恵まれたことから、わたしも後継者の一人として厳しく育てられた。そうした教育は苦ではなかった。いや、そもそもこの時のわたしは何を思っていたのだろうか。それを思い返すことはできない。この時のわたしは感情というものが欠落していたのだ。
 そんなわたしが十歳を迎える頃、父からあることを告げられた。
「シル、お前は感情が希薄過ぎる。技の修行は一旦休み、街で様々な人間に触れてきなさい。」
「…人を殺すのに、感情が必要なのですか?」
「そうだ。」
「…わかりました。」
 こうしてわたしは街の寺子屋へ通うこととなった。そこには歳の近い子どもが多く居たが、皆、わたしと違って無邪気に笑い、我儘に怒り、時には涙を流していた。
 わたしにはその全てがわからなかった。まるでわたしだけが何か別の生き物であるかのようにさえ思えたが、それを悲しむこともできなかった。
 ある日のことだった。いつも通り、教室の隅から人々を眺めていると、不意に声をかけられた。
「お前、いっつも退屈そうだな。」
 目の前に現れたのは一人の少年。
「どうせ暇なら、おれの話し相手になってくれないか?」
「…話し相手なら、他に沢山いる。」
 そうして他の子ども達に視線を送るが、目の前の少年は首を横に振った。
「おいおい、おれはお前と話したいんだ。折角勇気を出して口説きに来たんだぜ?ちょっとくらいは汲み取ってくれよ。」
 わざとらしくため息をつきながら、わたしの横に座ってくる。
「さあ、まずは自己紹介からだな。おれはチザクラ サイ。これからお前の親友になる男だ!」

 それからというものの、サイという少年はわたしに付き纏ってきた。
 好き勝手に喋り倒し、こちらの言葉に聞く耳を持たないかと思ったら、揚げ足を取るように挑発的な言葉を投げかけてきたりもする。
 このサイに対して、わたしはいつの間にか、自らさえも気付かない内に、面倒だという一つの"感情"を持っていた。そして、それに最初に気付いたのは、まさかのサイであった。
「お前、いい顔するようになったなぁ。その面倒臭そうな顔。おれは嬉しいぜ。」
「…面倒だと思われるのは嫌悪を抱かれている証拠だと学んだ。嬉しいという感想はおかしい。」
「"おかしい"ねぇ。そりゃおれにとっちゃ褒め言葉さ。それに、お前が他の奴らに無関心なのを考えれば、嫌悪されてるおれの方が特別って訳だろ?嬉しいに決まってるじゃあないか。」
 そう、本当におかしいやつだ。わたしはこいつに対してだけ、色々なことを思うようになった。嫌悪に始まり、怒り、呆れ、そして…。
「そういえば、お前の名前ってダイワにしては珍しいよな。」
「…それがどうかしたのか。」
「いやいや、どうにも名前のあとに姓がくるのに慣れなくてよ。どうせだからなんか良いあだ名を考えてやろうと思ってな。」
「…勝手にしろ。」
「お、じゃあ今日からお前は『フィークァ』だ!我ながらいいセンスだろう?」
「………。」
「なんだよー。気に食わねぇのか?折角おれのオリジナルヒーローの名前から取ってやったってのに。」
「…意味不明。」
「まあそう言うなって。おれが考えた最強の英雄『鱶鰭丸』について熱く語り合おうじゃないか。」
「…センスなし。」
 それ以来、サイはわたしをフィークァと呼ぶようになった。わたしがそれを強く拒まなかったのは、きっと面倒だったからだろう。…そうに決まっている。

 ある夕暮れのことだった。いつも通り、馬鹿な武勇伝をまくしたてるサイを軽くあしらっていると、サイは少し声色を変えて、話し始めた。
「なあ、お前にだけ話したいことがあるんだ。」
「…いつもわたしにばかり喋りかけている癖に。今更前置きなんて、気でも触れたのか。」
「ははっ、そうかもな。まあその気が触れた奴の戯言だと思って聞いてくれよ。おれは…」
「おれは前世の記憶があるんだ。」
「………。」
「アーシアンって言うんだっけか。別世界で過ごしてたのに何がきっかけかこの世界に来ちまう。そんな奴らがいるらしい。おれはその中でも"転生者"とかいうのなんだとさ。」
 すぐにそれが本当のことだと思った。いつものふざけた調子ではなく、真剣味を含んだサイの声がそう感じさせた。
「おれは、こっちに来る前はちょっとした病気みたいなもんでよ。文字通り世界が色褪せて見えてたんだよ。空も地面も人の顔も、全部が全部、色なんてない。そもそも色なんてもんがあるなんて信じてなかった。周りの人間が寄ってたかって嘘を付いてるんじゃないかとすら思ってたよ。」
「でもな、こっちに来て、目を開いて、初めて知ったんだ。世界の色を。」
「感動したよ。心の底から。それで思ったんだ。この世界を何処までも自分の目で確かめてやりたいって。」
 そう言ってどこか遠くを見つめるサイが何を思っているのか、言葉にはできなかったが、少しわかるような気がした。
「まあ、悪どい武家の長男に生まれちまったせいで、この土地から離れられそうにねぇんだけどな。ははっ!」
 快活に笑うサイの表情が作り物であることは疑いようがなかった。
 サイの父親は、権力を手に入れるためなら何でもする男だった。非合法な取引に強引な徴税、従わぬ者は躊躇わず斬る。そんな魔の手は息子であるサイにまで及び、彼の着物の下は新しい刀傷を増やし続けていた。
 サイはその傷を隠し、それに気付かない人々は彼のことを憎み、軽蔑していた。サイはそんな人々に弁明などせず、ただ怒りのはけ口として罵詈雑言や暴力を受け止めていた。
「少し話がズレちまったか。おれが言いたかったのはこんなことじゃなくて…」
 照れくさそうににしながら言葉に詰まるサイは、少しして意を決したように真っ直ぐにわたしを見つめた。
「まあその、そんな色がついた世界で、一番鮮やかに見えたのがお前だったんだよ。」
「………。」
「お、おいおい、格好つけて決めゼリフ言ったってのに無反応はねぇだろー!」
「…うるさい馬鹿。」
 この時抱いた感情の正体を、わたしは知らないふりをした。

 父から呼び出されたのは、サイと話をした翌日だった。
「シル、初仕事だ。」
「………。」
「お前に任せたいのはこの男だ。」
「………!」
 父が見せてきた人相書きに描かれていたのはサイの父親だった。
「チザクラ シザンを殺せ。」

 その夜は新月だった。チザクラ家の屋敷に忍び込み、サイの父親「シザン」が一人になるのを待っていた。
 わたしはこれが運命だと思っていた。シザンを殺し、サイを自由にする。これはわたしにしかできないことなのだと。
 そんなわたしに、機は訪れた。シザンが家来たちと別れ、一人でどこかへと向かっていくのだ。息を潜め、跡を追う。シザンは一つの部屋に入ると、ゆっくりと戸を閉めた。
 わたしはここで止めを刺すべく、部屋の様子を覗いた。すると、そこにはサイの姿があった。
 シザンはゆっくりと刀を抜き、刃をサイへと向ける。そんな光景が目の前に広がっている。わたしは、何かを考えるよりも先に、引き抜いた小刀をシザンへ突き刺していた。
「がっ…!」
 シザンは倒れ、そこには血に塗れたわたしとサイが居た。
「な…なんで…。」
「………。」
 わたしは何も言わなかった。けれど、その場をあとにすることもできず、ただ立ち尽くした。それは数秒の出来事であったが、わたしには無限にも感じられる時間だった。それほどまでに、わたしは動揺と焦燥でいっぱいだった。
 だからだろう。倒れているシザンが、刀を握りしめているままだということに気付かなかったのは。
「死ねぇっ!!」
 刀が振り下ろされる。だが、その刃がわたしを切り裂くことはなかった。
「フィー…クァ…」
 目の前には、サイがいた。彼は優しく微笑むと、わたしの手から小刀を取り上げた。
「う…うおおおおお!!」
 サイが雄叫びを上げ、シザンへ飛びかかる。突き出された小刀はシザンの胸へと吸い込まれる。呆然と立ち尽くすわたしの目の前で、サイは自らの父親の命を奪った。
 そして、シザンの亡骸の上に覆いかぶさるようにサイもまた倒れた。
「サイ…!」
 駆け寄り、サイを仰向けにする。そこには、先程と変わらぬ優しい笑顔があった。
「やっと…、名前…呼んでくれたな…。」
「…どうして!」
「惚れた女を…護るのに…、理由なんか…いらねぇだろ…。」
「…っ!」
「ははっ…、にしても…驚きだぜ…。お前に…会えるなんてよ…。」
「…もう喋るな!」
「いいだろ…。最後くらい…。」
「…黙れって!」
「いいから…聞けよ。…おれは…、どうせ死んでたんだ…。お前が…来てくれなきゃ…、クソ親父に斬り殺されてた…。ははっ…、全く…最悪だぜ…。」
「でもよ…、クソ親父じゃなくって…、お前の顔見て死ねるんだ…。こんなに最高なことが…他にあるか?」
「…お願いだから…それ以上…っ!」
「泣き顔…初めて見たぜ…。どうせなら…、笑顔が…見たかった…けどな。…ああそうだ…、おれは…お前に…ずっと…、笑って…欲し…かっ…た…」
 それ以上、サイが喋ることはなかった。

 どれだけ経っただろうか。部屋に籠もったわたしのもとへ父が訪ねてきた。
「…シル、お前宛だ。」
 そう言って父は一通の手紙を残していった。ちらと手紙に視線をやると、そこには「サイ」という文字が記されていた。
 わたしは縋るように手紙を手に取った。

「フィークァへ
 ちゃんとした手紙を書くなんざ初めてだからな。面倒な挨拶なんかはよくわからねぇし省略させてもらうぜ。
 さて、これをお前が読んでる頃には、おれはこの世とおさらばしてるんだが、そのことでお前が泣いてると思うとどうにもな…。まあ、お前の泣き顔なんて想像もつかねぇけど。
 んでだ。そんなお前に伝えておきたいことがある。本当は真っ向から言いたかったんだが、おれにはその度胸がなかったらしい。
 まあつまりは、おれはお前のことが好きだって話だ。
 …いうて文字でもかなり恥ずかしいな。ってそうじゃなくて、それだけじゃないんだ。
 おれが転生者だって話はしただろ?だからさ、またおれはなんか生まれ変われるんじゃねぇかって思うんだよ。 馬鹿な話だと思うか?でも、おれはそんな馬鹿な可能性に賭けてでも、お前にまた会いたい。また会って、今度はこの気持ちを言葉で伝えたい。
 おれは、お前が何処にいたってお前のもとに行く。だから、自由に生きろ。好きな場所に行って、好きなことをしろ。そんで、お前がこの世界のことを見てくれ。おれの代わりに、色んな世界を見て、感じて、出会って、最高の思い出話を、再会したおれに聞かせてくれよ。
 ま、おれの要件はそんだけだ。あ、次会うときまでにもっといい女になっとけよ!
 それじゃ、またな。フィークァ。
サイより」

 わたしは気付いていた。本当は、初めて会ったときからそうだった。わたしはサイに憧れていた。感情のないふりをして、ずっと隠していた。ずっと、ずっと…
「わたしも…、好きだよ…馬鹿…!」

逃亡

「…これで何度目だ?」
 父がため息混じりに問い質す。それは叱責というより諦観の意をはらんでいる。
「私達の使命は暗殺。だが、お前に任せたはずの目標は今や全て牢屋の中だ。」
「………。」
「これ以上見逃すことはできん。何も語らないというならば、それ相応の対処をしなければならない。」
「…自由になりたいのです。」
「…話してみなさい。」
「カスカとしての使命は理解しています。ですが、人を殺めた先に自由はあるのでしょうか。それすら失ってしまったら、わたしはもう…。」
「使命を擲ってまで手にしたその先に、何がある?」
 言葉が出ない。自らの心の内を探っても、答えは見つからない。
「…わかりません。ただ、そう在りたいと思うのです。」
「…暫く頭を冷やしなさい。」

 蝋燭の火が格子の向こうで揺れる。座敷牢の中で淡々と一つの考えが巡るが、成すべき答えへと辿り着くことはない。
 ふと、小さな気配を感じた。
「お利口さんだったお前がこんなとこに放り込まれるなんてな。」
「…サラ姉様。」
 目の前に姿を表したのはサラミィー・ユニ・カスカ。カスカ家四姉妹の長女、わたしの姉だ。
「シル、お前の考えはアタシにはわからん。サッパリだ。だがな、何がどうあれ今のお前にアタシはホッとしてるんだ。」
「…?」
「お前は昔から聞き分けが良かった。あのままのお前なら、躊躇いなく人を殺すことができたろう。ただ言われるがまま、な。」
 その通りだ。父は心が必要だと言ったが、それを知ってしまったことでわたしはこうしている。使命を達するためというならば、わたしの心は枷でしかないのではないだろうか。
「アタシはな、覚悟が大事だと思ってんだよ。誰かを生かすのも、殺すのも、そう選択する"覚悟"がな。」
「…わたしに在るのでしょうか。」
「さあな。もう一度言うが、お前の考えはアタシにはサッパリだ。それでも、お前が悩んでるってのだけはわかる。それはお前がお前の意思で何かを選ぼうとしてるってことだろ。」
「…わかりません。」
「お前はそれでいいさ。少なくともアタシはそう思ってる。…だが、他の奴らは待ってくれないみたいなんだがな。」
 その言葉と同時に格子の鍵が開かれた。手を引かれ、牢を出る。
「お前が牢屋にぶち込んだ奴の一人がな、脱走して人を殺した。」
「…!」
「気にすんなってのは無理な話だろうが、後悔よりも先にケジメを付けなきゃいけねぇ。」
 火を灯したように朱く染まる瞳が真っ直ぐとわたしを見つめる。
「シル。お前に課せられた選択は、カスカの使命を全うするか、ここでアタシに殺されるかだ。」
「…、わたしは…。」
「待った。さっきも言ったろ。アタシは、お前に悩んだ末に選んで欲しいのさ。だから…」
「ここでさよならだ。」
 姉のその言葉を最後に、わたしの意識は途絶えた。

―――

 暗い、冷たい、ここは…、わたしは…。
『…大丈夫か?』
 声…。そこに…誰かいるの?
『ああ、ずっと前からな。』
 そうだ、わたしは…行かないと。
『無茶しなさんな。あとはオレに任せとけって。』
 …あなたは…誰?
『オレか?うーん、そうだなぁ…。あ!よし、あれでいくか!コホンっ、オレは最強の英雄!その名も―――

―――

「父様、これで本当にいいんだよね。」
「…ああ。」
「ったく、末っ子には甘ぇんだからよ。っと。」
「本当に大丈夫なのですか?」
 小さな筏の上に、一人の気を失った少女が横たわっている。
「カスカの者ならこの程度では死にませんよ。」
 筏はゆっくりと岸を離れ、大きく広がる海へと流れていく。
「それに、私の娘ですもの。」

出会い

「ああ…、肉が食いてー。」
 どこまでも広がる青い海に、小さな筏が漂っていた。
「来る日も来る日も魚、魚、時折海藻…。肉が食いたーい!!せめて野菜ー!!」
 釣り糸を垂らしながら、空に向かって叫ぶ少女の独り言は止まらない。
「あーあ、嵐に巻き込まれながらもどうにかこうにか乗り切って、バカでかい魚に襲われながらもギリギリ逃げ切って、他にもその他諸々切り抜けてきたってのに…、いつまで経っても陸が見えねーよぉ!!」
「くっそー!オレの幸運を持ってしても陸はまだ遠いのかー!」
 そう言って仰向けになりじたばたする少女。そんな折、ふと遠くに小さなものが見えた気がした。
「んんー?」
 目を凝らし、水平線の上に浮かぶ何かを見つめる。
「ハッ!あれはっ、まさかっ!!」
 遠くに見えたそれはゆっくりとこちらへ近づいてくる。それは…
「船だー!!」
 そう、大きな船が真っ直ぐと向かってきているのだ。
「おーい!!」
 少女が大きく手を振り、船はどんどん近づいてくる。
「いやー、やっぱりオレってば超絶ラッキーだじぇー!あとは、船に乗せてもらってどっかの島なり大陸なりに…」
 だが、近付く船は少女を乗せた筏目掛け勢いを落とさずに迫る。
「ふぇ?」
 次の瞬間、船に激突された筏は海の藻屑となった。少女は…
「ひえー、あっぶねぇ…。」
 紙一重で跳躍し、船首へと乗り移っていた。
「何すんじゃーコラー!」
「「「あん?」」」
 船の上には、ガラの悪い男達が並んでいた。彼等の視線は全て少女へと向き、眉間には例外なく大きなシワが寄っている。
「んだテメェは!!」
 その中でも一際体格の大きな男が怒鳴り散らす。並大抵の者であれば震え上がりそうなその声に、少女は動じるどころかニヤリと口角を上げ高らかに叫ぶ。
「よくぞ聞いたぁ!!」
「この世の悪とかなんか色々懲らしめて!何処其処のどんな誰々よりも自由に生きる!オレの名は…!」
「フィークァ!!人呼んで!鱶鰭丸様だー!!!」

履歴

ラクダの解体方法を知っている。

「シノビのコヅカ」

セットアップ。使用する際に属性を選択。この武器による武器攻撃のダメージを選択した属性の魔法ダメージに変更する。ラウンド終了まで持続。

「ダンシングナイフ」

回避判定+2

『忍刀「風来」』

《「望郷」》:投射可能。フリーアクション。装備者は指定した地点に転移する。指定できる範囲は、装備者の投射可能範囲内に限られる。この効果は1シーンに2回まで使用可能。
《「空蝉」》:効果参照。回避判定の直後に使用可能。その回避判定を成功したものとして扱う。1シーンに1回使用可能。パッシブ。自身の回避判定の達成値に+3する。

概要

構造は刀と同じであるが、刃の打ち方や鞘の意匠などに西方の短剣らしさが見て取れる短刀。刀身には風の魔術の刻印が施されており、その波紋は常に揺らいでいるようにも見える。
ふと振り向けば、お前を産み抱いた地は遥か遠く。しかして其処は、お前が望んだ場所だ。

『忍刀「枝垂桜」』

《「羨望」》:武器が破壊されたときに宣言する。フェイトを1点消費してその破壊を打ち消す。1シナリオに3回使用可能。
《「満開」》:効果参照。攻撃と同時に使用可能。命中判定に+2Dし、この攻撃によって発生するダメージを貫通ダメージとして扱う。また、この攻撃の命中判定でクリティカルした場合、この攻撃に対するリアクションは自動的に失敗となり、リアクションを使用するスキル、パワー、アイテムは使用できない。1シナリオに1回使用可能。

概要

鞘に桜の花弁と稲妻が描かれた反りの浅い小太刀。どこか懐かしさを感じさせる不思議な雰囲気を持つ。
数ある刀剣の一振りなれど、その身に無二の羨望を宿す。故にこそ、憧れだけは砕けない。

「惜別符」

種別:呪符
価格:ー
鑑定値:ー
効果:
《惜別の涙》
【HP】が0になる攻撃を受けた際、【HP】が1だけ残る。1シナリオに1回だけ使用可能。

《黄泉騙し》
死亡時に使用可能。即座に戦闘不能から回復し、そのシーンの間のみ生きているかのように行動することが出来る。ただし、【HP】は0で固定され、死の事実を覆すことは出来ない。消耗品。

概要

哭女(なきさめ)衆に伝わる呪符の一つ。
死の間際に束の間の猶予を与えるこの呪符は、彼らが支えるナキハサメの慈悲である。冷酷な鬼である事を求められる忍が、せめて人として死ねる様に。

「スノウサンド」

砂漠の砂を何度も擦り合わせることでお互いに研摩し、きめ細かな白いパウダー状にしたもの。
民芸品として売られていることもあるが、小瓶一つ分を作るだけでも非常に長い時間がかかるものである。
そのため多くの場合は、旅立つ親しい者へ“安全祈願”や“離れた地でもこの砂漠を思い出してほしい”と言う願いを込めて贈られることが多い。

この小瓶を耳に当てると、さざ波の音が聞こえてくるような気がする。
きっと、気のせいだろう。

レベルアップ履歴

CL 能力値上昇 クラスチェンジ
or フェイト増加
習得スキル
筋力 器用 敏捷 知力 感知 精神 幸運
1 +3 +1 +1 フィルボル ラッキースター
シーフ ビースティング アンビデクスタリティ アームズマスタリー:短剣
ニンジャ ブラッディフィート マーダースキル
2 ビースティング マーダースキル バタフライダンス
3 ビースティング マーダースキル シークレットアーツ
4 ドッジムーブ マーダースキル シークレットアーツ
5 リラックス マーダースキル ドッジムーブ
6 イメージボディ ミラーアタック ドッジムーブ
7 インタラプト スウィフティ デスブロウ
8 ワイドアタック シークレットアーツ デスブロウ
9 スペシャライズ:短剣 シークレットアーツ デスブロウ
10 エクスプローラー アフターイメージ インテュイション

セッション履歴

No. 日付 タイトル 成長点 上納 ゴールド GM 参加者
キャラクター作成 0 500
山賊討伐 14 400
薬草をさがせ 11 630
テツノヤマノDragon 27 2 970
旅立ちの試練 30 3 900
旅立ち 6
空へ焦がれて 43 4 3,240
激突!!グルメコロシアム!! 55 5 4,000
水面に沈む白亜の塔 70 6 6,220
その仮説に炎を宿して 80 7 4,150
刃が紡ぐ想い 93 8 7,000
夜を照らす光 30 9 6,500
呪い廻る運命の果てに 90 10 1,000
嘘つきの館 65 10
取得総計 550 64 35,510

収支履歴

山賊討伐

ダガー*2::-40
バックラー::-150
シーフズツール::-50
クロスアーマー::-50
冒険者セット::-10
バックパック::-30
HPポーション*2::-60
MPポーション::-50
小道具入れ::-20
筆記用具::-1
チョーク::-1
にく::-20

薬草を探せ!

黒頭巾::-200
ナイフ*4::-40
MPポーション::-50
ベルトポーチ::-15
どくけし*3::-30

鉄のヤマノDragon

クロスアーマー(売却)::25
ローブ::-30
忍具::-500
前金::100
HPポーション::-30

旅立ちの試練

ファインダガー*2::-500
ダガー*2(売却)::40
ローブ(売却)::15
フィルボトラベルジャケット::-600
前金::100

空に焦がれて

おこづかい::500
カジノ勝ち::100
つるはし::-20

激突!!グルメコロシアム!!

バックラー(売却)::75
フィルボリング::-1800
忍具(売却)::250
高級忍具::-1500
黒頭巾(売却)::100
風音の帽子::-300
ファインダガー(売却)::125
ソードブレイカー::-800
MPポーション*3::-150
お小遣い::500
コロシアム賭博::-300
情報量::-200
ごぶりん軍資金配布::-900
傘購入::-3
ごぶりん博打成功報酬::1500

水面に沈む白亜の塔

美味しいハイMPポーション::-400
にく::-20
サカズキ(赤犬じゃない)::-3
ハイHPポーション*2(サービス♡)::-100

その仮説に炎を宿して

ミスリルダガー::-1400
ファインダガー(売却)::125
ホットドッグ::-2
羊皮紙::-5

刃が紡ぐ想い

風音の帽子スロット開通::-300
敏捷のクリスタル::-200
シノビのコヅカ::-9000
ソードブレイカー(売却)::400
蝶の巻物::-2500
ハイMPポーション*2::-600
カジノ::150
情報量::-300
情報量::-100
ハイMPポーション::-300

夜を照らす光

フィルボトラベルジャケットスロット開通::-600
回避のクリスタル::-300
ダンシングナイフ::-2000
シースベルト::-1000

呪い廻る運命の果てに
嘘つきの館

フィルボバックラー::-7500
フィルボリング(売却)::900
おこづかい::500

チャットパレット