母の話で全裸になって攻撃力が一気に上がる人（具体的には「攻撃力1.6倍」とのことだが異世界の言葉は難しくてよく分からない）とともに旅をしたと聞き、その力に近いものを探し、ゲッシュを手に入れるに至った。

母から聞いた「その人」は敵に背を向けなかったと言う。「その人」曰く、敵に背を向けることは死を表すそうだ。具体的には「被ダメージが2倍になる」とのことだが異世界の言葉は難しくてよく分からない。取りあえず敵に背を向けないことを心に誓った。

母は昔から食事の大切さを語っていた。「その人」も傷を負っても食事で癒やしていたという。今の母様と住んでる家の側の泉はアエマの泉と言うらしい。とっても美味しい水で、母様が用意してくれる料理に良く合った。後々にポーションの効きが悪いらしいと聞いたが、普段から肉とか野菜とかを食べていれば困らないので問題ないね！

町中で全裸になってそのまま歩いていたら衛兵という人たちに捕まった。気がついたら「ドレイ」というものになっていて、無理矢理働かされた。母から教えられていない初めての事ばかりで最初は楽しかったけどつまらなくなってきたので出してくれと言っても聞いてくれなかった。毎日のように言っていたんだけど、ある日偉そうな人に同じように言ったらたくさん殴られた。どうしてこんな事をされなくちゃいけないんだ？あぁ...面倒だな...あれは...剣かな？そうだ...「あの人」は剣を使っていたんだっけ...僕も...
そこからは覚えていない。気がつくと、森の中にいた。僕の体にはたくさん血がついていて、手に握っていた剣は半ばから折れていた。そこで、すぐ側から声が聞こえてきた。「クリストフお前凄いな！衛兵とか蹴散らして力業で脱出しちまうなんて！」その男は僕と一緒に捕まっていた奴で、何かにつけ僕の側にいて、僕に対して常識が無いだとかなんだとか言っては色々なことを教えてくれた奴だ。あんまり力が無いように見えるのに他の途中で死んだ奴らとは違ってずっと生きていた。「お前には借りがあるからな！良いことを教えてやる！お前には身分と常識を教えてくれる人たちが周りにいる必要がある。そこで、だ。赤枝騎士団ってところに所属しろ。試練があるって聞くが、お前なら余裕だと思うぜ！」借り？何のことだろう？「まぁ、それは馬鹿力の側にいると楽だったｹﾞﾎﾝｹﾞﾎﾝ...試験を受けられる場所まで一緒に行こうぜ。俺も準備無しで一人じゃ逃げ切れる自信ないしな！」取りあえず次にやることが決まったらしい。その後、町まで同行し、赤枝騎士団の試練を受け、無事に入団に成功した。「じゃあ、ここでお別れだな。また、どこかで会えるかもな！その魂を持ってるならどうせ何かに巻き込まれるだろうしな！」何のことだろう？「いつかわかるさ。またな！」彼の言った言葉の意味が分かったのは冒険者になった後のことであった。
（解説：逃亡したい状況になったものの、不屈の誓いにより背を向けることができず、逃亡者のゲッシュのデメリットの狂戦士化を受け、正面突破して逃げることに成功した。）

ある日、森の中で、怪我をしている動物に出会った。動物と話すことはできなかったけど、肉や野菜はたくさんあったのであげることにした。ちゃんと食べられていたからすぐに良くなるだろう。それからも、歩けるようになるまで、毎日のように会いに行ってはご飯をあげていた。歩けるようになってからもついてきたのでこれも何かの縁と思い、一緒に過ごすことにした。ある日、完治したその子が「乗ってくれ」と言っているように感じたので乗ってみたら、まるで僕はこの子に乗ることが運命のように感じるほどに心地よかった。魂が繋がったすら感じたその瞬間、その子が「エボナプス」と呼ばれる存在であることを知った。名を付けて欲しいと言われた気がした僕は、この子に「ドゥインクラ」と言う名前をつけた。その名前は、母の話で聞いた「その人」の名前の一部で、僕の名前もその一部から取られているという。これで僕たちは家族だ！それから、この子と共に戦い、寝食を共にした。
ある日、ドゥインクラが行きたいところがありそうにしていたので、のんびりと向かうことにした。やや暗い森の中で一カ所光の差し込む場所、そこには鞍があった。それは、まるで最初からドゥインクラに着けられるためにあったかのようにぴったりと合い、これまでよりもさらに二人の一体感が増したように感じた。

森の中を歩いていたら、大きな蛇と出会った。どうやら、「ヨルムンガンド」さんというらしく、お話をしたそうにしていたので、持っていた林檎とかの果物を渡しつつお話をした。どうやら、「生と死の摂理を歪めるもの達を許せない」ということらしく、母の語る「生命の冒涜はしてはいけない」ということと同じだと思い、共感していたら、アンデッドや妖魔、魔族を倒してくれと頼まれた。きっと、母様も喜んでくれるに違いないので引き受けたら、力をもらった。もしかして、ポーションが効きづらいって話を聞いてこれをくれたのだろうか？とっても優しい蛇だったなぁ…

森の中をドゥインクラと共に進んでいたところ、一人の男と出会った。
「こんにちは」
「あぁ？お前はどうしてこんなところにいるんだ？」
「今はこの子と散歩してたんだ」
「へぇ･･･このあたりは詳しいのか？」
「一応？暇があれば歩き回ってたし。美味しい果物とかもよく知ってるよ」
「そうかい」
「そういえばおじさん名前なんて言うの？僕はクリストフって言うんだ」
「あ？顔見てわかんねぇのか？」
「え？有名人？」
「仕方ねぇな。とくと聞け。わしはネヴァーフのディアンじゃ」
「へー。ディアンおじさんね」
「知らんのか。これだから最近の若い奴は･･･」
「いーじゃん別に。もう用がないなら帰るよ。冒険の準備もしなきゃだし」
「なんだお前。冒険者か。なよっとした斧持ってるから木こりかと思ったぞ」
「木とか切ったことないよ･･･枝落とすのとかには使うけど･･･わ･･･おじさんの斧凄い鋭いね。名斧みたい」
「みたいじゃなくて名斧だよ。俺が作ったんだ」
「え？名匠ってこと！？」
「そんなレベルじゃ収まらねぇがまぁ良い。ガキ。この草、見たことあったりするか？」
「ガキじゃなくてクリストフだって･･･えっと･･･似たのを見たことあるなぁ。結構前だから詳しくは思い出せないけど」
「それが必要なんだ。見つけてこい」
「えぇ･･･いいケド、今丁度暇だし」
「それと、それ置いてけ。」
「え？この斧？」
「ああ。多少はマシにしておいてやるよ」
「本当！？助かる！」
「ふん。感謝してむせび泣くが良い。わしはこの木の周りを拠点にしてる。日が落ちるまでに持ってこい」
「ええ･･･結構厳しくない･･･？期待しすぎないでよね」
「はん。ぐだぐだ言わずにさっさと取ってこい」
「うげ～」
クリストフは記憶を思い出しながら、森を歩く。しばらくして記憶似合った位置の周辺に着いた。
「あれ･･･この草･･･だよね･･･？前見たときは光ってなかった気がするけど･･･ま、形は同じだし前は光ってなかっただけか」
日が傾き、空が橙に染まる頃、男の元に戻ってきた。
「おじさーん？取ってきたよ」
「んだよおめぇ、時間ギリギリじゃねぇか」
「結構遠いんだよ！行く前にも言ったじゃん！はい、これで合ってる？」
「ああ。合ってるな。ほら、持ってけ」
「おお･･･！凄い！流石名匠！見違える様だよ！」
「ふん。ガキはさっさと帰るんだな」
「言われなくても！またね！」
そういってクリストフは木々の間へ消えていく。その背を見てディアンは呟く
「また･･･か。その時に俺だって分かるかねぇ」

ある日突然異世界から迷い込んだ存在。右も左も分からない上に、環境も大きく異なる中、異世界の知識を活かしてどうにか生きていたところ、他の妖精達と遭遇。最初は会話すらできなかったが、マジックアイテムで会話をし、異世界から来たことを話した際にその「言語」がこの世界のものでは無いということがわかり、証明に役立った。
その後、異物とされないように配慮したオベロンによって、そばに置かれ、クリストフを出産する。権力争いなどに巻き込まずにクリストフを育てるためにオベロンの下を離れ、アエマの泉のそばに居を構えた。
ほとんど異世界の知識しかないため、幼いクリストフに話せるのはその異世界の英雄の話だけであった。妖精は年齢の概念が緩いとはいえ、実の所イーリスの年齢は2桁無いため、実はそこまでクリストフとの年齢差は無い。

クリスト・F・ドゥインクラという男で、片道勇者TRPGの世界で同PLが操作し、「勇者」として生まれ、世界を救った男。その隣で共にいるNPCが人工妖精「イーリス」といい、クリストフの母である。
片道勇者の世界には勇者のみが使える「ゼヌーラ」と言う魔法があり、これを使うととりあえずアホみたいに強くなる。が、全裸になるというものである。ちなみに、クリストフは防具を着ようと思えば着れるし、服は脱がなくても良いし、発動して全裸になるわけでは無いので未熟だと思っている。
ゲッシュで防具をつけられないと聞いて、これしか思い浮かばなかった。本家では魔法ダメージ半減できるし、回避も上がるしできるので、全然違う存在になったけどね！

片道勇者の世界で勇者を導く役割果たすために王国によって作られた人工妖精であり、勇者に渡される。「イーリス」は沢山作られていて、「イーリス」同士は意識を共有している。これを活かして、勇者同士の連絡手段として使われることも少なく無いので、片道勇者trpgの世界での扱いとしては自我のあるスマホ。戦闘に関するヒントを出したりしてくれる。近くに危険な敵が湧いたら知らせてくれたり、他者から勇者に対する好感度とかも聞けば教えてくれるのでかなり洞察力はあるかもしれない。

知識と自我を与えられた状態で生まれ、1週間足らずで世界を救うため、実を言うとイーリスはめちゃめちゃ若い。上では1桁と誤魔化したが、多分2、3歳の時点で産んでる。本人が年齢を話さず、知識を持って生み出されたため、年相応の存在には見えなかったせいもある。（ﾅﾉﾃﾞｵﾍﾞﾛﾝﾊﾛﾘｺﾝｼﾞｬﾅｲﾖﾀﾌﾞﾝ）

ちなみに、「イーリス」は沢山作られていて、「イーリス」同士は意識を共有しているので、隣にいた本体では無く、それと同じ知識を持った別個体という設定にすることもできるので多分、この世界に面倒ごとは持ち込まなくて済むと思う。