彼女には生まれた時から"風"属性以外の適性がなく、火や水を一切扱うことが出来なかった。
そのため、あらゆる属性を使いこなすことを誇りとするヴァイス家では落ちこぼれとして、幼いころから様々な虐待を受けている。

だがそれでも彼女の姉だけは
「いいんじゃない？一芸特化って感じで！風の扱いはむしろ私より上手だし！」
と彼女を受け入れ、"師匠"のように風の扱いについて様々なことを教えてくれた。

彼女がどれほど親族から蔑まれても、まともな食事を貰えなくても彼女は気にしなかった。
＿＿姉と過ごす優しい時間が何よりも幸せな時間だったのだから。

それで話が終わるなら彼女はまだ幸せだったことだろう


「ふふ、その顔が見たかった。優しかった姉に殺されそうになったらそんな表情になるわよね」
「ほかの属性は扱えず、得意の風の魔法でも遠く及ばない」
「ねぇ、感想を聞かせて？這い上がれない奈落の底に落ちるような"絶望"の声をもっと教えてよ！！！！！！！！」


五歳で彼女は命からがら逃げだし、最終的にダイワ諸島に行きついた。
優しい人たちと過ごし、年齢を経ても彼女は変わらず風属性以外の適性を得ることが出来なかった。

それでも構わない、何故なら＿＿
「アイツを見返すときは、この"風"でと、そう決めています」

名をエルフリーデ・ヴァイス
精鋭を誇るヴァイス家の中でも当代最強と噂される少女。六属性を高いレベルで取得しており、攻防に隙は存在しない。
普段は貴族に仕え、おしとやかな物腰とだれに対しても優しい性格から領民にとても慕われている。

裏の顔はヴァイス家最精鋭の戦闘集団"ルプス"のリーダー。
本当の性格は悪辣で、絶望に染まった顔が何よりも好きな歪んだ性格。
表の顔で誰に対しても優しいのは、彼女が標的を手にかける際、誰しもが呆然とし、絶望した顔を見せるため

妹のマルガレーテに対して優しく接していたのは幼少期の少女が自分に依存したタイミングで殺すため。
「穢れを知らない少女の絶望、ふふふ、今思い出しても最ッ高！だったわ。あの表情は清濁併せ吞む大人になっては決して見れない表情よね」

信頼度：-2(仇敵)、-1(敵対)、0(嫌悪)、1(普通)、2~3(信用)、4~5(信頼)、6(親愛)


◆アルカ　関係：同行者
名前も知らない恩人に命を救われ、逃げ出した彼女が初めて同行者に選んだ吸血鬼。
初めてアルカと出会ったきっかけは、彼女が砂漠で行き倒れた死体を発見し、改めて埋葬しようとしたときに語り掛けられたこと。
それ以来、アルカに護衛を依頼し、その見返りに血を分け与えて無限の砂漠を二人で旅している。

嘘を見破る能力が高く、前衛として頼りがいのある人だと思ってはいる。
始めは彼女の立ち振る舞いから高貴な生まれか、とにかく社会性が高いものだと思っていた。
だがちょこちょこ常識から外れた行動をしたり、気に入らないことがあれば相手の身分に関わらず突っ込んでいったりするのを見て、考え直すべきか悩んでいる。

「……まあ、契約は契約ですし私の身を守ってもらえるのはいいんです。でも、その……もうちょっとこう……」


信頼度：3(信用)
呼び方：アルカさん
呼ばれ方：マルガ/そなた