悪魔が最後に望んだのは絶望だった。

絶望は心を蝕み、前に進む意志を失わせるからだ。もうこの先何もないと感じた瞬間、魂は死んで堕落し、地獄へと落ちていく。そう、悪魔の領域へと。
これこそ、悪魔が殺人のような直接的な行為ではなく、絶望に陥った人々を見て快感を感じる所以である。
それを私たちは「魂を悪魔に売った」と言う。

ある射手が悪魔から銃を受け取った時、悪魔は「最後の弾丸は愛する者の頭を撃ち抜く」という幼稚な契約を提案しました。彼はそれを聞いた瞬間、自分が愛するすべてを撃ちました。
そして、悪魔にこう言いました。
「この魔法の弾丸はお前の言ったとおり本当に誰にでも当たるな！」
最後の弾丸が無くなった射手は、数多くの世界を旅した。時に困っている人や悪と戦う人を助けましたが、それはすべて衝動の結果であり、彼の良心ではありませんでした。
彼はある世界では「正義の射手」呼ばれ、また別の世界では「血に飢えた射手」とも呼ばれました。

ある日、射手はいつの間にか悪魔がいなくなってることに気付きました。それはなぜか。
射手は自分の魂が最初から地獄に落ちていたことに気付きました。
契約は既に果たされたので、悪魔は去ったのです。

悪魔となった魔弾の射手は、他の人の魂を手に入れるために、引き金を引き続けました。悪魔と同じく、弾丸は思い通りの場所を貫くでしょう。永久に。