容姿・経歴・その他メモ

少女は悪なる血―――エリンディルに幾度か来寇した”魔族”と呼ばれる種が混ざり産まれた、俗にいう混血種である。
アイリス自身がそれを知ったのは、未だ幼き頃。己を産んだ母が”国家転覆を企てた反逆者”として、処刑台へ連行されることになるその先日のこと。
だが幸いと言うべきか、彼女自身は泉の女神アエマを信奉する信心深き信徒として、人々に認知される平凡な少女であった。
そのため、”反逆者の娘”の汚名を着せられながらも、彼女まですぐさま飛び火が行くことはなかった。
しかしながら、母の処刑より数日後。忽然と少女は姿を消し、行方知れずの逃亡者として人々の記憶は新たに塗り替えられることになる―――。

―――母と共に過ごしていた頃。少女はただ、憂鬱な日々に苛まれていた。
平凡で代わり映えしない日常。何をしても満たされない。誰といてもまるで夢見心地な日々。
或いはそれは、自らに魔族の血が入っていたからなのかもしれないと思えば、何とはなしに理屈がなくとも納得がいった。

だから少女は、何もかもを失ったその日に旅に出た。自らのルーツについて、より深く知るために。
もう一人の家族を捜しに。自らがこの世に生まれた理由足る、何かを捜しに。
その足が死と共にある”冒険者”になるべくして向かったのは、その血の呪いか、はたまた秘めたる彼女の想いの強さか。

ただ、今そこに居るのは、忌み子としてこの世に生を受けた、天涯孤独の少女ひとりである―――。

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