容姿・経歴・その他メモ

履歴

聖都ディアスロンドが秘密裏に保有する軍事組織・神聖騎士団の南方支局構成員。
魔物の静動を調査する部署で観測用の鳥獣を管理し、生活痕のサンプル（糞など）を回収する職に就いている。
冷静沈着を心がけ、言葉を選び、強い人間を装う。運の要素が絡む物事を嫌い、仕事を成し遂げようとするとき外因を積極的に遠ざける。何事も独力で成し遂げようとするあまり、人を遠ざける挙動になってしまっている。
元々は本部の神聖騎士だったが、国際テロ組織へ神殿の機密を横流ししていた実姉を庇い、左遷の処分を受けた経歴を持つ。姉を深く敬愛し、二挺一対の魔導銃の片割れをそれぞれ形見として持つ。姉との文通は彼の数少ない楽しみである。野を放浪していた過酷な幼少期を共有した肉親だからこそ芽生えた感情。
情趣を解さない（認識できていない）性分であるが、不器用なりに他人の心情に配慮はする。そっとしておく。人を信用しない性質と共に、それらはシンと知り合ってから幾らか改善されている。唯一信頼を置く相棒として、無二の親友として、苦悩する彼の戦いに与している。
「あいつがどこで何をしていようがさほど興味はない。ただ、あいつに守りたいモノがあるなら、そのための助力は惜しまない」

父は霧の森の護人部隊のひとり――霧の森を離れ、秘密裏に魔物退治を請け負う「ベルヴェの灯を持つドルイド」だった。夜の闇に潜む者たちにとって彼らの存在は眼の上の瘤であり、狩人であると同時に彼ら自身も命を狙われた。母は危険と隣り合わせの生活に嫌気がさし、ユリと姉のエンマを残して父の下を去った。父は仕事を続けながら姉弟を養い、成長した姉弟は父の帰る場所を護り、互いに生活を支えるようになった。
危険な任務を続けていればいずれその時は訪れる。父は妖魔との遭遇戦で命を落とし、姉弟は身寄りを失った。神殿に引き取られ、姉はディアスロンドの神官に、弟は神殿を護る騎士になった。
父はユリに仕事の矜持を語ったことがある。「敵を忘れ、危険を忘れ、戦いを忘れ、不安を抱かず、明日を疑わず、深い眠りに就く。この幸せは、幸せであると知らないことに価値がある。町に生きる人々のささやかな幸せを護ることが私の使命であり、使命を全うすることが私の誇りだ。」人々を護る仕事に就いた今、父が思い描いた平和をなぞる。

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