容姿・経歴・その他メモ

かつて、ある目的のためにこの地を訪れたレムレス。しかし、何らかの原因により深い傷を負い、生死の淵を彷徨うこととなった。その損傷は肉体だけでなく精神にも及び、命からがら別の肉体へと移ることによって、かろうじて存在を保った。

精神体を本質とするレムレスにとって、精神的な損傷はすなわち「自己の喪失」を意味する。存在の中核に空いたその穴を埋めるため、彼は依代となった肉体の精神を一部取り込んだ。結果として、生命としての連続性は保たれたものの、精神は融合し、混ざり合ったものとなってしまった。

現在の彼には、「自分はレムレスである」という自覚と、主となる性格の核だけが残っている。それ以外の多くは、依代となった者の精神に上書きされている。そのため、自分が何のためにこの地へ来たのか、なぜ致命的な損傷を負ったのかといった根本的な記憶は、すっかり失われてしまっている。

この精神的融合により、「自己」から切り離された彼の行動指針は、自然と「他者」へと移っていった。特に、依代の精神が信心深かった影響から、神の定めた運命に従うという姿勢を受け継いでいる。

一度、自らの存在すら揺るがす苦難を乗り越えた彼は、「自分には神がついている」と強く信じるようになった。そしてその信仰心から、流れに身を任せる生き方を選び取っている。神の導く運命に従っていれば、いずれ最善の道へと至ると信じているのだ。

そのため彼は、悪事を除けば基本的にどんな頼み事も断らず、経典に記された信仰的な行いを守り、慈善活動などにも積極的に取り組んでいる。

失われた「本来の自分」について、まったく関心がないわけではない。しかし、神の導く運命を信じているがゆえに、「やがてそれも明らかになるだろう」と今も尚信仰を続けている。

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