人間との間に生まれた子(だと思っていたの)であると言われた。
ただ両親と外見や髪色、瞳の色など大きく違うっているため違うと思っているが...幼い頃の記憶はあまりよく覚えていないため、何とも言えない。

両親は領主の間者(スパイ)であり、自身もいずれ間者になると言われ幼少期から鍛錬を積まされていた為実力には自信があった。
で、両親のことが正直嫌いだったので、頻繁に抜け出しては"鍛錬"と言い張って腕自慢達に喧嘩を売っては毒で嬲り殺す毎日を過ごしていた。
ただ、あまりにも酷い戦術であったため...周辺地区からは「コドク(孤独・蠱毒)の少女」なんて二つ名まで得ていた。
...別にいいじゃん？敗者は勝者に逆らえないものだから。


ある日「いい加減、間者として腰を据えろ」と両親からお叱りを受けたため、これで一旦やめにしようと通りすがりの西洋人の騎士に喧嘩を売ったのだが...
――――負けた。呆気なく負けた。ビックリするくらいあっさり。
―――あぁ、私の人生もここまでか...なんて考えてると、その西洋人は私に一つの提案を出す。
「君、なかなかいい筋してるね。」
「どうだい？俺の露払いでもしてみるかい？」
...私は二つ返事で頷いた。
こいつから色々学んで、それから見返してやればいいか。


...月日が経ってわかったことがある。
え？間者の件？んなもんどうでもいい。重要なことじゃない。
この騎士は「アロンダイト・ブランド」というとても有名な"妖精騎士"だとか。
そしてそれを知る腕自慢が、この極東の島国にもいて、そしてこの男に喧嘩を売りに来る。
私がそれを相手してあげてるわけだが...その後に的確なアドバイスをくれるのだ。
しかも時々、実際にその腕を見せてもくれる。
で、一言で現すと「こいつやばくね？」って強さしてた。
そのお陰で今までで一番の上達っぷりを見せていた。


そしてまたある日のこと、彼は私の出生について一つの疑問を投げかける。
「君、妖精の血が流れてるみたいだけど...」
「え？」
「ん？」
「ん？」
「...もしかして知らなかった？」
「うん」
「両親は？」
「...普通のヒューリン」
「あー...」
何かを察する目をする彼だった。
もしかしなくても私...攫われっ子？


西洋騎士が西方へ向かうという。
なんでダイワ諸島に来てたかは言ってくれなかった。
で、私はこれに付いていくことにした。
え？両親？誘拐犯でしょ？だったらどうでもいいじゃん。嫌いだったし。
え？出生の秘密？興味ないね。


西方に付いたら彼は言った。
「世の中のことを知ることも、強くなる事につながるぞ」
「偶には冒険者として俺以外の誰かと旅をしてみたらどうだ？」
私知ってる。こいつ私の金で酒が飲みたいだけだ。

で、結局コイツのやたら強い圧しに負けて冒険者となることにした。
神社...じゃなくて、神殿で登録することから始めなきゃならない。
―――――誰かとこう、マトモに仲良くしたこと無いけど、大丈夫だよね！

かかって来なよ！
私は人の子であり、妖精の子であり、妖魔の子であり、そして妖精騎士の子だ！
お前さん程度に、この私が倒せると思うなよ！
ﾄﾞﾔｧ

←D66<6.5>秘密　Clement(クレメント)
・...恐らく、師匠繋がり。
→D66<1.1>友人　フィーア
・殺意を感じる仲である。