容姿・経歴・その他メモ

　風の妖精であるフェアリーの少女。ある日"門の町"ブリガンディアルで目が覚めたが、それ以前の記憶が全くなかった。
　自分の名前もここがどこなのかもわからない少女は付近のフェアリーたちを頼ることにし、フェアリーたちは少女を風の大精霊のもとへ連れて行った。フェアリーたちにも風の精霊たちにも少女がいつどこからどのようにしてブリガンディアルにやってきたかを知るものはいなかったが、少女は新しい彼らの仲間として向かい入れられ、それから幾何の時が過ぎた。
　少女は天才的な才能を持った妖精だった。風を自在に操り、それに乗って素早く飛ぶことができた。また彼女は人間の技を見様見真似で再現することさえできた。とりわけ彼女が気に入ったのは東方の密偵が得意とする忍術だった。これらの才能はもっぱらいたずらに活用された。
　目を離した隙にケーキが一切れなくなっていたり、かと思えば失くしたと思っていたお人形が机の上にそっと置かれていたり、そんな場にはよくこんな文言が添えられていた。「フィドルスティックス参上」と。フィドルスティックス―アーシアンの言葉で"ばかばかしい"という意味だが、彼女はこの言葉を自分の呼び名に使うほど気に入っていた。それは言葉の響きが琴線に触れたのかもしれないし、意味に何か思うところがあったのかもしれない。このようにして彼女は風の精霊を手伝ったり、人間にいたずらをしたり、時には人助けをしたりして日々を楽しく過ごしていた。
　しかしあるとき、フィドルの運命を変えるような出来事が起きる。自分と同じようにどこからか記憶喪失の妖精が現れたのだ。これを大精霊はフィドルが経験を積み、精神的にも能力的にも成長する好機だと考えた。そこでフィドルに冒険者になるように勧め、フィドルは何かの予感を得つつ冒険者として彼女に接触、旅についていくことになった。

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